FEEDER x ELLEGARDEN、熱くかき鳴らし合ったリスペクト 煌めきと高揚が渦巻いた初のジョイントツアー

ELLEGARDENとイギリスのロックバンド FEEDERによる初のジョイントツアー『FEEDER x ELLEGARDEN Sonic Bridges Tour 2025』東京公演が4月17日、東京ガーデンシアターにて開催された。ELLEGARDENのメンバーはこれまで、FEEDERから多大な影響を受けたことを公言しており、2012年にリリースされたFEEDERのアルバム『Generation Freakshow』日本盤ボーナストラックに細美武士(Vo/Gt)をフィーチャーした「Generation Freakshow」が収録されたのを筆頭に、同年7月のFEEDER日本公演に細美がゲスト参加。さらに、同年10月にはthe HIATUSとFEEDERで東名阪カップリングツアーを開催するなど、これまで厚い親交を深めてきた。今回のジョイントツアーも昨年細美とFEEDERのタカ・ヒロセ(Ba)がやり取りをする中で浮かんだアイデアであり、日本を皮切りに台湾、イギリス、フランス、ドイツ、ベルギーを回る世界規模のツアーとなっている。
4月14日の愛知・COMTEC PORTBASE、15日の大阪・Zepp Osaka Baysideを経て、日本での最終公演となった東京ガーデンシアターは本ツアーにおける最大規模の会場。チケットは早々にソールドアウトし、会場は2組の共演を心待ちにしていた大勢のロックキッズたちで埋め尽くされた。
開演時間になると、まずステージに登場したのはELLEGARDENの4人。細美は「(今日は海外へ行く前の)盛大なお祭りにしたいので、皆さん精一杯楽しんで帰ってください」と挨拶をすると、続けて2019年以来の来日となったFEEDERがこのツアーを喜んでいることをオーディエンスに伝える。そして、「一生に1回のこの機会、思い切り楽しんで帰ってください!」と告げてステージを去ると、いよいよトップバッター FEEDERのステージがスタートする。

映画『The Good, The Bad And The Ugly(続・夕陽のガンマン)』のメインテーマに乗せてステージに登場したFEEDERの面々。「FUKUOKA CITY」と書かれたTシャツを着たグラント・ニコラス(Vo/Gt)が「Tokyo!」と力強く発すると、ライブは「Insomnia」から勢いよくスタートする。サポートメンバーのトミー・グリーソン(Gt)&ジェフ・ホルロイド(Dr)との4ピース編成で繰り出すサウンドは非常にタイトで、ご機嫌のアッパービートに導かれるように、フロアには早くもクラウドサーファーも発生。続く代表曲のひとつ「Come Back Around」では観客のクラップで大きなノリを作り上げ、日本を題材とした「Kyoto」ではヘヴィかつグルーヴィなアンサンブルで、広い会場を飲み込んでいった。


6年ぶりの日本をいかに楽しみにしていたかをグラントが伝えたあとは、エモーショナルなミディアムナンバー「Feeling a Moment」で会場の空気を一変。かと思えば、爽快感の強い「Fear Of Flying」ではオーディエンスのシンガロングを交えながら一体感を作り上げる。その後も「Just The Way I'm Feeling」「Pushing the Senses」と代表曲が立て続けに披露され、改めてこのバンドの持つ良曲の数々を再確認することに。かと思えば、曲間にはタカが故郷に近い名古屋公演を訪れた自身の母親が、ELLEGARDENのステージに夢中になったエピソードも明かされ、会場は温かな空気に包まれた。

ライブ後半では2024年4月にリリースされたアルバム『Black/Red』から「Hey You」「Playing With Fire」を連発。ムーディな曲調と会場中に飛び交う無数のレーザーが幻想的な空間を作り出した前者と、グランジを彷彿とさせるヘヴィなリフが象徴的な後者と、対照的な2曲で観る者を魅了する。さらに、重さとダークさが強調された「Torpedo」ではフロアにモッシュピットも発生。のたうち回るようなギターソロも相まって、会場はカオスな空間と化した。

このツアーを通じて初めてFEEDERを観たELLEGARDENのファンに向けて感謝の言葉を送ったあとは、「High」でライブ終盤戦に突入。繊細さと豪快さを持ち合わせたグラントの歌声が客席の熱を高めていくと、オーディエンスが高く掲げた腕を左右に振り始めて一体感を作り上げる。そんな感動的な空気を引き継ぐように繰り出された「Buck Rogers」では、会場の熱気を一気に上昇させると同時にステージとフロアの距離も急接近。そして、印象的なギターリフに客席から大歓声も沸き起こった「Just A Day」で再びクラウドサーファーが続出し、FEEDERのライブはフィナーレへと近づいていく。オーディエンスのリアクションに対してグラントが「アメイジングな1日だったよ!」と感謝を述べると、最後はNirvanaのカバー「Breed」をプレゼント。このクライマックスにぴったりな1曲に観客は最高の盛り上がりを見せたところで、70分強におよぶFEEDERのステージは幕を下ろした。






















