FEEDER x ELLEGARDEN、熱くかき鳴らし合ったリスペクト 煌めきと高揚が渦巻いた初のジョイントツアー

FEEDERが最良の形でフロアを温めたあとに登場したELLEGARDENは、細美の「行こうぜ、東京!」を合図に「Supernova」から勢いよくライブをスタート。ありったけの大きな声で歌う者、モッシュやクラウドサーフといったアクションでバンドの熱演に応える者など、早くもそれぞれの楽しみ方でライブを満喫するキッズが続出すると、間髪入れずに「Salamander」が繰り出され、フロアの熱気をさらに加速させる。かと思えば、2022年12月に発売された16年ぶりのアルバム『The End of Yesterday』から「チーズケーキ・ファクトリー」「Mountain Top」を連発。リリースから2年以上を経たこれらの楽曲群も、活動休止前の人気曲同様に数々のライブを通じて育ち、今や彼らのライブに欠かせないキラーチューンにまで成長していることが窺えた。

普段のライブハウスとは異なる景色を前に「すげえ光景だな、これは」と口にする細美は、「ガキの頃からずっと聴いてきたFEEDERと一緒に世界を回れて、こんなたくさんの人が観に来てくれて……何が起きているのか考えてたんだよ。うまく言えるかわからないんだけど……俺たちをここに連れてきてくれてありがとう」と目の前の観客に感謝を伝える。そして「せっかくだから派手に盛り上がろうぜ!」と告げて、「Red Hot」にて再び会場の熱気を高めていく。


高橋宏貴(Dr)が叩き出す重さとしなやかさが混在するビートに高田雄一(Ba)が堅実なプレイを重ね、生形真一(Gt)はワイルドなプレイとコーラスで華を添える中、細美は会場の一人ひとりにパワフルな歌とメッセージを届けていく。昨年11月、細美が網膜剥離による緊急手術を受けたことなどもあり、この状況は常に当たり前ではないしいつまで続くかもわからない。「いつか死ぬその日まで、本気で生きることに決めた」と、細美はこの日のMCで口にしたが、細美やバンドの想いに応えようと、一瞬一瞬を逃さず心の底から楽しもうとするキッズたちの真摯な思いを、フロアの至るところから感じ取ることができた。


ライブ中盤ではFEEDERのグラントをステージに呼び込んで、FEEDERの楽曲「Seven Days in the Sun」を一緒にプレイするスペシャルプレゼントも。細美が「コピーしてみたら、(ELLEGARDENの)『Wannabies』とコードが一緒。知らないうちにすげえ影響受けてたんだなって思った(笑)」と口にする場面もあったが、同曲はもちろんのこと、この日演奏された楽曲のいくつかからは確かにFEEDERの面影が見え隠れしていた。そんなELLEGARDENのルーツとなったレジェンドとのコラボレーションは、我々観客にもとても眩しく映り、曲後半で加わったタカやほかの面々との和気藹々とした姿にギュッと胸を締めつけられた。


その後も「Missing」や「Strawberry Margarita」「ジターバグ」など、新旧の人気曲が混在するセットリストにフロアがうねるような盛り上がりを見せる。「金星」では細美の「最後に、今日一番のでっかい声聞かせてくれよ!」を合図に、会場中から割れんばかりの歌声が鳴り響く感動的な空気でライブ本編は終了した。

FEEDERロゴTシャツに着替えた4人がステージに再登場すると、「Space Sonic」にてアンコールをスタート。「今日はお前らの心のドアを蹴り開けられたような気がするよ」と細美が笑顔で告げると、「虹」にてガーデンシアターを高揚感いっぱいに包み込んだ。ライブはここで終了し、FEEDERの面々と一緒に記念撮影をしようと試みると、カメラマンがステージに移動するまでに時間がかかることが発覚。そのインターバルを埋めるかのように予定外の「Pizza Man」をサプライズで披露すると、オーディエンスは喜びの声とともにこのプレゼントを存分に満喫した。
「くそーっ、楽しかった! 今日は酒が美味いぜ!」と喜びを隠せない様子の細美とELLEGARDENの面々は、オーディエンスを背にFEEDERのメンバーと記念撮影。『FEEDER x ELLEGARDEN Sonic Bridges Tour 2025』ジャパンレッグを大成功のうちに終え、FEEDERとともに海外へと旅立っていった。

ロックバンド低迷と謳われるようになって久しい海外の音楽シーンだが、アジアやヨーロッパ圏など世界の6カ国で展開される本ツアーを通じて2組の共演がどんな影響を及ぼすのか。そして、ELLEGARDENが夢のようなツアーで得た収穫をどのように活動に反映させるのか。この奇跡的なジョイントツアーはELLEGARDENやFEEDERはもちろん、国内外のロックシーン、そして我々オーディエンスにとっても新たなターニングポイントになりそうだ。
◾️セットリスト
FEEDER
01. Insomnia
02. Come Back Around
03. Kyoto
04. Feeling a Moment
05. Fear Of Flying
06. Just The Way I'm Feeling
07. Pushing the Senses
08. Hey You
09. Playing With Fire
10. Torpedo
11. High
12. Buck Rogers
13. Just A Day
14. Breed(Nirvanaカバー)
ELLEGARDEN
01. Supernova
02. Salamander
03. チーズケーキ・ファクトリー
04. Mountain Top
05. Red Hot
06. 風の日
07. No.13
08. 高架線
09. Sliding Door
10. Seven Days in the Sun(with FEEDER)
11. The Autumn Song
12. Missing
13. Marry Me
14. Strawberry Margarita
15. ジターバグ
16. Make A Wish
17. スターフィッシュ
18. 金星
アンコール
19. Space Sonic
20. 虹
21. Pizza Man






















