緑黄色社会、最新ツアーで取り組んだバンド史上初の挑戦 『Channel Us』東京体育館公演で届けたい音楽

緑黄色社会、『Channel U』ツアーの手応え

初ライブから13年、パフォーマンスへの向き合い方の変化

Photo by 高田梓

ーーそして7月4日、5日には東京体育館で『Channel Us 2025 at 東京体育館』が開催されます。5日の公演はWOWOWで独占生中継で放送・配信されますが、どんなライブになりそうですか?

長屋:まずは『Channel U』があっての公演だというのを、何となく予備知識として持ってもらえたらなと思ってます。ツアーで29公演を回って、私たちの気持ちもそうだし、楽曲もさらに成長したうえでの『Channel Us』なので。

小林:“あなた”に向けていた『Channel U』から、“私たち”で作るライブ『Channel Us』へということですね。

長屋:さらに一体感を感じてもらえると思うし、『Channel U』の世界観を引き継ぎつつも、東京体育館という会場ならではのステージを見てもらえたらなと。ホールツアーでやっていたことを丸々やるつもりはなくて、もっとアップデートしたものをお届けできると思ってます。

穴見:ちょっと早いけど、『Channel U』の同窓会みたいなライブですね(笑)。リリースから5カ月くらい経って、『Channel U』を聴いてきたみんなと盛大に盛り上がれたらいいなと思ってます。

ーー素敵です(笑)。ツアーで培ってきたバンドサウンドの集大成でもありますね。

小林:そうですね。ホールと東京体育館では環境がまったく違うんですけど、僕らが鳴らす音の根本は変わらないので。

穴見:ツアー中もPAの方とも「濁った音が混じると、遠くに飛ばない」という話をしていて。それを意識しながら音作りしているし、東京体育館ではアリーナクラスだからこそのサウンドを届けたいですね。

peppe:結成記念日(7月4日)のタイミングでもあるので、清々しい気分で当日を迎えられるのかなと。ツアーを終えて、東京体育館に集まって、みんなで一緒にゴールテープを切るぞ! という(笑)。

ーー緑黄色社会の結成日は、初ライブが行われた2012年7月4日。13年前と現在で、ライブへの向き合い方はどう変化しましたか?

長屋:いい意味で変わったところが多いと思います。メンバーの関係性やマインド的なところは変わってないんですけど、ライブ自体はその都度成長しているし、やれることも増えているので。初ライブのときは高校生だったので、制服でしたからね(笑)。

穴見:僕は中3でしたけど、「俺の演奏を1秒でも長く聴け」みたいな感じでした(笑)。アンサンブルにおいては一番ダメな考え方だったし(笑)、今は全然違う意識でやってますけど、演奏する楽しさは変わってないですね。むしろ最近、ベースを始めた頃をよく思い出すんですよ。

peppe:私はもともとクラシックのピアノをやっていて、バンドのなかのピアノがまったくわかってなくて。クリック(テンポを示すガイド音)に合わせるのも大変だったし……。今はみんなの音もよく聴けるようになったし、いい意味で遊びも入れられるようになって。すごく変わったなと思います。

小林:お客さんと対峙するのが楽しいというのが一番なんですよね、ずっと。ただ、学生の頃は「どこまでお客さんの顔を見ればいいか」というのがわかっていなくて。今は一人ひとりとしっかりキャッチボールできてると思うし、そこは大きく変わったところですね。

ーー歌のアプローチも変わってきたのでは?

長屋:「届ける」という視点で歌えるようになったのかなって。最初の頃はライブをやるだけで精一杯だったんですけど、少しずつ「曲を届ける」という意識が出てきて。しっかり意思を持って歌えている感覚もあるし、曲によって歌い方や身振り手振りも変わってきた。心と一緒に動けている感じがありますね、今は。……今気づいたんですけど、「3秒以上、お客さんの目を見られない」というのはずっと同じですね。

穴見:ハハハ(笑)。

ーーホールツアーだと、お客さんと目が合いそうですけどね。

長屋:それはそうなんですよ。3秒以上目を合わせられないだけで、けっこうお客さんと目を合わせようとはしているので。よく「緑黄色社会のライブに行って、ボーカルの人と目が合った気がする」ってSNSなどで言ってる方がいるんですけど、目は絶対合ってるので。そこは自信持ってください(笑)。

ーーWOWOWの生中継を楽しみにしている方に伝えたいことは?

