幾田りら、さらなる成熟を見せた2025年を総括 「Actor」に宿る優しさ、天性のポップネスと称すべきボーカルの魅力

幾田りら、「Actor」に込めた“演じるように生きる私たち”へのエール
ゆったりとしたハミングから始まる「Actor」。心地よいグルーヴを描き出すサウンド、緻密に構築されたコード進行と華やかな転調、そしてホーンセクションを取り入れたアレンジメントがひとつになり、ポップスの豊かさや奥深さを存分に感じさせてくれる楽曲に仕上がっている。ジャズの要素を取り入れた間奏パートも楽しいこの曲は、“幾田りら流のシティポップ”と言ってもいいだろう。
歌詞の中心にあるのは、〈誰もが着飾り踊るアクター/それでも僕ら/手と手を繋ぎ今日も描く/まだ見ぬストーリー〉というサビのラインだ。学校や職場、パートナーとの時間、友達といる時、家族と過ごす場面など、私たちは自身のキャラクターを調整しながら、いわば“役”を演じるように日常を過ごしながら生きている。どれが本当というわけではなく、そのすべてが“自分”という存在なのだが、他者によって自分が定義されることもまた避けられない。しかし、その根底にあるのは目の前の人や周りの人への思いやりや気遣いだ。時には上手くいかないこともあるし、ぶつかってしまうこともある。幾田は「Actor」の中で、そういった人と人との関わり方を包み込むように肯定している。曲の最後のフレーズにも彼女の世界観が投影されていてグッとくるのだが、それはぜひあなた自身で確かめてほしい。
そして、この曲の軸を担っているのはもちろん、幾田の歌声だ。「Actor」は決してポジティブなだけの歌ではなく、価値観や考え方のすれ違いだったり、そこから生まれる孤独も描かれているのだが、“天性のポップネス”と称すべきボーカルによって、リスナーは自分の日常を前向きに捉えるモードへと誘われる。タイム感、ピッチの良さも相変わらず素晴らしい。
TVアニメ『SPY×FAMILY』Season 3は毎週土曜23:00よりテレ東系列ほかにて放送中。「Actor」のノンクレジット映像は夕暮れを想起させるシーンから始まり、ロイド、アーニャ、ヨル、ボンドの1日が描かれる。揃って朝の食卓を囲み、冬の装いで外出し、夕暮れになり、また家に帰る。ロイドの幼少期も投影されているが、 全員が揃って笑顔、そして、穏やか。その中で聴こえてくる〈いつか終わるこんな日々だから〉から始まる最後のフレーズから伝わる感情——楽しさと切なさが入り混じったーー『SPY×FAMILY』の大切な部分と繋がっていると思う。
『SPY×FAMILY』で描かれるフォージャー家と、それを取り巻く人々の日常に寄り添いながら、私たちの日々を穏やかに照らし出す「Actor」。幾田りらのキャリアにとっても大きな意味を持つ楽曲になりそうだ。
※1:https://lilasikuta.jp/news/detail/?id=573240

■リリース情報
「Actor」
10月11日(土)配信リリース
配信リンク:https://lnk.to/lilas_actor
作詞・作曲:幾田りら/編曲:井上暖之
シングル『Actor』
10月29日(水)CDリリース
予約リンク:https://LilasIkuta.lnk.to/Actor
■タイアップ情報
TVアニメ『SPY×FAMILY』Season 3
2025年10月4日(土)23:00よりテレビ東京系列ほかにて放送開始
公式サイト:https://spy-family.net/
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