岩田剛典、「Phone Number」は「削ぎ落とされた中の最後の一滴」 多彩な活動を続けるための美学

岩田剛典、多彩な活動を続けるための美学

自分のやりたいことにワクワクできるのがソロ 三代目JSBは7人が集まる青春の場所

――以前インタビューで「俳優とは別に、経験値と肩書きが加わると、ほんとうの意味でフラットに俳優というのは難しい」と話していました。その後俳優としてもソロアーティストとしても経験を重ねた今も俳優、アーティスト、さらにひとりの人間としても常にこの「フラット」というスタンスですか?

岩田:自分が疲れないために、自分で自分を守る方法の一つです。表に出る仕事は、人前に立ち、緊張感と常に隣り合わせで感覚的に張り詰めるものです。その中で芝居にしろトークにしろ、ダンスだけでない全表現を届けるためのメンタルトレーニングとしてフラットでいることが結果、自分のベストパフォーマンスに繋がるなと今までの経験上感じています。

 例えば、コメント撮りで一語一句、カンペに書かれた文言を間違えず読もうと昔は思っていました。そうやって力むと噛んでしまうこともある。今は「えーと」や「あー」と口にして自分のリズムを作り、喋り口調に落とし込んで情報を読む。バラエティに出る時も、本番が始まる前に共演者の方ととにかく喋る。すると本番がやりやすくなる。自分が常にフラットでいられるためのやり方、スタンスだと思います。

――俳優の時も同様ですか?

岩田:俳優の時もそうだと思います。撮影現場で初めに少しカッコ悪いところを見せておく。カッコ悪い前提があるから、ミスをしても「あ、すみません」で現場が和む。どんなシチュエーションでも同じです。ライブのMCも真面目なことをやろうと構えていきなり本題に入るのではなくて、今日何を食べて、何時に楽屋を出てという全く違う話から始めると、客席からの圧と波が変わります。パンと張っているところに、こちらもパンと張って臨むとうまくいかない。客席が脱力した空気感になってきたら、今度は逆にぐっと締める。緩急でうまくいくんです、大体。ふざけて一発笑わせる。テクニックだと思います。

――その一方で、EXILE mobileのブログ「FULLOUT DAYS」では、ご自身を海中で動き回る回遊魚にたとえて、ひたすら突き進む姿勢を公言しています。岩田さんはそれをマグローマンスタイルと呼んでいますね。それもフラットなスタンスの延長ですか?

岩田:「マグロは生まれてから死ぬまで止まることなく一生を終える」とよく比喩で言います。僕も芸能の世界に入ってから休まず歩んできました。このスタイルは、自分の仕事への姿勢としてファンの皆さんにわかりやすく伝わる比喩くらいの意味合いです。

――一時期前だと、パフォーマー、俳優、ソロアーティストをひっくるめて三足の草鞋という言い方をしていましたが、そこにアートなども加わり、もはや何足なのか。今、どんなセルフイメージを持っていますか?

岩田:当たり前のことですが、まずは自分一人の力で生きていくこと。自律は大切です。基本的に俳優を含めたソロ活動は、自分次第で一生続けられる芸能活動だと思っています。需要次第ですが、これはライフワーク。こんな自分でも俳優としてある程度積み上げてきたキャリアがある。企画から携わらせていただける機会や裁量が増え、段々とオファーが変わってきます。

 ソロアーティストとしては、念願のアリーナツアーを回ることができ、大きな夢を達成させてもらいました。この先、どこに目標を設定してプランニングしていくのか。ソロは自分のやりたいことにワクワクできる活動です。一方、三代目JSBの活動は、7人が集まってワチャワチャできる青春の場所です。MATEとの共同体でもあるから、皆さんが期待して会場に足を運んでくださる限りは続く。三代目JSBとしての夢も本当にたくさん叶えさせてもらいました。国内を見渡してもオリジナルメンバーで15年後もツアーでドームを回るグループはなかなかありません。メンバーでいられる嬉しさと自負を感じます。それは7人全員が共有していることだと思います。

 最近ではおかげさまで、デザインのお仕事もいただけるようになりました。こうして僕のキャリアありきでお話をいただいていますから、少しずつチャレンジしていきたいです。そしていずれ個展をやりたい。違うベクトルの夢も個人的には追いかけていきたいです。多岐にわたる活動を続けていく先、僕が当初から公言しているスーパースターになれていると心から感じられる日が来たらいいなと思っています。

――現在の岩田さんは紛れもないスーパースターだと思いますよ! そもそもスーパースターになりたいといつ頃から公言していたんですか?

岩田:僕がデビューした2010年から15年間言い続けていると思います。当時は「俺、絶対なるんで」とかなり本気で言っていました。漫画の主人公が「ビッグになりてぇ」と言う感覚と同じです(笑)。今はあえてふざけて言っています。方法はどうあれ、イメージはシンプルでいいと僕は思います。

――36歳になる2025年は年男の年です。MATEの皆さんの間では、岩田さんの誕生日である3月6日が掛け合わさる特別な数字とされています。2025年をどんな年にしたいと思っていますか?

岩田:毎年同じこと言っていますが、変わらず挑戦の年です。去年得たものが本当に大きかったです。2ndアルバムをリリースしたソロでアリーナツアーを回り、さいたまスーパーアリーナと武道館にも立たせていただき、ドラマと映画合わせて6本の撮影がありました。尚且つ『24時間テレビ47』(日本テレビ系)で帯企画を担当させていただき、三代目JSBも7度目のドームツアーを回りました。たくさん働きました。まさにマグロのように(笑)。

 今年はソロ活動から動き出しましたが、三代目JSBにとって15周年のアニバーサリーでもあります。昨年の『“ECHOES OF DUALITY”』は作り込みが多く、かなり攻めたライブ構成でしたが、今年5月から開幕する8度目のドームツアー『三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2025“KINGDOM”』は、長年の持ちネタや鉄板ネタで組み合わせたいと思っています。もうすでに年末が見えているスケジュール感でチャレンジが続きます。2024年に培って評価していただいた自分の今いるステージを今年の活動でもうひとつ上に上げたい。そういうふうに振り返った時に豊かだと感じられる2025年、年男イヤーでありたいなと思っています。

岩田剛典「Phone Number」

■リリース情報
「Phone Number」
配信:https://iwata-takanori.lnk.to/phonenumberPR

■公式サイト
HP:https://m.tribe-m.jp/Artist/index/310?m=bemyguest
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCNSFiHB2JRhpNaNfysCKcHQ
Instagram(岩田剛典):https://www.instagram.com/takanori_iwata_official/
Instagram(岩田剛典Music Staff):https://www.instagram.com/bemyguest__official/
X(旧Twitter):https://x.com/T_IWATA_EX_3JSB
Music Staff X(旧Twitter):https://x.com/BMG__official_
TikTok:https://www.tiktok.com/@bemyguest_official

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる