NIGHTMARE、大暴走で駆け抜ける結成25周年! 新たな挑戦とEP『√25』のすべて――5人で語り合う現在地

『√25』、メンバーそれぞれによる作詞曲とNIGHTMARE愛

――今回、5人が一曲ずつ作詞作曲を手掛けたEP『√25』も挑戦のひとつですよね。ひとり一曲というアイデアはどなたが言い出したんですか?
Ni~ya:咲人だった記憶があるんだよなあ。去年末ぐらいだっけ? それから、ゾジー(YOMI)がいろいろ作曲の勉強をして、機材とかも用意し始めて。
咲人:そもそもゾジーさんに曲を作ってみてほしかったというのが、いちばん大きなきっかけなんです。作詞はしてましたけど、曲は作ってこなかったので、バンドのまだ見ぬ可能性がそこにあるなと思っていたんですよね。前から「作れたら作ってみて」と言って、期待せずにずっと待ってたんですけど、その気配がなくて(笑)。だから、「もう今しかないよ!」って。今回ようやく叶いました。
――YOMIさんとしては、なかなか踏み出せなかった一歩をついに踏み出したわけですね。
YOMI:そうですね。さっき言った25周年の話に繋がるんですけど、初めて自分が曲を作ることで喜んでくれる人がいるなら、それで感謝の気持ちを伝えられるんじゃないかなと思って頑張りました。
――で、ソフトの勉強から始めたと。
YOMI:はい。最初は「Pro Tools」を使ってみたんですけど、全然ダメで「わかんねえ!」って(笑)。結局「Logic」を使って、みんなの力も借りながら、なんとか曲にできてよかったです。一曲を完成させられたという安心感はあるんですけど、やっぱりコードとかはわからないので、頭のなかの理想を100%表現できたわけではなくて。そこはもう少し頑張らないといけないなと思いました。
咲人:前に作曲してみてほしいという話をした時は、「鼻歌でもいいからメロディを作ってくれたら、俺がコードとかリズムをつけるから!」みたいなレベルだったんですよ。でも、いざ曲作りが始まったら、ソフトについて聞かれ始めて(笑)。いろんなことを吸収しようとしてるんだなという姿勢が見られました。
――咲人さんは、X(旧Twitter)で「YOMI作の曲ができて、私は夢がひとつ叶ったような心持ちです」と書いていましたね。
咲人:(笑)。本当に、子どもが歩き始めたみたいな気持ちですよ。
YOMI:ははははは! もうライブでもやっているんですけど、最初は自分でも不思議な感覚でした。やっと馴染んできた感じがします。

――「Baku」は、まさにライブ映えするヘヴィな曲ですが、もともとそういう曲を作ろうというイメージがあったんですか。
YOMI:咲人から「アップテンポな曲を作ってほしい」というオーダーがあったので、なんとなく「テンポはこれくらいかな?」みたいな感覚で作っていきました。
RUKA:最初に聴いた時は咲人とのやりとりを知らなかったので、こんなに激しい曲を作ってきたのは意外でしたよ。
咲人:想定より激しかった(笑)。でも、やりたいことは伝わってきたから。
RUKA:自分が知っている範囲では、普段ゾジーが聴いている音楽って、すごく暗い曲が多いんですよ。だから、もっとミディアムで暗い歌モノみたいな曲がくるかと思ってた。
YOMI:(笑)。
柩:僕はRUKAさんと真逆で、ゾジーが好きそうな曲だなって思いました。彼が聴くジャンルとして好きな印象がある。
Ni~ya:両方わかる気がする。僕は、微力ですけどベーシストとして力になってあげたいと思って。さらにかっこいい曲に仕上げたいという気持ちで臨みました。
――引き続き作曲に挑戦しようという気持ちはあります?
YOMI:……スケジュール次第ですけど(笑)、作れたらいいですね。
――通して聴くと、本当に五人五様の曲が揃っていて。それぞれどういう曲を作るか、決めていたわけじゃないんですよね?
咲人:そうですね。RUKAさんの「Mist」は結構前に録っていたし、「自分はこういう曲を作るから違うテイストの曲をお願い!」みたいな話は、特にしていないです。だから、曲が出揃った時に「うまくバラけたなあ」って一安心しました。

