『THE LAST PIECE』候補生は20名から14名へ――訪れた仲間との別れ「俺の分まで頑張れよ」 擬似プロ審査開幕
通過者14名が次に挑むのは、5次審査「疑似プロ審査」。書き下ろしの楽曲を、会場、衣装、ヘアメイク、カメラなど、プロと同じ環境下でパフォーマンスするというものだ。この審査では、SKY-HIが目指すBMSGの3つ目のボーイズグループへの適正をチェックされる。まずはteam A、team Bの2グループに7名ずつ分かれ、1回目の疑似プロ審査を実施。そこで2名が脱落し、残りの12名で2回目の疑似プロ審査を実施するという流れとなる。
team Aは、RAIKI、AOI、REN、KANON、RUI、HAL、RYOTO。team Bは、TAICHI、GOICHI、KEI、TAIKI、KANTA、YUTA、ADAM。2チームに分かれたあとは、気持ちを切り替えるためと称して、『THE LAST PIECE運動会』がスタート。SKY-HIが盛り上げ役に徹し、参加者はチーム対抗で玉入れや綱引き、バスケットボールなどの種目に挑戦。白熱の試合模様は、後日別動画で公開されるようなので、こちらも楽しみに待ちたい。
そして、いよいよ審査に向けた本格的な練習がスタート。team Aの課題曲は、「Green Light」。今最も注目されている日本人コレオグラファーのひとりであるRyusei Haradaが手掛けた振り付けは、かなり難易度が高いものだったが、練習期間はたったの5日間。時間軸も含めて、プロ仕様になっているようだ。初っ端からプロの厳しさを突き付けられ、どこか不安そうな表情を浮かべる者、逆に気合いの入った顔を見せる者など、反応もさまざまだ。
急スピードで振り入れも進んでいくが、ここまで勝ち抜いてきた精鋭メンバーなだけあって吸収スピードも速く、約5時間で振り入れを完了させたteam A。かなりスムーズに進んでいるように見えたが、あるポイントで大苦戦することになる。それは、7人というこれまでのなかでも大人数の部類に入る人数でのフォーメーション。難易度の高い振り付けに、複雑な移動が加わると混乱してしまうメンバーが続出。移動中にぶつかってしまったり、自分の位置に移動できなかったりと、ミスを連発する。
翌日のりょんりょん先生によるボイストレーニングでも、プロのボーカリストにも有効なレッスンにチャレンジ。さらに、プロの心構えとして、「全国的に愛される人気のアーティストになりたいなら、まずは身近なスタッフから愛されるような行動を取るべき」という“ハートの順番”というりょんりょん先生独自の考え方を用いた指導も行われ、参加者たちは精神面でもプロフェッショナルとして成長する必要性を深く心に刻んだ。
歌唱面で苦難していたのは、RYOTO。高いキーを得意としていたが、歌割りで決まったパートのキーが低く、思うように声が出せないのだ。その様子を見ていたSKY-HIは、レッスン後にKANONにRYOTOとの歌割りチェンジを提案。KANONはその場で「僕はどこでも大丈夫です」と快諾したものの、のちにカメラの前で、「いちばん気合いを入れていたパートだったから、少し悔しい気持ちもあった」と明かす。しかし、「曲のため、パフォーマンスのためだったら(自分はどのポジションになっても)全然大丈夫」とチームの成功を優先し、前向きに受け入れる姿勢を見せた。
