MON7A、カルチャーのルーツに迫る 「独りよがりな音楽は作らない」ーー表現活動で追い求める“幸せ”とは

MON7A、ルーツに迫る

「みんなの生活にちょっとでも俺が入れたら幸せ」

――楽曲について聞くと、これまで「おやすみTaxi」と「HEA7EN」の2曲をリリースしていますが、曲を作るときにもっとも大事にしていることは何ですか?

MON7A:独りよがりな音楽は作らないと決めています。聴いてくれる人がいてこその音楽だと思っているから、自分が好きな音楽だけを追求するのも違うし、多くの人に聴いてもらうための工夫を入れたいです。自分が好きな音楽とみんなが求めている音楽を、上手く融合させられたらいいなと思っています。ずっとみんなにとって新しい存在でいたいから、みんながまだやってないことにも挑戦したいし、飽きられないような工夫をしたいです。

@7montaz

新曲です!さよなら highway 飛ばして〜 #オリジナル曲 #original #作詞作曲

♬ OYASUMI Taxi - MON7A

――初めてリリースした「おやすみTaxi」はSNSでものすごい広がりを見せていますけど、これはそもそもどういうふうに作っていったんですか? アレンジャーに釣俊輔さんのお名前がクレジットされていますけど、TikTokに上がっているデモを聴くと、原型の大部分をMON7Aさん自身で作り上げられていますよね。

MON7A:ずっとギターで曲作りをしていたんですけど、これはiPadのBandLabを使ってDTMでの曲作りに挑戦しました。DTMで作るようになって2〜3曲目くらいです。これはTikTokで流行らせたいなと思って。そうすれば俺の曲の知名度も広がると思って、まずTikTokで流行っている曲を自分なりに分析してみたんです。最初にTikTokで流行っている部分(1番のAメロ)を作って、あとは後づけです。

MON7A 撮り下ろし写真

――TikTokで流行っている曲をMON7Aさんなりに分析して、どういう答えを見つけて、この曲の制作に取り掛かったんですか? 分析して作った曲をちゃんと狙い通りに流行らせるというのは、多くのアーティストやクリエイターがやりたくてもやれないことだったりすると思うんです。

MON7A:安直なんですけど、今のリスナーって、歌詞の意味とかより聴き心地のほうが大事なのかなと思って。たとえば英語と日本語が混ざった曲や韓国語の曲は日本人からしたらすごく耳に残るし、歌でしかできない表現のほうが耳に残るなと思って、初めての試みではあったんですけど、英語を混ぜてみることを意識してみました。あとは速い曲のほうが流行るから、テンポ感も意識しました。流行らなかったら悔しかったのでよかったです。

【MON7A】「おやすみTaxi」(Music Video)

――トラックを作るときにリファレンスにした音楽はありますか?

MON7A:NewJeans。前からめちゃくちゃ好きで。NewJeansって、誰が聴いてもかっこよくて新しいと感じるから人を選ばない音楽だなと思っていて、参考にした部分はあります。

――NewJeansがやっているビート感に、日本語と英語を組み合わせたフレーズ、日本語ならではのメロディの動きや韻の踏み方を組み合わせているのが面白いなと思います。

MON7A:昔から詞先なんですよ。最近はメロディからも作れるようになってきたんですけど、前までは書いてある文章をコードに合わせて歌ってメロディをつけることしかできなくて。なので、メロディはリファレンスがあるというより、必然的にそうなったという感じがします。

――面白いですね。歌詞のテーマでいうと、Behind the Sceneの映像で「現状維持は退化」という言葉もおっしゃっていましたけど、〈転んでも 止まっても〉いいから新しいことに挑戦してみよう、といったことが込められていると思います。それはMON7Aさんが大事にしている生き方の価値観とも言えますか?

