THE ALFEE、50周年を越えてもなお止まらない勢いと挑戦心 ライブ3000本目前、新アルバムへの意気込みも

昨年50周年を迎え、その勢いのまま51年目を駆け抜けているTHE ALFEE。今年も春、夏のツアーで大成功を収め、10月からは秋ツアーがスタートするなど、通算ライブ本数3000本を見据える中でその勢いは止まることを知らない。
さらに、今年7月には1年ぶりに74枚目シングル『HEART OF RAINBOW』をリリース。収録曲「HEART OF RAINBOW」はTHE ALFEEらしいハードロックを鳴らし、「丁寧言葉Death!」ではデスメタルを取り入れるなど、ライブに限らず楽曲面においても挑戦を続けている。
本インタビューでは、2024年から2025年現在にかけての活動を振り返りながら、50周年を経た今、改めてTHE ALFEEの原動力について話を聞いた(編集部)。
「ずっとお祭りが続いていて、収まる感じがまったくしない」(坂崎)
ーー昨年デビュー50周年を迎えたTHE ALFEEはここまでさまざまな施策を行ってきましたが、この1年を振り返ってみると皆さんにとってどんな期間でしたか?
高見沢俊彦(以下、高見沢):50周年を迎えたお祭り騒ぎということで、それこそ青森ねぶた祭で“THE ALFEEねぶた”が運行されたり秋田竿燈まつりでは“THE ALFEE竿燈”が上がったりもして。今年もその2つに加えて、仙台七夕まつりに“THE ALFEE飾り”が飾られたりと、まだまだその余韻が続いている感じがします。
坂崎幸之助(以下、坂崎):ずっとお祭りが続いていて、収まる感じがまったくしないよね。
高見沢:そうそう。50年経って、この状況は自分たちでも想像だにしませんでしたけど、ありがたいことですね。だから、長く続けてきたという意義を今も引き続き感じているところです。
坂崎:それくらい、50周年のインパクトが強かったということなんでしょうね。それこそ、昨年末には『紅白』(『第75回NHK紅白歌合戦』)への41年ぶりの出場もありましたし、そういったインパクトが今年に入ってもずっと続いているような感覚といいますか。
桜井賢(以下、桜井):実際、今年に入ってから行なったライブでは新規のファンの方もすごく多くて。
坂崎:毎回ライブで聞くんですよ、「今日、初めてTHE ALFEEのライブに来た人?」って。その数が今年に入ってから一気に増えた感覚があって、それくらい『紅白』の影響が大きかったのかなと。
高見沢:あとは「50年続いているバンドってどんな感じなんだろう?」という、怖いもの見たさもあるだろうしね(笑)。
坂崎:そういう余韻が今年の春ツアーまで続き、ここから夏のイベント、秋ツアーとまだまだ祭りは続いていくんでしょうね。
桜井:そもそも周年は忙しくなると覚悟はしていたんですけど、こんなに忙しいとは思いませんでした(笑)。しかも、その余波が今も続いていて、全然落ち着かずに今日まで来ていて。だって、ツアー中もいろんな仕事が入っていたからね。
高見沢:10周年以降いろいろ節目を迎えてきたけど、この50周年が一番忙しい。
桜井:50年続くってことはね、皆さんも不思議に思うから余計そうなるのかもしれないですけど。
高見沢:必ず秘訣を聞かれるからね。ないんですけどね(笑)。毎回なんとか答えてますけど。
坂崎:でも、一番は健康ですよ。健康じゃないと何もできないですから。
高見沢:ライブだってできないもんね。
桜井:だから、新しいお客さんがたくさんライブを観に来てくれることは本当に嬉しいし、俺たちもここまで続けてきてどんどん内容が濃くなってきてますし。もうすぐ通算ライブ本数が3000本に到達しますけど、コロナ禍の2年間まったくできなかったことを考えたら、逆に今は夢のような日々ですよね。だから、このままそれなりに続けられたらと思っています。あとは、皆さんに新曲を聴いてもらって、どんどん盛り上げてもらえたらなと。
