WEST.、音楽への飽くなき好奇心と7人の情熱が織りなすエンタメ “僕らの歌”が紡いだかけがえのない瞬間

WEST.『A.H.O.』ツアー横アリレポ

 これまで挙げてきた最新アルバムの楽曲たちがそうであるように、今回のツアーで披露されるナンバーは、極めて多様にして多彩。そうした多ジャンルの各楽曲に一貫しているのが、7人の全身全霊のライブパフォーマンスである。長年にわたって磨き上げ続けてきたエンターテイナー精神とパフォーマンス力、深め続けてきたファンとの信頼を糧に、熱く、力強く、親密な包容力をもって会場全体を巻き込んでいく7人。観客も、負けじと全身全霊。愚直と言えるほどに誠実な彼らの想いを受け、次々と巻き起こる熱烈なコール&レスポンス、鮮やかなハンズクラップ、そして、壮大な合唱。猛烈なエネルギーの応酬、お互い容赦なし。筆者は、これまでWEST.のライブをフェスや映像作品で何度か観てきたが、ワンマンを現地で観たのは今回が初めてで、ステージと客席の垣根が溶けていくかのようなライブハウスさながらの熱気に、全編を通して何度も圧倒されてしまった。

 特に強く心を震わせられたのが、〈二度とはない感情/歌うよ 全部 歌うよ〉〈この旋律よ 僕らの歌になれ〉という宣誓や願いが繰り返し歌われる「この旋律よ 誰かの歌になれ」(最新アルバムの初回盤Bに収録)。まるで、WEST.とファンにとっての渾身のテーマソングのように響いており、両者が同じ時間と空間をともにするライブの場で披露されることさらなる真価を放つ1曲であると感じた。この曲が、今回のツアーの残りの公演、または今後のライブで、どのようなライブアンセムとしての輝きを放っていくのか。これからツアーに参加する方は、ぜひ注目してほしい。

WEST.『A.H.O. -Audio Hang Out-』で挑んだ7人が制作に携わるアルバム初の試み 熱さと愛が宿る“ライブ力”の真髄も

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