Mrs. GREEN APPLE、Official髭男dism、こっちのけんと……“レコーディング映像”から見えるプロの仕事
こっちのけんとの「はいよろこんで」
最後に紹介するのが、こっちのけんとの「はいよろこんで」だ。先述したOfficial髭男dismやMrs. GREEN APPLEがどちらかというリアルな風景を映した動画だったのに対して、こっちのけんとの動画はワンカットの構成になっており、良い意味でリラックスした“オフ”感があるのが印象的だ。とはいえ、レコーディングそのものへの姿勢に妥協は一切ない。「ヘイ」というワードの歌い方ひとつとっても、納得のいくテイクになるまで何度も歌い直し、トライしていくのだ。動画では字幕を交えながら、その当時の状況を説明していく構成になっているため、このテイクにどんな意味があるのか、このパートではどんなところにこだわっているのかが明確なのもポイント。平面的だった楽曲が、リズミカルなボーカルによって命を吹き込まれることで、その曲の躍動感が明白になっていく様子が印象的である。このレコーディング風景を見たあとで楽曲を聴くと、ボーカルの表情やトーン、声の発し方などにも改めて注目して聴きたくなるため、こっちのけんとの歌が持つ表現力を100%堪能するためのきっかけになる動画となっている。
総じてどの動画にも言えるのは、どのアーティストのレコーディングにも一切の妥協がないということ。短い尺の中でも、プロの仕事が濃厚に凝縮されている。ゆえに、完成した楽曲を再び聴くと、それまでとは違った景色が見えるくらいの刺激がある。より多面的に楽曲を味わうためのヒントとして、こういった動画を観るのも、また一興なのかもしれない。
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