YOASOBI、躍進し続ける創造性&パフォーマンス 『MAJ』受賞、各国でのライブ成功……怒涛の2025年上半期を総括

YOASOBI、怒涛の2025年上半期を総括

 2025年の上半期を通して、現代のJ-POPシーンを象徴するアーティストとして、YOASOBIの存在感がさらに高まった。

 まず5月に開催された音楽アワード『MUSIC AWARDS JAPAN 2025』にて、「アイドル」でTop Global Hit From Japanを受賞。この部門は、日本国内での視聴数を除いたストリーミング、ダウンロード、MV視聴データなどを集計し、グローバルで最もヒットした楽曲を表彰するもの。つまり“日本発のグローバルヒット”を讃える賞なのだが、アニメ『【推しの子】』との親和性の高さ、楽曲自体のクオリティや中毒性も含め、この受賞は誰もが納得するところだろう。YouTubeでのMV再生数も6億回を突破。「アイドル」によってYOASOBIは、日本を代表するグローバルポップとしての価値を決定的なものにしたと言っていい。

YOASOBI「アイドル」 Official Music Video

 6月8・9日にはロンドンのOVO Arena Wembleyで初のヨーロッパ単独公演を開催。2日間で1.8万人を動員したこのライブの模様はリアルサウンドでのレポート(※1)に詳しいが、「祝福」(『機動戦士ガンダム 水星の魔女』オープニングテーマ)、「怪物」(『BEASTARS』オープニングテーマ)、そして「アイドル」とキャリアを代表するヒット曲を次々と披露。日本語の楽曲を現地のファンが合唱することで、YOASOBIがグローバルな存在であることを改めて証明したライブとなった。

YOASOBI「祝福」Official Music Video (『機動戦士ガンダム 水星の魔女』オープニングテーマ)
YOASOBI「怪物」Official Music Video (YOASOBI - Monster)

 そのほか、昨年末から今年2月にかけてアジア・アリーナツアー『YOASOBI ASIA TOUR 2024-2025 “超現実 cho-genjitsu”』を開催し、3月にはロサンゼルスで開催された音楽イベント『matsuri '25: Japanese Music Experience LOS ANGELES』にも出演。アジア、北米、ヨーロッパとまさにワールドワイドな活動を展開している。

 音楽的なクリエイティビティもさらに進化している。まずは今年3月にリリースされた「PLAYERS」。PlayStation®発売30周年を記念したコラボプロジェクト『Project: MEMORY CARD』から生まれた書き下ろし楽曲だ。原作はユーザーから募集した「記憶を消してもう一度やりたいゲーム」のエピソード。ゲームをプレイすることで得られた感動、熱さ、興奮はもちろん、“すべての人が自分の人生のプレイヤー”というメッセージを込めた楽曲に仕上がっていて、ゲーム愛が刻まれているのも、この曲のエモさの理由だろう。

YOASOBI「PLAYERS」Official Music Video

 気持ちよく疾走するビート、PlayStation®を想起させる音響、カラフルに飛び跳ねるメロディが響き合うプロダクションも秀逸。さらに特筆すべきは楽曲に散りばめられた“声”のパワー。〈Play on! You & me!〉の掛け声から始まる冒頭のパートをはじめ、シンガロングできるパートがふんだんに取り入れられ、音楽を通して一体感を味わうことができるのだ。レコーディングには、アコースティックセッションユニット・ぷらそにかが合唱で参加。楽曲に厚みと広がりを与えている。

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