きゃりーぱみゅぱみゅ×アソビシステム代表 中川悠介 対談 “今”の礎を築いた二人三脚での挑戦の日々を語る

きゃりー×アソビシステム代表 中川 対談

「スタッフもみんな一つになれた」 記憶に残る伝説の夜

きゃりーぱみゅぱみゅ×アソビシステム代表 中川悠介 対談

――きゃりーさんがデビューされてからの約14年の間で、特に印象に残っているシーンを教えていただけますか?

中川:めちゃくちゃいっぱいありますけど、僕の中のスペシャルは『コーチェラ』(アメリカ・カリフォルニア州インディオで開催される世界最大規模の音楽フェス『Coachella Valley Music and Arts Festival』。きゃりーは2022年4月16、23日の2日間、GOBI STAGEのトリを務めた)の2週目ですかね。デビューからずっと見てきたきゃりーが、初めて1人で立つステージはすごくエモかったし、それによってスタッフもみんな一つになれた。すごくいい夜でしたよ。

きゃりー:『コーチェラ』の2日目のときは、ダンサーさんが体調不良になってしまったんですよ。前日の夜中、私が半身浴してたらアーミーさんから電話がかかってきて。「どうする? さすがにキャンセルかな」みたいな話をされたんです。アーミーさんは常に私のことを考えてくれて、ムリしないでいいからっていうスタンスでいてくれるんですよ。そのときも「どうするかはきゃりー次第だから。あとのことは何とでもするから」って言ってくれて。きっと誰もがキャンセルになるだろうと思ってたはずなんですけど、私はふと思ったんですよね。きゃりーぱみゅぱみゅは私だけなんだから、たとえダンサーさんがいなかったとしても、私が歌って踊ればライブできるじゃんって。だからアーミーさんには「全然1人でやります!」って言わせてもらったんです。

 ただ、1人でステージに立つ分、映像をちょっと盛り上げてもらうとか、照明をビカビカにしてもらうとか、ちょっとスペシャルなステージにしたいですっていうことを伝えて。で、いざ1人でステージに立ってみたら、これがまたけっこう楽しくて余裕だったんですよ(笑)。「1人でもいけんだー!」みたいな(笑)。やったことないだけで、不可能と思っていたことも全然いけるんだなっていう発見があって。そのことはまた自分に対しての自信になったし、可能性が無限大になった感覚がありましたね。

中川:「1人でもやります!」って言ってくれたときは、めちゃくちゃキましたね。

きゃりー:私もコーチェラの2週目はすごく印象に残ってますけど、もうひとつ印象的な出来事を挙げるならば、私の結婚式でのアーミーさんのスピーチですね。アーミーさんは冒頭からめっちゃ大泣きしてて(笑)。

中川:あはははは。

きゃりー:私に対しての思いだったり、私とアーミーさんの歴史だったりを話してくれたんですよね。そこで感じたのは、アーミーさんは所属事務所の社長でありながらも、私にとってはもう1人の父であり、おこがましいながらも相方のような存在なんです。きゃりーぱみゅぱみゅとアーミーさんは一心同体だなっていう気持ちが、そのスピーチの瞬間に私の中で爆発したというか。あのシーンは、私の中でのグッと来たランキングの上位確定ですね。本当に嬉しかったので。

中川:きゃりーはプライベートが当たり前のようにない時間を10年以上、走ってきていたので、そんな彼女が結婚を決めてくれたことがすごく嬉しかったんですよ。きゃりーとして生きていく中で、ちゃんと1人の女性としても人生を作っていくことが、何よりきゃりーっぽいなとも思って。周りからは「結婚したら活動が終わっちゃうんじゃないの?」とかけっこう言われたんですけど、僕としてはもう喜びでしかなかったんですよね。

きゃりー:あー、そっか。「結婚したから、きゃりーぱみゅぱみゅやめまーす」とか言い出すかもって(笑)。

中川:そうそう。そういう可能性もあるんじゃないかっていう。でも、まったくそんな心配はしていなかったというか。ポジティブな感情しかなかったんですよね。

きゃりー:嬉しいですね。私のことを最優先してくれるアーミーさんと出会えたことが私は本当に嬉しい。こんな事務所ってほかにはないんじゃないかなって思います。今回、結婚と出産を機に活動を止めるにあたって、きゃりーぱみゅぱみゅとしては少し怖さもあったんですよ。でも、会社的にもすごく支えてくれていたし、アソビシステムのアーティストたちがめちゃくちゃ活躍してくれていることが背中を押してくれたところもあったんですよね。会社が盛り上がっているからこそ、私は安心して子供を産むことができました。だからね、7月20日もめっちゃ楽しみにしてるんです。

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――7月20日にはアソビシステムの18周年を記念したイベント『ASOBIEXPO 2025』が幕張メッセで開催されます。きゃりーさんにとっては久々のパフォーマンスになるんですよね。

きゃりー:すごい緊張しそうですね(笑)。久しぶりで楽しいと感じるのか、それとも違った感情になるのかは、ステージに立ってみないとわからない。でも、イベントに向けて新曲だったり、新しいビジュアルだったりを用意しているので、とにかくワクワクしてます。リーダーズやFRUITS ZIPPER、Klang Ruler、Touaちゃんとは最近いろいろ接する機会もあったので、みんなと会えるのもすごく楽しみです。

――母になって初めてのライブでもありますよね。

きゃりー:そうそう。そこがひとつの挑戦でもあるんですよ。母ときゃりーぱみゅぱみゅが共存できるのかどうかっていう。未知の世界でもあるので、すごく楽しみです。これからも前例がないようなことであっても、いろんなことにどんどん挑戦していきたい気持ちは強いですね。そういう自分でいられるのもアソビシステムのみなさんの協力があってこそなので、本当に感謝です。

中川:僕らは元々、イベント事業からスタートした会社なので、イベントを大切にしたいという気持ちはずっと持ち続けているんですよ。現場ならではの熱量は、自分たちの大きなパワーになりますから。そういった意味で、アソビシステムとして大きい規模のフェスをやれることがすごく嬉しいです。これからもイベントは継続していきたいですよね。どんなにネット社会になっても、AIが発達したとしても、リアルな場所はなくならないと思っているので、そこは大事に発信していきたいです。人と人との出会いが何かを生み出す、今回の『ASOBIEXPO 2025』もそんな場所になればいいなと。すごく楽しみです。

――では最後に、中川さんからきゃりーさんに一言いただけますか?

中川:僕らのような仕事は、自分たちが楽しくないと意味がないと思うんです。だからこそきゃりーには、暗いニュースの多い時代ではありますけど、常にポジティブな存在でいてもらえたらいいなと思ってますね。

きゃりー:はい。これからもアソビシステムと一緒に、自分自身をもっともっと成長させながら、常に新しいことをするパイオニアであり続けたいなって思ってます。母であるからと守りに入らず、とにかく攻め母で(笑)。あらためて初心に戻り、“原宿の元気玉”として頑張っていこうと思います!

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■公演情報
『ASOBISYSTEM 18th Anniversary ASOBIEXPO 2025』
日程:2025年7月20日(日)開場12:00/開演14:00
会場:幕張メッセ 国際展示場 展示ホール 9~11
オフィシャルサイト:https://asobiexpo.com/

■関連リンク
<きゃりーぱみゅぱみゅ>
オフィシャルサイト:https://kyary.asobisystem.com/
YouTube:https://www.youtube.com/@kyarypamyupamyuTV
X(旧Twitter):https://x.com/pamyurin
Instagram:https://www.instagram.com/kyarypappa/

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