――結果的としてこれだけ個性が出ているのは面白いですね。柩さんの「SMILE」はどういうイメージで?
柩:四つ打ちっぽい、ダンサブルなノリのいい曲がいいなと思って。あと、ゾジーは昔から「早口が苦手」と言っていたので、歌えそうな範囲内であえて文字を詰めてみました。苦手と言っていたわりには、最初の仮歌の時点で全然スラスラ歌えてたけど。
YOMI:いや、難しかったよ(笑)! 〈成るのか成らぬのか成らねば切るぞ〉のあたりとか、めちゃめちゃ難しい。大変でした。
――艶っぽい世界観も柩さんらしいなと。
咲人:彼が作曲したほかの曲と近しいものがあるし、しっかり彼の色が出ているんじゃないかなと思います。
――リズム隊的に、こういう4つ打ち曲はどうでした?
RUKA:(Ni~yaに)大変だったよなあ?
Ni~ya:大変っすね! コード進行もちょっと複雑で、実際に弾いてみると結構速いんですよ。ライブでも演奏してますけど、頭を使う曲ですね。
RUKA:アウトロはドラムだけ違う譜割りで走ってるんですよ。だから、ギターリフを聴くとつられちゃって。
Ni~ya:そこ、苦戦したよね。
RUKA:ドラムを意識して、アウトロを聴いてみてください。わけわかんないから!
Ni~ya:ははははは! たぶんギタリストは得意分野の曲なのかもしれない。

――なるほど。咲人さんの「Jubilee」は美しいバラードで、イントロのギターの時点で咲人さん節を感じました。
咲人:自分のなかではバラードではなくて、ミディアム寄りだけど、意外と演奏は激しいところもある、というイメージですね。実は最初、別の曲を作っていたんですよ。「極上脳震煉獄」という激しい曲の続編を作ろうとしていたんですけど、ちょっと違うなと思って、締切2日前ぐらいに方向転換して、素直に作った曲です。あと、昔から“ジュビリー”という言葉を使いたかったんですよね。“シルバー·ジュビリー”が25周年という意味で、マーシャルの25周年記念モデルがその名前で出ていたりして。語感も好きだったし、今しか使えない言葉なので、そこに繋げて今までの歩みを表現しました。
YOMI:歌は、いつも通り咲人と一緒にニュアンスの確認をしながら録っていったんですけど。自分のなかでの「こう歌いたい」というイメージを含めて、うまくレコーディングできたと思います。ライブでやっていても気持ちいい曲です。
――やっぱり、メインコーポ-ザーである咲人さんとRUKAさんの曲は、NIGHTMAREらしさを担っている印象があります。歌詞もいちばん25周年ならではの内容になっていて。
咲人:歌詞に関しては、ギミックにどれだけの人が気づくかな?と思っていて。……実は、〈甦る日〉からの部分に、メンバーの名前をまぎれ込ませているんです。
――あ、本当ですね! すごい。全然気づかなかったです。
YOMI:僕も全然気づかずレコーディングしました(笑)。あとから聞いたので。
Ni~ya:……え、知らなかった! なるほど~!
柩:今の今まで知らなかったの(笑)!?
YOMI:(笑)。意外と気づかないっていう、その匙加減もちょうどいいんですよ。
咲人:自分のバースデーライブの時に音源を流して聴いてもらったんですけど、その段階で気づいた人もいたみたいです。
YOMI:それはすごいね!
咲人:この部分だけちょっと文章の意味が抽象的だから、そういう部分で引っかかる人は引っかかるのかな?
――愛情を感じます。時間をかけて考えたんですか?
咲人:いや、お風呂に入ってるあいだに考えました(笑)。曲を作るうえで、“バンド”とか“5人”みたいなところがテーマになっていたので。この歌詞が書けた時点で、自分的には100点でしたね。



















