s**t kingz、セクシー3部作を経てさらなる表現の新境地へ! 2度目の武道館公演前に振り返る“4つの転機”

s**t kingzの“今”に繋がる、4人それぞれの転機
――ちなみに、2023年の武道館公演との違いや新しいチャレンジもあるのでしょうか。
kazuki:演出面での違いは必ず作ろうと思っていますし、前回の武道館以降に生まれた楽曲たちも多いので。今回は2DAYSなので、だからこそできることをやろうかなと考えていて。前回は当日仕込み、当日バラシ、リハもほぼなしという状態だったので、実は演出面で諦めたこともあったんです。でも、今回は時間がないことを理由にせず、やってみたいアイデアを形にしたいな、と。
NOPPO:“ダンスライブ”としての完成度も高まっていると思います。
――ツアーやワークショップと併せて、今回の武道館公演も見逃せませんね。武道館公演も含め、今に至るまでの人生でひとつ転機を挙げるとしたら、いつになりますか?
kazuki:僕は、20歳くらいで膝の怪我をした時かな。小学校からずっと踊り続けていて、将来はプロになると思っていたんです。で、バックダンサーを任せてもらえるようになったり、イベントのゲストに呼ばれるようになったり、少しずつ仕事が増えてきた頃に過労で半月板を損傷したことがあって。その頃って、昼はリハ、夜はレッスン、深夜もリハやイベントがあって、朝にちょっと寝て、昼になったらまたリハに行って……というスケジュールの毎日だったので、自分の中では“売れている感覚”があったんです。そんな中、急に怪我で4カ月くらいまったく踊れなくなってしまったという。しかも、「これからはまったく踊れなくなります」とお医者さんに言われて。すごく悲しくて、将来の不安が半端なかったです。
――それはツラいですね。
kazuki:でも、セカンドオピニオンで「手術をしてリハビリをすれば踊れるようになる」という診断をいただいて。その時に、自分のダンス愛が戻った感覚がありました。ダンスを始めた頃の「ダンスがしたい!」という思いが戻ってきたというか。そこから、いろんなビデオを観たり、自分のダンスの映像をひたすら観ました。自分のダンスを俯瞰して見られたので、わかったこともたくさんありましたし、「怪我が治ったらこんなダンスがしたい」という欲が出てきて。そのおかげで今もダンスをしているのかなと思っています。怪我をせず、あの生活で満足して走り抜けていたら、(途中で)「もうダンスはいいかも」と思っていた可能性がありそう。僕にとっては大きな転機でしたね。
――今のkazukiさんが作られるきっかけ?
kazuki:そうですね。そこで一回リセットできたおかげで、もう一度ダンスを始められた感覚がありましたし、復帰してからのほうがいろんなことをできるようになりました。ダンスに対する考え方が研ぎ澄まされたのかもしれません。
shoji:僕は脱サラした時かな。僕の人生の中で、初めて“普通のレール”から外れた瞬間だったんです。たとえば、大学に行ったのも「大学に行きたかった」というより「高校を卒業したら専門学校か大学に行くもので、そのほうが就職に有利だから」という理由でした。なので、大学を卒業してそのまま就職をして。サラリーマンになることも「決断をした」というよりも「世の中はそういうもんでしょ?」という感覚だったんです。世の中に存在する一般的な常識や生き方を、ずっとなぞって生きてきたし、それを大切にしていたタイプで。
――レールから外れる怖さはありますよね。
shoji:そうなんですよね。そもそも、小さい頃から冒険を一切しない子どもで、安全圏で生きていたかったんです。だから、サラリーマンをしながらs**t kingzの活動をして、初めて自分の意思で「こう生きよう」と行動しました。その時に、「どう生きていくか」をちゃんと考えたかもしれません。サラリーマンからダンサーになったのは、初めて自分で決断をしたという大きな転機でした。
――安全圏で生きてきたshojiさんがそういった決断をしたことを、まわりの方々はどう見ていましたか?
