稲垣吾郎と櫻井翔、バラエティ初共演で近づけた距離 “国民的グループ”の看板を背負った者同士の共感

 2017年に稲垣とともに新しい地図を広げた草彅剛、香取慎吾が、今年に入って櫻井や相葉雅紀が司会を務める音楽特番に出演する機会が増えた。そこで繰り広げられた和やかな会話を見ていると、ヤンチャなエピソードに事欠かないSMAPと、真面目でメンバー間の仲の良さで有名な嵐と、まるで正反対の路線で国民的グループとなった2組による化学反応が、どれほど華やかで微笑ましいものになっていたか。そう思うと稲垣の言うように「寂しい」限りだ。

 しかし、まったく繋がりがなかったというわけではない。櫻井は「最後の最後にSMAPさんの後ろで踊ってるジュニアなんですよ」と、かつて同じステージに立てたことを「僕の自慢なんです」と語り、国立競技場でのライブについても「最初にやられたのはSMAPさんですから。僕ら(嵐)は2008年に初めて国立やらせてもらいましたけど、先輩方の映像を観ましたし。だって、SMAPさんしかいないですから、やってるの。先輩が開拓した道の後ろを僕らは歩いていってる感じ」と尊敬の念を示す。

 過去を振り返ると寂しい思いは消えない。けれど今、そしてこれからの彼らならではの化学反応があることにも期待が高まった。「僕ら(SMAP)がいちばん忙しいときと、嵐がいちばん忙しいときってどのくらいの違いなんだろうね。同じだよね?」と尋ねた稲垣に、櫻井は「自分で言うのもおこがましいですけど、近い感じだったんじゃないかなって想像はしてました」と回答。共演することはほとんどなかったけれど、国民的アイドルとして同じような景色を見てきた。だからこそ、わかり合えるものがあるはずだと言いたかったのではないか。

 また、奇しくもSMAP解散時(2016年12月31日)43歳だった稲垣に対して、今年嵐の活動終了を宣言した櫻井も43歳。「今までの前例みたいなものを、それをもとに考えたりしない? ちょっと先輩ってそういうふうにして使えるじゃない?」という稲垣の言葉の奥には、同じような人生を歩いてきた先輩として、これまでのように背中を見せるだけでなく、これからは相談にも乗れるよというメッセージが隠れていたようにも感じた。

 「吾郎くん、牛丼行こーよー!」というくらいのフランクさで後輩から話しかけてほしいと言う稲垣。それに対して「いやいや、そんな」と先輩を敬う姿勢を崩さない櫻井だが、続く言葉が「イカれてますよ」なんてカジュアルなツッコミになっているのを見て、今回の共演を通じて明らかに心の距離が近づいているように思えた。「二宮(和也)くんがそういうタイプ」と、稲垣はドラマの撮影で同じスタジオになったとき、臆さずに話しかけてくれたことを嬉しく思ったエピソードも披露した。

 そうして「もっときてくれていいんだよ」というサインを出し続ける稲垣に、「吾郎くん」と呼ぶのもソワソワしている櫻井が、この先どのようにして距離を縮めていくのだろうか。あるいは、なかなか縮まらない距離を微笑ましく見届けるのもまた一興。「改めて、今後ともよろしくお願いします」と乾杯する2人のこれからに注目だ。

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