星野源、King Gnu、[Alexandros]、優里、Kis-My-Ft2、IVE……注目新譜6作をレビュー

優里「最&強」

優里「最&強」

 最初に耳に飛び込んでくるのは、爆発的なグルーヴを生み出すドラムロールとテンション最高潮のギターサウンド。ビートは一気にトップスピードに達し、ずっしりとしたラウドネスを感じさせながらどこまでも突っ走る。ボーカルのテンションも強烈なこの曲は、リスナーの心と身体をしっかりと引き上げてくれる最強のパワーソングと言っていいだろう。〈僕ら弱虫、不安抱えても/大丈夫、大丈夫 今日まで生きたろう〉という一節も印象的。マンガのスーパーヒーローみたいになれなくてもいい。自分を超えようとする意志があれば、僕らはもっともっと強くなれる――そう、「最&強」が放つポジティブを支えているのはこれみよがしな力ではなく、大らかな優しさなのだ。(森)

Kis-My-Ft2「お疲れ様です!feat.サンドウィッチマン」

Kis-My-Ft2「お疲れ様です!feat.サンドウィッチマン」

 5月21日に発売されるアルバム『MAGFACT』からの先行配信。山本領平&縄田寿志による楽曲は、ホーンとラテンフレーバーが入り乱れるご機嫌なアッパーソング。「お疲れ様です!」という日常の挨拶を巡ってユーモラスに考察し、役に立つうんちくや四字熟語なども交えながら、とにかく明るくスカッと駆け抜けていく。客演に招かれているのはかねてから交流のあるサンドウィッチマンで、二人は歌唱ではなく、歌詞に対するツッコミやボケを担当。MVでは最高のダンスも披露している。富澤たけしのコメントには「ノリが良いし、みんなでカラオケの締めに歌ってほしい」との言葉があるが、まさにそんな楽曲として幅広く愛されそうだ。(石井)

IVE「DARE ME」

IVE「DARE ME」

 IVEが初めて日本のドラマタイアップを担当。ドラマ『ダメマネ! ーダメなタレント、マネジメントしますー』(日本テレビ系)オープニング曲となる、日本オリジナルの新曲だ。メンバー全員がずば抜けた容姿と歌声を持つ“完成型アイドル”と呼ばれて登場したIVEは、美しさと可愛らしさを追求するK-POP王道回帰派と言えるのだが、日本向けに作られたこの曲はJ-POPとK-POPを折衷した正統派のポップス。作曲はソウル出身のTokyOdds、作詞は東京下町が地元だというMOMONADYである。清涼感溢れるメロディと歌声、ありのままの自分を肯定するポジティブな歌詞。個性溢れるコンセプトのグループが乱立する時代において、この清潔感と愛されムードは逆に新鮮。(石井)

星野源、『おげんさんといっしょ』が届けた“終わること”の美学 いつかこの日を超える“今”を迎えるまで

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