香取慎吾から稲垣吾郎、そして草彅剛へ――ドラマで繋ぐバトン 今3人に吹く“いい”風向きの正体

 新しい地図に吹く風向きが、また変わりつつある。草彅剛が10月期ドラマ『終幕のロンド —もう二度と、会えないあなたに—』(カンテレ・フジテレビ系/以下、同/以下、『終幕のロンド』)で主演を務めることが発表されたのだ。

 今年1月期には香取慎吾が『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』(以下、『日本一の最低男』)で主演を務め、7月期には稲垣吾郎が『僕達はまだその星の校則を知らない』の主要キャストとして出演することが決定している。それぞれさまざまなメディアで俳優業を続けてはいたものの、今回のように3人がリレー形式でテレビドラマをつなぐ形になるのは、新しい地図を広げて以来見られなかった光景だ。

 そんな新たな展開について、草彅は「3人が続けて連ドラに出演するのも嬉しいですし、いろんな場所で活動して、またホームに戻ると自分の中で細胞が活性化して、新しい化学反応がある気がします。活性化した今、テレビの世界をにぎやかに彩りたい、そんな気持ちです」(※1)とコメント。単独でドラマに出演するのとはまた異なるモチベーションを抱いていることが窺えた。

 なかでも、草彅×カンテレ制作の並びに胸が高鳴るのは、これまで「代表作」と呼ばれる作品をいくつも生み出してきた実績があるからだ。『いいひと。』(1997年)を筆頭に、『僕の生きる道』をはじめとした『僕』シリーズ(2003年〜2006年)、そして『罠の戦争』で完結した『戦争』シリーズ(2015年〜2023年)など。カンテレ制作の草彅主演作品は単発作品も含めると本作で10作品目になるというから、その縁深さにあらためて唸らされる。

 草彅にとっても、カンテレドラマの現場は「ホーム」とも呼べる場所。「これまで節目節目に、さまざまな作品をカンテレさんと一緒に作り上げてきました」(※1)と話しているように、これだけ印象に残っているのは、彼を取り巻く環境の変化が訪れるタイミングで制作された作品が多くあったからだろう。

 初めての主演作品となった『いいひと。』は、そのキャラクターのイメージにぴったりだったことに加え、草彅の演技力の高さから、“草彅=いいひと”の印象が定着したほど。そして、2003年『僕の生きる道』の主題歌がSMAPの「世界に一つだけの花」だったことを思い返すと、どれだけ世のなかに影響力を持った作品になったかがわかるはずだ。

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