高見沢:すごいですよね。この1年の間にTHE ALFEEに出会った人にとっては今回のシングルが「初めてのTHE ALFEEの新曲」になるわけですから。『紅白』で初めて「星空のディスタンス」を聴いて、その次が「HEART OF RAINBOW」ですからね(笑)。
坂崎:41年も時間が飛ぶわけだ(笑)。
ーーサウンド含めて「こんなにも若返ってる!」と驚くんじゃないでしょうか。
桜井:音楽“だけ”は若いんですよ(笑)。
ーーでも、『紅白』での「星空のディスタンス」のインパクトは本当に絶大だったと思います。当日出演したほかのどのアーティストとも似ていない、独特の存在感と音楽性に対してもSNSでのリアクションはかなり大きかったですし、放送終了後も幅広い世代の方々が話題にしていましたから。
高見沢:そう考えると、今も国民的番組なんだなと実感しますよね。
坂崎:だって、桜井が歌い始めると「お前が歌うんかい!」っていうツッコミがたくさん入りましたから(笑)。僕らにとっては当たり前のことでも、あの『紅白』でそういうツッコミがたくさんあったということは、それだけ僕らを初めて観る人がそんなにもたくさんいたんだってことですし、そういう人たちにも届いたということですからね。すごいことですよ。
ーー名前はなんとなく知っていた若年層に、初めてTHE ALFEEがちゃんと届いた瞬間だったと。
坂崎:そう。それだけ世代がどんどん移り変わっているわけですよ。そういう人たちにとっては、一番派手な高見沢が歌うと思っていたんじゃないかな(笑)。あと、世代が近い同業者が喜んでくれたことも嬉しかったな。根本要(スターダストレビュー)からも「特別枠じゃなくて頭から出ていて、すごく刺激になりました!」と連絡をもらいましたしね。そういう意味でも、41年ぶりの『紅白』の出方としてはとてもよかったみたいです。
ーーそういう幅広い世代に影響を与え続けているその事実こそが、50年の積み重ねによる結果なんでしょうね。
高見沢:そうですね。もちろん、その間には浮き沈みの波が何度もありましたけど、それでも活動を止めることなく、ツアーをやり続けてきた結果が今なのかなと。トラベリングバンドとしての矜持もありますし、それこそ武道館での単独公演も今年の年末で105回になりますからね。昔、『guts(ガッツ)』という音楽雑誌があったんですけど、そこで初夢を見たということで、3人で武道館の前で写真を撮ったことがあって。気付けばそれが現実のものとなって、今や100回以上もやれているわけですからね。
坂崎:もちろん数がすべてじゃないですけど、長く続けてきた結果としてそこは誇りたいなと思います。
ーーとはいえ、昨年のインタビュー(※1)では「2026年あたりには通算3000本に達成する」とおっしゃっていた通算ライブ本数も、先ほど桜井さんがおっしゃったように2025年末の段階で残り数本になるわけですから。これは本当に誇るべき記録だと思いますよ。
坂崎:今年予定されているライブを全部やったら、残り6本なんですよ。
ーー皆さんのキャリアだったら、主要都市の大会場だけを回るだけでも全然アリなのに、毎回20数本にわたり各地を訪れるわけですから。それこそ、つい先日もオジー・オズボーンが引退公演を行ったばかりですが(※取材はオジー逝去前に実施)、THE ALFEEに関しても終わりのタイミングを意識する瞬間はあるのでしょうか?
高見沢:僕はあんまり考えたことないんですよね。長く続けるために少しツアーのことを考え直したりとかしていますけど、終わりはどこかっていうことに関して言うと、今は考えてはないです。僕らが20代の頃に作った「明日なき暴走の果てに」という曲に〈未だゴールは見えず〉ってフレーズがありますけど、20代の頃にそう思うのは当然ですよね、まだ何もなれていないんだから。ただ、今こそそれがはっきり言える年齢になっているのかなと思います。
坂崎:周りの先輩方から「ツアーをやめよう」とか、引き際についての発言をよく耳にするようになると、少なからず自分たちもそういう年齢になってきたのかなって気はしますけど、だからといって具体的に何歳までとか何本までとかっていうのは、今は全然答えが出ないですね。


















