BUMP OF CHICKEN、米津玄師、Hi-STANDARD、Snow Man、HANA、幾田りら……注目新譜6作をレビュー
New Releases In Focus
毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回は、BUMP OF CHICKEN「I」、米津玄師「1991」、Hi-STANDARD「Our Song」、Snow Man「BOOST」、HANA「My Body」、幾田りら「Actor」の6作品をピックアップした。(編集部)
BUMP OF CHICKEN「I」
鋭さ、美しさ、透明感をたたえたギターフレーズ、〈時間がない ここは命の瞬きの中だ〉というラインとともに疾走し始まるビート。冒頭の十数秒で「これこそがBUMP OF CHICKENだ」という安心感と、「彼らのこんなサウンドは聴いたことがない”という瑞々しさが同時に押し寄せてくる。アルバム『Iris』(2024年9月リリース)以来、約1年ぶりの新曲で、「I」(TVアニメ『僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON』エンディングテーマ)は、このバンドの存在意義をさらに更新するような楽曲に仕上がっている。生命の意味を問いかけるような歌詞、ここからまた進んでいくんだという決意を強く感じさせる藤原基央(Vo/Gt)の歌声も鮮烈。〈僕も生きる 君と生きる そのためにいる〉という言葉とともに、4人は新たなフェーズに向かって進み始めるはずだ。(森)
米津玄師「1991」
2007年公開の新海誠監督による劇場アニメーション『秒速5センチメートル』をSixTONESの松村北斗主演で実写映画化。日本のカルチャーの粋を集めた本作の主題歌を米津玄師が担うのは必然だったと言っていいだろう。1991年に主人公・遠野貴樹と転校生の篠原明里が出会う――というのが映画の起点だが、通信音と鍵盤のフレーズから始まる「1991」は〈1991僕は生まれた 靴ばかり見つめて生きていた〉という歌詞に示されている通り、米津自身のライフストーリーとも強く結びついている(実写版の監督である奥山由之も1991年生まれだ)。大仰に盛り上がることもなく、どこか淡々と、そして驚くほど奥深い歌の表現とともに紡ぎ出される、大切な人との時間的/物理的な距離。そのなかで浮かび上がる儚さと尊さもまた、この曲の素晴らしさだと思う。(森)
Hi-STANDARD「Our Song」
新ドラマーにZAX(The BONEZ)を迎えて活動を再開するHi-STANDARD、11月26日発売のミニアルバムからの先行配信。全国のCDショップで先行視聴も行われるが、彼らがサブスクをこのように使うのは初の試みだ。若い世代には“伝説”と呼ばれかねない存在なので、現役のパンクロックが広く波及するのは嬉しい限り。「Our Song」とは今の3人だけでなく、恒岡章、そしてリスナー全員のことを指すのだろう。彼らにしてはゆったりしたBPMも、力強いコーラス、楽しいハンドクラップの挿入も、みんなを巻き込んでいくこれからの物語。今なお〈the kids are alright now〉と笑いながら〈Some old us can sing along〉と歌う姿が胸を打つ。(石井)























