KATSEYEが世界規模で評価される理由とは 新EP『BEAUTIFUL CHAOS』は“時代を象徴する一枚”に

KATSEYEが世界規模で評価される理由

 今、世界各国の音楽シーンを賑わせている新星グループ・KATSEYEが、6月27日に2nd EP『BEAUTIFUL CHAOS』をリリースした。

 KATSEYEは、DANIELA、LARA、MANON、MEGAN、SOPHIA、YOONCHAEからなる6人組のグローバルガールグループ。BTSやLE SSERAFIMらを輩出したHYBEと、アメリカの老舗音楽レーベル・Geffen Recordsが共同で行ったオーディション番組『The Debut: Dream Academy』より結成され、2024年6月に1stシングル「Debut」を、同年8月にはデビューEP『SIS (Soft Is Strong)』をリリースし、鮮烈なデビューを飾った。

 グループ名は、見る方向によってさまざまな色を放つ宝石の「キャッツアイ」が由来に。その名の通り、KATSEYEは得意領域からビジュアル、バックグラウンドまで、実に多彩なものを持ったメンバーが揃っている。出身で言えば、スイス、フィリピン、アメリカなど3つの大陸にまたがる6都市の名が上がる。加えて、両親のルーツも含め、多様な文化的背景を持ったメンバーが多いのが特徴だ。また、言語、作曲、ダンス、ボーカルなどそれぞれ個性豊かな得意領域があり、性的マイノリティであることをカミングアウトしたメンバーもいる。

 文字通り“多様性”を体現したKATSEYEは、そのコンセプトだけでなく、楽曲の音楽性の高さやパフォーマンス力でも世界から注目を集めている。デビューEP『SIS (Soft Is Strong)』は、アメリカのビルボードチャートにおいて、「Emerging Artists」と「Heatseekers Albums」の2つのチャートで首位を獲得。同EPに収録され、2ndシングルとしてリリースされた「Touch」では、「Billboard Global 200」の上位にランクインしたほか、各国のビルボードチャートでもチャートインを果たすなど、多くのファンを魅了した。

 実際、エレクトロポップとR&Bが融合したメロディアスな同楽曲は、恋する気持ちをかわいらしく繊細に歌ったボーカルと、自信やキュートさ、美しさが両立した表情表現、全身を細やかに美しく使ったダンスに目と耳を奪われる。一方、デビュー曲「Debut」は重く響くHIPHOPのビートをベースとした楽曲で、自信に満ち溢れたガールクラッシュな表現をしていただけに、KATSEYEのメンバーが持つ引き出しの多さと、それに紐づく表現力の豊かさに驚かされる。そうしたパフォーマンス力の高さも相まって、6人は2024年末、韓国の音楽授賞式『Hanteo Music Awards』で女性新人賞にノミネートされた。

KATSEYE (캣츠아이) "Touch" Official MV
KATSEYE (캣츠아이) "Debut" Official MV

 KATSEYEの快進撃は、今年に入ってからも続いている。同グループはBillboardが毎年発表する注目の若手アーティストリスト「21 Under 21」に選出されたほか、7月31日からスタートするアメリカの大規模音楽フェス『Lollapalooza 2025』の出演も決定。また、8月には『SUMMER SONIC 2025』への出演に加えて、日本での初となるプレミアム・ショーケースの開催が決定しているなど、世界各国で注目を集めている。そんなKATSEYEにかかる大きな期待に対して、全5曲からなる最新作『BEAUTIFUL CHAOS』は鮮やかに応えてみせた。

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