MON7A、カルチャーのルーツに迫る 「独りよがりな音楽は作らない」ーー表現活動で追い求める“幸せ”とは

「自分だけはずっと自分のことを好きでいてほしい」
――音楽以外に「MON7A」を形成しているカルチャーというと、漫画が挙げられると思います。『NANA』のシンちゃん(岡崎真一)から影響を受けて、その髪型にされているそうですけど、『NANA』を読み始めたきっかけは何だったんですか?
MON7A:中学に入って、昔の作品や音楽を教えてくれる、同級生のサブカルチックな女の子に出会ったんですよ。お母さんが『ご近所物語』を持っていて、そこで矢沢あいさんを知ったんですけど、『NANA』はその子に教えてもらいました。
――素敵なエピソード! 『NANA』のどういったところに惹かれたんですか?
MON7A:特にファッションは影響を受けているなって思うんですけど、そもそも『NANA』は内容が面白いし、みんなが着ている服がおしゃれだし、部屋とかも細かいところまでこだわりがあるのが好きです。時代も流行っているものも今とは違うのに、今見てもかっこいいなって思うのがすごいなと思います。あと楽器をやっていたので、勝手に自分で重ねていたのもあると思います。
――普段ファッションは、どういうものが好きですか?
MON7A:誰が見ても「おしゃれだな」って思う服を着たくて、トレンドを押さえつつ、その中で癖のあるアイテムを1個か2個選ぶのが好きです。でも基本的にフィーリングで組んでいます。
――「トレンドや大衆性を押さえつつ、癖のあるものを入れ込む」「それでいてフィーリングを大事にする」という美学は、音楽にもつながっていそうですね。
MON7A:本当にそうだと思います。お兄ちゃんはロジカルなんですけど、俺はその逆で音楽も服も感覚、センスです。

――シンちゃんに関して、性格とかキャラクターに対しても憧れる部分がありました? 音楽にまつわるトピックの次は、MON7Aさんの内面を丸裸にしていきたいなと思うんですけど、MON7Aさんはどういう人に憧れているのかを聞いてみたいです。
MON7A:これからもっと大人っぽくなって、かっこつけ始めるかもしれないなと思っていて、別にそれはそれでいいんですけど、これからも子どもっぽい部分を大事にしたいなって思います。それが自分の作るものにも映ると思うので。自分が変わっていくことも楽しみなんですけど、今の自分を持ったまま、新しい自分になれたらいいなって思います。
――MON7Aさんがいう「子どもっぽい部分」、大事にしたい部分とは、具体的にはどういうものなのでしょう。
MON7A:「結局自分が一番」というところは、子どもっぽいなって思うけど、大切にしたいです。自分が大好きだし。大人になればなるほど、1人で生きていくのは無理だなってより思うようになってきて、だからこそ助ける側に回りたいなと思います。そういう意味で、まずは1人で生きていけるようになりたい。今まで他の人に助けてもらってばっかりだったので、逆になりたいです。
――「音楽には自信があった」「自分が大好き」という言葉がありましたけど、MON7Aさん、自己肯定感高めのタイプだなって自分で思いますか?
MON7A:全然そんなことないです。逆に低すぎて高いっていうか(笑)。でも日によります。気分によりますね。自分のことは好きなんですけど、自分のことを好きって周りに言える自信はまだない、っていう感覚かもしれないです。本当に自分のことが好きなのかどうかもまだわからないし。自分との付き合い方をまだ探し中、っていう感じです。
――たとえ自分のことを好きだと周りに言える自信はなくても、自分のことを好きって言ってあげたい、という心持ちは素敵ですね。
MON7A:そうですね。自分だけはずっと自分のことを好きでいてほしいなって思います。
――TikTokに動画を上げたことも、わざわざクリエイターアカウントを作ったことも、『今日好き』への出演を決めたことも――「もっと自分を見つけてほしい」という強い気持ちは、どこから湧いてくるものなのだと思いますか?
MON7A:俺って、ずーっと誰かに愛されたいなと思って生きているんですよ。これだけフォロワーさんが増えても、コメントをいっぱいもらっても、すごくありがたいんですけど、まだ足りないなって思っちゃうんです。たぶん、これって底がなくて。この欲求は止まらない。いい意味でも悪い意味でも貪欲で、満足しない。「もっと見てほしい」というのは、もともとの性格かもしれないです。

――ただ「スターになりたい」という動機だけじゃなくて、人として愛を渇望しているのかなと感じたりもするのですが、自分がなぜそういう性格であるのかは自己分析できていますか?
MON7A:俺は愛に溢れているタイプ(笑)。人が好きなんですよ。どんな人でも愛したいし、愛してほしいって思うので、悪い感じの「愛がほしい」じゃなくて、いい意味でずっと愛がほしいのかもしれないです。
――恋愛のことだけじゃなくて、いろんな人と愛のあるコミュニケーションを取りたい、という意味合いだと言えますか?
MON7A:そうだと思います。
――MON7Aさんは「生まれたときからSNSがある世代の、SNSから出てきたアーティスト/インフルエンサー」という立ち位置にいると思うんですけど、そういった表現者が今の時代に、SNSで見える数字では埋まらない愛があるし、SNS上で愛のないやりとりも見えてしまうからこそ、深い愛のコミュニケーションを求めたいという姿勢を発信してくれることにはとても意味があるなと思います。
MON7A:確かにそれはあるかもしれないです。生まれた頃からずっとSNSがあって、それがいろんなことにつながっているのかもしれないなと思います。


















