牧野由依、極上の音楽を届けたアニバーサリーパーティー! 20年間歩み続けた理由――終演後インタビューで明かす想い

牧野由依、20周年記念ライブと懸ける想い

 牧野由依が8月17日、アーティストデビュー20周年を記念したアニバーサリーイベント『Yui Makino 20th Anniversary Party~アペリティフはアムリタで~』を開催した。会場は、最高品質のコンサートグランドピアノ・スタインウェイD-274を備えたステージを有するレストラン・俺のフレンチ グランメゾン大手町。ゲストピアニストには、牧野の大学時代の学友でもある作編曲家の滝澤俊輔を迎え、天井高7メートルのラグジュアリーな劇場型の非日常的な空間で、食事とともに極上の“声”と“ピアノ”を届ける特別なひと時。昼夜2公演、各100席のみのプレミアムなイベントのうち、昼公演の模様をレポートする。また、終演直後の牧野に話を聞くことができた。

 この日のメニューは食事からスタート。ステージに併設された300インチの超大型スクリーンに牧野のこれまでの楽曲のMVが上映されるなか、ファンは舌鼓を打ちながら、めいめいの時間をゆったりと楽しむ。今回、牧野のデビュー曲「アムリタ」をイメージしたオリジナルドリンクが供され、その鮮やかなブルーが各テーブルを美しく彩っている。

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 やがて、自然光を取り入れていた窓のカーテンが閉じられて、会場がシックなムードに包まれると、本日の主役である牧野がステージに登壇。グランドピアノの前に着席すると、1stシングルのカップリング曲「you are my love」を弾き語りでしっとりと届ける。彼女の本格的な声優デビュー作となったTVアニメ『ツバサ・クロニクル』(NHK教育テレビ)の挿入歌でもある同曲。作品の劇伴を手がけた作曲家・梶浦由記による憂いを帯びたメロディに、20年を経た今なおイノセントさを失わない牧野の特別な歌声が沁み込んでいく。

 その静かで親密な立ち上がりから、優しくもドラマチックな広がりに転じたのが、かの香織が書き下ろした彼女のデビュー曲「アムリタ」(アニメ『劇場版ツバサ・クロニクル 鳥カゴの国の姫君』エンディング主題歌)。オリジナルドリンクと同色のブルーライトがステージを照らすなか、牧野はサビに進むにしたがって感情を強く込めて歌を届けていく。ピアノと声のみのシンプルな編成だからこそ、それぞれの音の粒立ちと有機的な絡み合い、そして言葉の意味がより深く伝わってくる。その後のMCで、このライブの翌日8月18日が「アムリタ」のリリースからちょうど20年目になることを報告。あらためてデビュー20周年を迎えることに対して「込み上げてくるものがある」と語った彼女は、「メインディッシュは、胃もたれするくらいのセットリストを組んでるので(笑)」と期待を煽っていく。

 引き続きのピアノ弾き語りで歌われたのは「世界でいちばん愛しい音」。牧野が第1子出産を機に作った楽曲で、作曲は彼女自身、作詞は牧野のピアニストとしての活動の道を拓いた映画監督・岩井俊二が手がけている。〈いつかきっと話すから〉という言葉に込められた、親から子へと繋いでいく想いの大切さ。慈愛に満ちた天上のファルセットが、聴き手の心を自然と解きほぐし、優しい表情を引き出していく。そして、牧野の盟友でもあるゲストピアニスト、タッキーこと滝澤俊輔をステージに迎え入れると、彼の伴奏で「ジャスミン」を披露。この楽曲も1stシングルのカップリングに収録された最初期のナンバーで、牧野によるとデビュー当時から根強い人気なのだという。歌詞に〈夏のほとり〉といったワードも入っていることから、時期的にもぴったりの選曲と言えるだろう。続けて歌われた「ユーフォリア」は、彼女のアーティストキャリアを語るうえで欠かせないTVアニメ『ARIA The NATURAL』第2期のオープニングを飾った3rdシングル表題曲。絹のような肌触りの美しい歌声が、出会いの奇跡と新しい朝の始まりを告げる。いつだって新鮮な感情を蘇らせてくれる、天球の音楽がここにある。

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