仮レコーディングでも当然プロ同様のレベルが求められ、SKY-HIのディレクションも今まで以上に白熱していく。そんななか、不安を抱いていたのはREN。ほかのメンバーが何度もやり直しをしたり、細かいニュアンスの調整をする一方で、自分に対するアドバイスは少なかったと感じたようだ。「(SKY-HIに)『もっとこうしたい』と思わせられなかった」「自分の可能性を提供できなかった」という悔しさを抱いたRENは、りょんりょん先生に相談へ。真面目がゆえに深く悩むRENに、りょんりょん先生は「いかに自分がかっこよくなるかの研究がまだできてない。本当はお客さんを喜ばせたり、夢を見させなきゃいけないんだけど、自分の鍛錬、自分自分って思いすぎちゃってる」「たとえば、モテるようになるとか、少しロマンティックな部分が抜けてるのではないかと」と、SKY-HIとはまた異なる角度からのアドバイスを贈る。果たしてRENは、この審査でSKY-HIの想像を超え、観ている者たちに夢を見させられるアーティストに成長できるのだろうか。
翌日の自主練習中、SKY-HIとともに現れたのは、MAZZELのKAIRYUとRAN。MAZZELの大ファンであるHALを筆頭に、大いに盛り上がるteam A。なかでも、『MISSIONx2』で彼らとともに夢を追いかけたKANONは、特別な喜びと高揚感を抱いていたようだ。ふたりの前で練習中のパフォーマンスを披露すると、KAIRYUは「かっこいい! めっちゃいいやん」と絶賛し、RANも「バイブスも伝わってきて、現段階でもう歌いながら踊れてるし、いいと思います」と高評価。そんなふたりのコメントを聞いて、KANONは「エモいな」と感慨深い表情を浮かべながら呟く。当時の悔しさやMAZZELメンバーふたりの前で成長した自分を見せられた喜びを感じながら、KANONがあらためてこのオーディションへの覚悟を決めた瞬間でもあった。
また、RUIも彼らと一緒に『THE FIRST』に挑んでいた過去があり、今のRUIは当時のRANと同い年にあたる。そんなRUIは、「マジで『THE FIRST』の時、ありがとうございました。年上の気持ちっていうのがわかりました」と、あらためてKAIRYUとRANに感謝の思いを伝える。そして、「当時の年長メンバーがしてくれたように、今回のオーディションでは自分が年下のメンバーに音楽の楽しさを伝えたい」とカメラの前で語るのだった。
その後の2度目の仮レコーディングでは、悩んでいたRENも一皮むけたのか、SKY-HIのアドバイスも深まっていいテイクに。SKY-HIから「RENしか出せない声成分が入ってるね」と、とびきりの言葉を受け取ったRENは今までにないほどに嬉しそうな笑顔を見せ、「自分に“YES”を贈れた気がします」と自信を深めた。さらに、合宿中からラップの練習を欠かさなかったHALの実力もついに爆発。SKY-HIのディレクションを着実に表現しながら、期待以上のラップをかまし、チームメンバーも大盛り上がり。HALの目にもたしかな自信が滲んでいた。そして、KANONやAOIも新しい声の表現を確立し、審査本番に向けて着実に成長し続けていく。
しかし、本番前日。一人椅子に座って肩を落とすRYOTOは、「周りに比べて自分を出せていない」と悩んでいた。そこへ現れたのは、タオルを頭に巻いたRUI。「どこが心配なの?」と問いかける。「全体的にです」と答えるRYOTOに、RUIは「そんな時はこの曲を聞いてくれよ」言い、なぜか湘南乃風の「純恋歌」をRYOTOの前で大熱唱。そして、「一緒に頑張っていこ」と肩を叩く。なんとも不思議な激励に、RYOTOは顔を手で押さえて、笑っているようにも泣いているようにも見える反応。KANONやRAIKI、HALらチームメンバーも見守っている。しばらく流れる心配の空気。しかし、RYOTOは両目の瞼を手で上へ引っ張りながら、替え歌を披露。仲間たちの優しさで、天使の笑顔を取り戻したのだった。
チームの団結力も強まり、今までにないほどモチベーションの高い状態で本番を迎えるteam A。果たして彼らは“プロフェッショナル”の世界に通用するパフォーマンスを届けられるのだろうか?
次回は、team Bの練習模様と5次審査本番に密着。運命のステージで、プロとして輝けるメンバーは誰なのか。今後も目が離せない。