Number_i、新曲「未確認領域」パフォーマンスのたびに加速する説得力　“置いてかない”ことを貫く姿勢

　今回の「未確認領域」もそうだが、Number_iはこれまでにも音楽番組で新曲の全貌を明らかにすることをたびたび行ってきた。たとえば、昨年5月27日リリースのミニアルバム『No.O -ring-』のリードトラック「BON」は、リリース10日前の5月17日放送の『Mステ』にて初解禁。曲名は事前に発表されていたものの、楽曲自体は謎のベールに包まれた状態でのTV初パフォーマンスだった。情報がほぼないなかで、曲調もダンスも目まぐるしく雰囲気が変わる先の読めない展開に、当時釘付けになったのを覚えている。

　「BON」と同じプロセスを踏んだのが、次作の「INZM」である。楽曲は同年8月19日に配信リリースを控えていたが、直前の8月16日に放送された『Mステ』にて解禁され、同時にそれがTV初パフォーマンスの場となった。「BON」、「INZM」、そして「未確認領域」。楽曲リリース前のTV初披露という点で、観る者に衝撃を与えてきたのだ。

　さらに言えば、TVでの初披露が“生放送”の場合が多いことも挙げられるだろう。たとえば、デビュー曲であり、1stシングルの表題曲「GOAT」は昨年3月2日放送の『Venue101』（NHK総合）にて初歌唱された。この時、Number_iとしても初めてのTV初パフォーマンス。この日もシンプルなステージながら、3人の気合と迫力が伝わってくるパフォーマンスだった。Number_iとしての新たな一歩を、リアルタイムで見届けたファンも多かっただろう。シングルのカップリング曲ではあるが、TVで披露された「Blow Your Cover」（昨年4月1日放送『CDTVライブ！ライブ！』）や、「FUJI」（昨年4月12日放送『Mステ』）も生放送での歌唱だった。

　音楽番組での初パフォーマンスと同時に楽曲解禁、さらにそれが生放送ともなるとプレッシャーも大きいはずだ。一方で、視聴者としては当日のステージの模様が強く印象に残るうえに、その瞬間を見届けたいという気持ちも高まる。初披露の場に、ごく限られた人だけが見られるライブやイベントではなく、音楽番組が選ばれるあたりに、パフォーマンスの全体像が世に送り届けられる貴重な時間を一緒に共有しようと言われているようで、そこには彼らの優しさも垣間見えるのだ。

　「未確認領域」は、9月22日にリリースされる2ndフルアルバム『No.Ⅱ』からの先行配信シングル、10月からはアルバムを携えた全国ツアー『Number_i LIVE TOUR 2025 No.Ⅱ』もスタートする。グループとしては、11月3日に東京ドームにて開催される音楽イベント『MUSIC EXPO LIVE 2025』への出演も決定したばかり。音楽番組だけでなく、こうしたライブやイベントで「未確認領域」がパフォーマンスされる日も近づいているようで、今後の期待は膨らむばかりだ。

　一つひとつの大切な時間を一緒に歩ませてくれるNumber_iだからこそ、「未確認領域」の〈置いてかないよ〉というメッセージは、説得力を増して聞こえるのかもしれない。