THE ALFEE、50周年を越えてもなお止まらない勢いと挑戦心 ライブ3000本目前、新アルバムへの意気込みも

THE ALFEE、止まらない勢いと挑戦心

長く活動を続ける秘訣は「いい意味で考えないこと」(桜井)

ーー先ほど坂崎さんが「健康じゃないと何もできない」とおっしゃいましたが、桜井さんは長く活動を続ける上で心がけていることって何かありますか?

桜井:ないです。

高見沢:この人はないですよ(笑)。

桜井:何も考えないことですね。

坂崎:何も考えないから、練習もしないし(笑)。

高見沢:ボイトレもしないし。それでもあの声が出るんですから。天才ですよ。

坂崎:『紅白』のときも、高見沢から「お前、本番に備えて今から声出しておけよ!」と言われていたけど、「いいんだよ、歌うのは夜中なんだから」と言ってたもんな。

桜井:「お前、今日一回も歌ってないだろ!」ってね(笑)。

高見沢:大阪でのライブが終わってから東京に戻ってきたので、本番前日のリハーサルに出ていないし、当日もリハーサルはないですからね。

桜井:オープニングのリハーサルにも出られなかったし。あれ、ぶっつけ本番ですからね。「赤いラインがあるので、そこにいてください」って言われても、どこにも見当たらないんだから(笑)。脱線しましたけど、いい意味で考えないことですよ。ずっとそうやってきたし、まずこの今の流れを変えるようなことも起こってないし、それだけみんなも健康だし。だって先輩でもそうだけども、やりたくても健康的な理由でやれない人たちだっているわけで、それは我々だって同じことですからね。いつそういう日が訪れるかわからないわけですから。

坂崎:特に、バンドは誰かが体調を崩したりしたらそれまでですし。

高見沢:でも、それは仕方がないことですから。

桜井:だからこそ、バンドでよかったなと思いますよ。誰かひとり調子が悪くても支えられるし、今までずっとそうやってきたわけで。だから、このペースで続けていけばいいんじゃないかな。だって、日々生きることがもうすべて新しいわけでしょ。 ライブの本数も増えるわけだし、新曲もどんどん生まれていくわけだし。これが少しでも長く続いていけばいいんじゃないですかね。

ーーその新曲についてですが……1年ぶりのシングル『HEART OF RAINBOW』、収録された2曲とも「こんなにも激しいか!」とたっぷり楽しませていただきました。

高見沢:よかった。「HEART OF RAINBOW」は相変わらずイントロもギターソロも長いですけどね(笑)。

ーー今回のシングルに収録された「HEART OF RAINBOW」と「丁寧言葉Death!」はどちらもハードな作風ですが、方向性はそれぞれ異なりますよね。例えば、曲作りに関しても取り組み方が違ったりしたのかなと思ったのですが。

高見沢:そうですね。これだけ音楽のジャンルが細分化されていると、その中で僕らにマッチするものをどのように選んで、かつ自分たちらしいコーラスがどういう形で入れられるかということがマストになってくるんですね。その要素がありさえすれば、どんな音楽形態を取っていようといけるんじゃないかと思っています。あとは、ライブ映えする楽曲を目指しているんですよ。「この曲のここで、こういう照明演出があると映えるよな」とか、そういうことも考えながら曲を作っているので、「HEART OF RAINBOW」みたいについ大仰になってしまう部分もあるんですけど、そこはもうあえてやっていることでもあります。

ーー曲を作ってるときに、アレンジの大まかなイメージってどのタイミングで浮かぶんですか?

高見沢:曲によってギターリフから作るものもあれば、メロディを最初に作るものもあるし、最初にイントロから考えて作るときもあります。ただ、どのパターンにおいてもなるべくメロディをわかりやすくしたいと思っていますし、それは大前提ですよね。だって、そのほうが曲に入りやすいですから。そのあとで、3人それぞれの技術を生かしたアレンジを目指していくんですけど、これだけ長く、いろんなことをやってきたから、3人ともそれなりにスキルが上がっているんですよ。なので、そういった側面を存分に活かせるように作れたらなと常に考えています。今回は2曲とも全然タイプの違う曲になりましたけど、そこも含めてTHE ALFEEですし、僕ららしい見せ方でもあるのかなと。

ーー坂崎さん、桜井さんは高見沢さんから曲が届いて、そこからアレンジを固めていくわけですが、毎回どのように向き合っているのでしょう。

坂崎:最近はある程度の完成形が見えるデモを作ってきてくれるので、レコーディングも意外と早いんですよ。昔は3人でスタジオに集まって固めることが多かったんですけど、今はデジタル主流だからだいぶ便利になりましたよね。そこからレコーディングまでに仕上げておくんですけど、当日に「ここで8小節、何か弾いてくれない?」みたいなリクエストがあっても、高見沢がどんなものを欲しているか大体想像できるので、悩むことも少ないですし。歌に関しても、例えば今回の「丁寧言葉Death!」だったら「きっとこういう歌い方を望んでいるんだろうな」とすぐに理解できたので、レコーディングもあっという間に終わりましたよ。

桜井:最初にドラムを入れて、次にベースというレコーディングの手法は今も変わらないんですけど、全体像をイメージできるデモがあるおかげでだいぶやりやすくなりましたよね。昔はそういうデモもなくて、ただ先に入れたドラムしかない状態で何を弾いたらいいのかわからないこともありましたし、歌が入ってから「ああ、こういう曲なのか!」とやっとわかるという(笑)。

坂崎:特に組曲はそうだったよね。

桜井:特にコロナ禍からレコーディング方法がちょっと変わってきて、コーラスを録るときもレコーディングブースにひとりだけってことが多いですし。だから、3人全員が揃わなくても作業ができるようになったことは大きいですよ。昔は何カ月もスタジオに篭りっきりで、自分の出番がなくてもスタジオにいなくちゃいけなかったけど、今は必要なときだけでいいわけですから。

坂崎:今はやろうと思えば、自宅でも録れますからね。その変化はだいぶありがたいですよ。

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