SEVENTEEN、試行錯誤の痕跡と自然体な楽しさに富んだワールドツアー『RIGHT HERE』 東京ドーム公演を観て
2024年10月12日と13日の2日間、高陽総合運動場にて開催された韓国・ソウル公演を皮切りにSEVENTEENのワールドツアーが開幕。日本公演として『SEVENTEEN [RIGHT HERE] WORLD TOUR IN JAPAN』が、11月のバンテリンドーム ナゴヤ、12月の東京ドーム、京セラドーム大阪、みずほPayPayドーム福岡の4都市10公演が開催された。本稿では、12月5日に行われた東京ドーム公演2日目のレポートをお届けする。
鮮烈な赤のイメージが強烈な「Fear」でステージが幕を開けると、続いて正反対の意味合いを冠した「Fearless」をパフォーマンス。壮大なトラックの流れで「多様な僕たちが集まって自分たちも世界を指揮していき、流れを主導する最高になろう」というメッセージを伝える「MAESTRO」のパフォーマンスで、ライブのイントロダクションは最高潮に。
ドームツアーもすでに2回目、東京ドーム公演もすでに何度もこなしているからか、最初の挨拶も兼ねたMCもすっかりこなれている。お馴染みのHOSHIのMCは段々壮大に長くなり、今回はBGMとSEUNGKWANの歌付きというところまで完成されていた。ほかのメンバーを巻き込んでのJOSHUAの“いとしなもん”や。ミュージカルでも活躍しているDKのオンステージ、THE 8のソロ曲披露など、それぞれのメンバーの自己紹介の客席とのコールアンドレスポンスが完成しつつあった。また、今回たまたま近くの席で目にする機会があったのだが、聴覚障がいのある観客のために、MC中は客席に手話通訳がついていたことも印象的だった。
MCを経て続く「Ash」は、タイトル通りスタンド席まで届きそうな炎が四方八方から噴き出るダイナミックな演出に。「Crush」ではセンターステージで少しセクシーな雰囲気のボーカルが印象的なパフォーマンスを見せてくれた。
続くセクションはHIPHOP TEAMは、「Water」、オオカミの仮面をつけた「Monster」と、クールでパワフルなパフォーマンス。続くPERFORMANCE TEAMは、幻想的なシンセとベースが印象的なニュートロディスコの「Rain」、2ndアルバム『TEEN, AGE』(2017年)からの定番曲「Lilili Yabbay」と、エモーショナルなパフォーマンスを見せてくれた。VOCAL TEAMは、タイトル通りスウィートなムードの「CANDY」と、日本のJ-ROCKジャンルをイメージしたという爽やかな「Cheers to youth」ではコールアンドレスポンスで客席を盛り上げた。
バックステージでの「Our Dawn Is Hotter Than Day」「ひとりじゃない」では、歌詞の字幕がモニターに出て、ファンも一緒に歌う心温まる時間もあった。VCR後の「Oh My! -Japanese ver.-」からはデビュー年の2015年に立ち返る演出もあり、「Snap Shoot -Japanese ver.-」「God of Music」、タイトルとは対照的な明るさを持った「今 -明日 世界が終わっても-」と、肩を組んで歌いたくなるようなポジティブな曲が並んだ。
終盤に入り、NHKの夜ドラマ『未来の私にブッかまされる!?』(NHK総合)の主題歌「消費期限」(この日、ライブにはドラマの出演者も来場していたそう)、アメリカの人気ラッパー・DJ Khaledをフィーチャーした「LOVE, MONEY, FAME」と新曲を続けて披露。セットリストには入れられずだった「DREAM」「Sara Sara」「CRAP」などを歌う時間もあり、ラストは“行進”というタイトルらしいリズムの「March」、孫悟空の世界をイメージした「Super」(原題は「손오공」=孫悟空)と、パワフルな楽曲で会場の熱が冷めやらないまま、本編終了となった。