長屋:ツアーに行きたくても行けなかった方はもちろんですけど、『Channel U』ツアーに来てくれた方にも、さらにアップデートされたものを楽しんでいただけると思います。『Channel U』のコンセプトのなかに“テレビ”があったんですけど、WOWOWで中継されると画面を通して観てもらえるじゃないですか。最後にコンセプトがつながった感じがして、面白いなって(笑)。

穴見:いろんな方に楽しんでもらいたいですね。「あ、なんかやってる」くらいの感じで観てもらってもいいし、1人でも誰かと一緒でも、どんな形でも楽しんでもらえるライブになると思うので。

peppe:さっきも言いましたけど、「メンバー全員が心から楽しめていた」というのが素敵なツアーの証拠だったと思っていて。ツアーのなかで培ってきたものもそうだし、さらにプラスアルファした“Us”をWOWOWでぜひ観てほしいです。

小林:生のライブでしか感じられないこともあるけど、WOWOWの優秀なクルーのみなさんたちのおかげで(放送・配信で)観られることがたくさんあると思うんですよ。長屋の表情もそうだろうし、引いた画によって「会場はこうなってるのか」というのもわかるだろうし。いろんな楽しみ方が出来ると思うので、ジェットコースターのようにウキウキしながら楽しんでほしいです。

ーー7月5日の放送・配信当日は、午後1時半から「緑黄色社会 Music Video Collection」もオンエアされます。みなさんの推しMVを教えてもらえますか?

長屋:たくさんあるんですけど、「想い人」は印象に残ってます。時を止めるシーンがあるんですけど、“3人が止まって、1人だけ動く”みたいなことをアナログでやって。楽しい撮影だったし、作品としても気に入ってます。

穴見:僕は「夏を生きる」ですね。映像作家の加藤隆さんがイラストレーションも手掛けてくださって。個人的にもすごく好きな曲だし、(コロナ禍の影響もあり)どうしようもなかった2020年の夏のなかで唯一、きらめいた思い出だなって。ぜひ細部までじっくり見てほしいです。

peppe:「キャラクター」も大好きなMVです。出演していただいた見上愛さんがとにかくかわいい!

小林:その前からご縁があったしね。

peppe:同じCMでご一緒したんですよ(見上愛は、緑黄色社会の「Mela!」がCMソングに起用された「アリシアクリニック」のCMに出演)。衣装やコンセプトを含めて、すごく気に入ってるMVですね。

小林:僕は「ピンクブルー」ですね。

長屋:楽しい撮影だったよね。

穴見:うん。すごくいいMV。

小林:コメディーの要素やシュールなところもあるし、小ネタも隠されていて、見どころがたくさんあって。ぜひ観てほしいです。

長屋:MVが30本以上あるのもビックリしました。楽曲ごとに伝えたい思い、見てもらいたい景色があるし、みんなで話し合いながら作ったMVばかりで。それを観てもらってからライブを体験してもらえるのはすごくうれしい。みなさんの貴重な時間を、そんなに使っていただいていいんですか? と思うけど(笑)、ぜひMVとライブの両方を楽しんでほしいです。

小林:MVとライブがリンクする部分があるかもしれないしね。

穴見:そうそう。MVからライブの流れが一番いいと思います!

■WOWOW番組情報
特集名:緑黄色社会 2カ月連続特集

<ラインナップ>
緑黄色社会 Music Video Collection
7月5日(土)午後1:30~
WOWOWプライムで放送/WOWOWオンデマンドで配信

生中継!緑黄色社会 Channel Us 2025 at 東京体育館
7月5日(土)午後4:00~
WOWOWプライムで放送/WOWOWオンデマンドで配信
※放送・配信終了後~7月6日(日)午後11:59までアーカイブ配信あり

緑黄色社会 Channel Us 2025 at 東京体育館 【完全版】
8月24日(日)午後6:30~
WOWOWライブで放送/WOWOWオンデマンドで配信
※放送・配信終了後~2週間アーカイブ配信あり

【番組サイト】https://www.wowow.co.jp/music/ryokushaka/

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