【MON7A】「おやすみTaxi」Music Video Behind the Scene

MON7A:俺って、何でもやっちゃうんですよ。後悔するのが嫌なので、やりたいなって思ったらすぐに行動する。「現状維持は退化」は俺が考えた言葉じゃなくて、どこかから拾ってきた言葉なんですけど、ずっと自分の中に残っていて。でもそんなに大きな挑戦のことを言っているわけでもないです。もちろん大きい挑戦をするときもなんですけど、小さいことで迷ったとき、背中を押してくれるソングになればいいなと思って書きました。だからコンパクトな曲です。そんなに壮大な感じでもない。みんなのちょっとした元気につながればいいなっていうくらいの感じです。逆にプレッシャーになってほしくないなとも思うし。

――「でっかい挑戦をしろ」みたいなことではなく、たとえば普段はバニラアイスばかり選ぶけど、チョコミントに手を出す勇気をくれる、くらいな?

MON7A:そうです、そういうのだけで楽しくなるなって俺は思うので。そうやっていろんな小さいことが、今の俺につながっているなと思います。

――2曲目の「HEA7EN」は、MON7Aさんが大事にしている「7=SEVEN」と「HEAVEN」をかけた表記のタイトルになっていますけど――。

MON7A:「HEA7EN」は俺が落ち込んじゃったときの曲です。いろんな方が年齢を大事にした曲を作っていると思うんですけど、俺もそれをしたいなと思って、17歳の曲を書きました。

【MON7A】「HEA7EN」(Music Video)

――後半にかけて、〈うるさいな 何回言った/一人で生きていくんだ〉〈壊れるのは簡単で/それが悔しくて〉〈傷を突いた いつかは/もう腐ってるから きっと〉とか、ネガティブな言葉が入ってきますよね。

MON7A:そうですね。17歳は挑戦も失敗もしたし、いろんな経験をした歳だったので、忘れる前に書きためたいなと思って。恋愛もしたし、人間関係に悩んだこともあったし。やっと自分のことちゃんと考えられるようになった歳でした。

――『今日好き』に出て、アーティスト活動も始まって、生活や環境がガラッと変わった1年だっただろうと想像します。〈うるさいな 何回言った/一人で生きていくんだ〉とかは、どういうことに向けて出てきた言葉だったんですか。

MON7A:大人が大嫌いで。ネットでも現実世界でも、いろんな人からいろんなことを言われていたんですよ。そこで「一人で生きていく」って思うくらい俺は子どもだったし。それを書きました。

MON7A 撮り下ろし写真

――「独りよがりの音楽は作りたくない」という言葉もありましたけど、そうやって自分の生きた日や感情を刻んだ音楽が、みんなにとってどういうものであったらいいなと思いますか。

MON7A:「救われた」とか言ってくれる人がいて、それはすごく嬉しいんですけど、全員が歌詞に共感するわけでもないし、俺の音楽で全員を救えるわけではないと思っていて。みんなの生活にちょっとでも俺が入れたら、俺が幸せだなって思います。俺がみんなの生活の中に入りたいです。それがみんなにとってもいいことであってほしいなと思います。いい意味で“ただの1曲”として受け取ってもらって、いっぱい聴いて長く愛してほしいです。

――自分の幸せを一番に追求することが、創作活動を長く続けられる秘訣だとも思います。音楽以外の活動もやっていきたいという想いは強いですか?

MON7A:もちろん。軸は音楽なんですけど、TikTokでクリエイターアカウントを作っていろんな人に見てもらえた経験があるからこそ、これからも音楽1本でやっていくよりかは、音楽をやりつつ、それをもっといろんな人に見てもらうような活動をしたいです。タレント活動もしたいし、俳優業にも興味があるし、ファッションも自信があるので、いろんなところで活躍できたらいいなと思っています。

◾️MON7A リリース情報
1st Digital Single「おやすみTaxi」
配信中:https://lnk.to/MON7A_Taxi

2nd Digital Single「HEA7EN」
配信中:https://lnk.to/MON7A_HEA7EN

◾️MON7A 関連リンク
・YouTube:https://www.youtube.com/@7montaz
・X:https://x.com/7montaz
・Instagram:https://www.instagram.com/7montaz
・TikTok:https://www.tiktok.com/@7montar
・TikTok音楽アカウント:https://www.tiktok.com/@7montaz

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