WEST.、7人揃って迎えた10周年に歩く花道 超満員の東京ドーム公演を振り返る

WEST.、10周年記念東京ドーム公演レポ

 「皆さんの前で新曲やっちゃおうかなと思います」と神山が切り出し、9月10日発売の新曲「まぁいっか!」を披露。また、続く「・(ten)」ではハーモニカやアコースティックギターなど、メンバーが楽器を演奏するパートも。渋さや力強さがありながらも、どこか気持ちをほぐしてくれるような、柔らかくて優しい音色でドームを包んだ。

 後半に差し掛かり、さらにギアをあげてエネルギッシュなステージへ。彼らが立つステージを真っ赤に染めた「絶体絶命」は圧巻。エネルギッシュで一度見たら忘れられない景色と共にパフォーマンスを披露。「YSSB」ではさらに激しさを増した目に焼き付けろよ! と言わんばかりのド派手な演出に、脳天を直撃するようなEDM調の楽曲。炎に特効、映像を駆使し、音、光、映像、そして7人のパフォーマンスでこの上ない高揚感を誘う。

 最後、メンバーの挨拶は桐山から始まった。「楽しかったぜ東京!」と笑顔を見せ、「いろんな人に支えてもらって、みんなもそう、スタッフさんもそう、仲間もそう、違う道に進んだやつらもそう。いろんな人がおって、ここに立たせてもらってる」と感慨深げに語り、「10年先が見えた気がしました」とピースサイン。「先が見えたってことだけ持って帰ってください」と語った。

 中間は「アイドルって夢を見せる仕事でしょって言われるんです、10年間やってて思うのは、いや逆やな、夢を見させてもらってるんだなって思います」と深いおじぎを。「僕たちとこうして会えてるのも現実だから、この楽しい現実を今後も僕たちと歩んでいってほしいなと思います」と語った。

 濱田は「楽しかったー! 楽しかった、楽しかった、楽しかった、それに尽きるかな」と笑顔を見せ、「今年1年、楽しみがいっぱい! 最高!」と言えば、会場も「フーー!」と返していた。

 神山は緑色に染まる会場を左右、上部まで見上げた。「ステージに立つたびにライブってすごいな~って。非現実的な空間、普段味わえない、幸せな空気が満ちてるなって」と噛みしめた。「会場には5万5000人の人が集まって、 そして僕たちがこのステージ上に立っていて、5万5007人の人生、それぞれにいっぱいある道がぎゅってなってるんですよ」としみじみ。「応援してくださってる方は、この会場に来てくださってる皆さん以外にもたくさんいらっしゃいますし、そんな皆さんと出会えた人生で良かった」と深いおじぎをした。

 小瀧は「今日は天気が悪いなか来てくださってほんっとうにありがとうございます!」「こんなすごい景色を見れるなんて、本当に僕は幸せものだと思います。今日もみんなの声、みんなの笑顔、みんなの存在、一人ひとりに感謝を伝えたつもりです。いつ折れてもおかしくなかった柱を、あなたたちが支えてくれました」と感謝を述べ、「これから先もよろしくお願いします」と締めくくった。

 藤井は水を飲んで潤してから。CMの依頼が舞い込みそうだとメンバーに言われながら、スマイルで笑いを誘い、「しんどいこともいっぱいあると思うけど、バカみたいなことを一緒にしましょう」と晴れやかな表情で会場を見上げた。

 ジャケットを掴んで会場を見渡す重岡。事務所に入ったときからお世話になった人の言葉「人生が夢をつくるんじゃなくて夢が人生を作る」を紹介。「人が幸せそうにしてるのが自分の幸せってなれてるのが本当に嬉しい」と右手をあげて笑顔を見せ、「夢が人生を作るのであれば、これから皆さんがこうやって応援していただいてる僕、重岡大毅が、どこまでも調子のって、自分自身をいっぱいいっぱい楽しんで、たくさんの夢を作って、そんな人生を思いっきり歩みたい」と語った。

 そんな彼らから元気をもらい、応援してきたファンも同様に、彼らに返そう! 応援しよう! という心意気が。アンコールではWEST.コールに続いて、ファンからのサプライズ「サムシング・ニュー」を大合唱。「WEST.、10周年おめでとう」と双方がありったけの気持ちをぶつけ、心を通わせるステージだった。

「愛されてる証拠です」

「世界一のファン」

 2013年の大晦日。中間、桐山、重岡、小瀧が「ジャニーズWEST4」と手書きの紙でデビューを報告したのが、この東京ドームで行われた『ジャニーズカウントダウンコンサート』だった。しかし、メンバーはジュニア時代からの仲間である、藤井、濵田、神山を加えた7人で活動したいと直談判し、現在のメンバー構成になった。そんなただならぬ縁、絆でつながった7人が、全員揃って10周年を迎え、東京ドームに大きなセットを立て、花道を歩くーー。たくさんのファンに囲まれ、絢爛豪華な衣装を着こなし、楽しそうに笑顔を浮かべて歩む。そしてライブを共に楽しみ、一緒に歌うファンの愛情に満ちた歌声が響く会場に胸が熱くなった。

 ライブに加えて印象的だったのが、メンバーがファンへの感謝の言葉を惜しまずに伝えていたこと。歌ってくれてありがとう、ペンライトの色を変えてくれてありがとうーー。

 彼らは大切なグループ名が変わるなど様々なことが降りかかった。それでも7人は変わらず、力強く歌い続け、熱いメッセージを届けている。7人揃って迎えた10週年。きっと彼らには、ファンと共に描くこの先のビジョンが見えているのだろう。キラキラとした目で口角をあげて笑い、心からの熱い歌唱を届け、力強くそして逞しく歩む彼ら。冒頭から最後の最後まで、ファンの大きな歌声が響いた東京ドーム。〈あぁ 幸せって幸せだ!〉この光景が彼らがこれまで挑んできたことへの答え、全てを物語っているようだった。

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