shoji:奥さんは「ようやくか。待ってました!」という反応でした(笑)。両親は「彼女を困らせないならいいよ」と言っていたかな? みんなが応援してくれたのも嬉しかったですね。
Oguri:僕は大学を卒業する直前、s**t kingzを結成するきっかけのひとつでもあったショーン・エヴェリストというLAのダンサーが実家に泊まりにきたことかなあ。彼から、「日本に仕事で行くことになったんだけど、予定よりも早めに行くことにしたから泊まるところを探している」とメッセージをもらって、「うち、部屋が空いてるから泊まっていいよ」という流れできてくれたんです。その頃は大学卒業を控えていましたが、就職する選択肢はまったくなくて、でもダンサーとしてやっていくと覚悟を決めたわけでもなく、二の足を踏んでいる状態で。僕の両親も不安になっていたと思うんですよね。そんな時にショーンが泊まりにきて、一緒にディナーを食べている最中にs**t kingzの可能性や僕のダンサーとしての可能性を両親に伝えてくれて。そこから両親の考えも変わりましたし、僕自身も自分を信じることができました。「憧れの人がこれだけ言ってくれているなら大丈夫かもしれない」「頑張ってみよう」という思いが生まれました。
――ショーンさんが言うなら間違いないですもんね。
Oguri:熱く伝えてくれたことに感謝です。それで大学を卒業して、ヨーロッパのワークショップに呼んでもらえたり、一気に活動の幅が広がっていったので、ショーンを信じてよかったなと思います。
NOPPO:僕は……今まで人生の壁みたいなものがないんですよ。小さい頃からずっとダンスを軸にして生きてきて、好奇心のままにダンスに向き合っていたらこうなっていた、というか。なので、強いて転機を挙げるとしたら、s**t kingzに出会ったことですかね。そこからいろんな出会いが増えましたし、舞台やライブ、お芝居もできるようになりました。僕、お芝居ってすごく嫌いだったんです。小学校の頃に事務所に入っていたんですけど、お芝居をやると言われて辞めたくらいには嫌いなんです(笑)。でも、メンバーが芝居をしているのを見て「やってみようかな」と思うようになりましたし、そう思わせてくれる仲間がいるというのも嬉しいことですよね。
kazuki:これ、NOPPOの好感度だけ上がりませんか? 僕らは自分たちのこと言ってるのに(笑)!
NOPPO:あはははははは! でもマジでそれしかない(笑)。
――では、NOPPOさんにとっての転機である3人に今何か言うとしたら?
shoji:聞きたい! 聞きたい!
NOPPO:それぞれあるんだよなあ。kazukiは僕とダンスを繋ぎ止めてくれた人。僕、小学校の頃にダンスを辞めたくなった時があるんです。楽しくダンスできないという状況になった時に、kazukiが「一緒にダンスやろうぜ!」と声を掛けてくれて、年に2回くらい大会に出たり、ハウスのスクールを紹介してくれたり。自分のペースで踊る楽しさを教えてもらいました。
kazuki:すごくないですか? しかも、半年に一回しか踊らないくせに、コンテストで賞が獲れちゃうっていう(笑)。僕は毎日踊ってるのに!
NOPPO:あはははははは! Oguriからは刺激をもらってますね。Oguriはめちゃくちゃチャレンジをする人なので、それを見ていると「俺もやってみようかな」と思うんです。僕がずっと苦手だったお芝居に対しての見方が変わったのは、Oguriのおかげ。shojiくんは、s**t kingzを繋ぎ止めてくれる人。
kazuki:shojiだけフワッとしてるぞ!
shoji:本当だよ!
NOPPO:違うの(笑)! だって、3人じゃs**t kingzって成り立たないんですよ。shojiくんの人間力があって成り立っている感じがするんです。だから、shojiくんがいない現場をまとめる時は、マインド的にshojiくんになりきることもあるくらい。
shoji:shojiを降臨させてるんだ(笑)。「イエーイ!」とかやるの?
NOPPO:マジでそんな感じ! 現場を円滑にするための潤滑油になる、みたいな。うまく言語化できないんですけど、本当に人間力がすごいんです。年末年始に実家に帰ると、両親が必ず「シッキンにはshojiくんがいるからねえ」という話をするんです。それくらいshojiくんの存在が大きいんです。そう思うと、shojiくんがいるs**t kingzはまだまだ先に進めるなと思います!

■ツアー情報
『s**t kingz Dance Live Tour 2025「s**p」』
※終了した公演は割愛
9月6日(土)北海道・Zepp Sapporo
OPEN 17:00/START 18:00
9月13日(土)愛知・Zepp Nagoya
OPEN 17:00/START 18:00
9月22日(月)大阪・Zepp Namba
OPEN 18:00/START 19:00
9月23日(火・祝)大阪・Zepp Namba
OPEN 14:00/START 15:00
9月27日(土)福岡・Zepp Fukuoka
OPEN 16:00/START 17:00
10月4日(土)宮城・仙台GIGS
OPEN 16:00/START 17:00
10月9日(木)東京・Zepp DiverCity(TOKYO)
OPEN 18:00/START 19:00
10月10日(金)東京・Zepp DiverCity(TOKYO)
OPEN 13:00/START 14:00
OPEN 18:00/START 19:00
10月12日(日)広島・BLUE LIVE 広島
OPEN 16:30/START 17:00
<チケット>
・8,800円(税込)
※ドリンク代別
※3歳以下入場不可/4歳以上チケット必要
※1申込につき各公演4枚まで
■公演情報
『s**t kingz Dance Live 2025 in 日本武道館 「LANDING」』
日本武道館
10月31日(金)OPEN 17:00/START 18:00
11月1日(土)OPEN 15:00/START 16:00
<チケット>
・一般(全席指定):11,000円(税込)
・U18(高校生以下/全席指定):8,800円(税込)
※3歳以下入場不可/4歳以上チケット必要
※1申込につき各公演4枚まで
s**t kingz オフィシャルサイト:https://shitkingz.jp
X(旧Twitter):https://x.com/stkgz_official
Instagram:https://www.instagram.com/stkgz_official/
YouTube:https://www.youtube.com/@stkgz




















