『蓮ノ空』は『ラブライブ!』が掲げる「“いま”が最高」を体現できるか 未知なる挑戦を続ける手探りの旅路

最高の“いま”を更新する──105期『蓮ノ空』の挑戦

 今この瞬間にも少女たちは、いなくなったメンバーの影響力を実感しながら、それでも新たな夢へ向かって歩みを進めている。今年4月30日に『Link!Like!ラブライブ!』内で行われた『105期OPENING!Fes×LIVE』は、そんな未知への挑戦の大きな一歩だったと言えるだろう。

【アーカイブ公開中】「105期OPENING!Fes×LIVE」 蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ #Fes蓮ノ空105期初ライブ

 同ライブでの102期生がいないステージと、今までとは毛色の違う楽曲の数々は、105期『蓮ノ空』の到来を我々に実感させた。藤島譲りのかわいさと、レトロな嗜好が二人三脚で世界を彩るスリーズブーケの「Celebration!」、自身の存在を世界へ主張するような、全身全霊の自己表現に息つく暇もないDOLLCHESTRAの「アンペア」、エレクトリックなサウンドの中にどこか牧歌的な包容力を感じさせるみらくらぱーく!の「WAWO!」、そして『蓮ノ空』への第4のユニット・Edel Note加入も含め、『105期OPENING! Fes×LIVE』は、102期生がいた頃の“らしさ”とは異なる魅力を見せた。一方で、「Dream Believers(105期Ver.)」がそうであるように、102期生が残した想いも後輩たちの中で息づいていることも示された。104期までを土台にしながら、過去をなぞるのではなく、自らの手で新たな魅力をクリエイトする姿に、私は“105期の蓮ノ空らしさ”を感じる。

 繰り返すが、「“いま”がいつだって最高に面白い」。これは『ラブライブ!』シリーズが10年以上変わらず掲げる信念であり、体現が難しい概念だ。明日が今日よりよくなる保証はどこにもない。それでも、昨日より今日、今日より明日がよくなると信じ、進み続けた先にだけ「“いま”が最高」が待っている。それこそ、ユニットの要でもあった102期生が卒業した『蓮ノ空』が、105期へ進む意義ではないだろうか。

 『蓮ノ空』はそのリアルタイム性をもってして、いつだって「“いま”が最高」を体現できると証明しようとしている。103期から104期、そして104期から105期へ。彼女たちが更新し続ける“最高のいま”から、これからも目が離せない。

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