『ロシデレ』『マケイン』『とらドラ!』など最新&名作まで 声優の“技”が光る名キャラソンをピックアップ

「かくしん的☆めたまるふぉ~ぜっ!」/『干物妹!うまるちゃん』、「本日、満開ワタシ色!」/『ハヤテのごとく!!』

 上記のようなわちゃわちゃとしたキャラソンは、キャラソンの歴史の中では割と王道。例えば『干物妹!うまるちゃん』(TOKYO MXほか)土間うまる(CV:田中あいみ)の歌うOPテーマ「かくしん的☆めたまるふぉ~ぜっ!」は、マスコットのような2頭身のぐーたらな干物妹の歌声とスタイルのいい清楚な美妹の歌声を駆使したハイテンポなアップチューン。『ハヤテのごとく!!』(テレビ東京系)EDテーマ「本日、満開ワタシ色!」は、桂ヒナギク(CV:伊藤静)の歌う主メロを、白皇学院生徒会三人娘(CV:矢作紗友里&中尾衣里&浅野真澄)が合いの手で囃しながら賑やかに展開されていく。この曲はラスサビで突如投下される〈「ん…だいすきっ!」〉という決め台詞の破壊力が抜群なのだが、これもメインキャラクターを務める声優だからこそできる技だ。

TVアニメ『干物妹!うまるちゃん』ノンクレジットOP映像「かくしん的☆めたまるふぉ~ぜっ!」

「オレンジ」/『とらドラ!』

 一方で、キャラソンはキャラクターの切ない心情を増幅させる役割も果たす。代表的なのが『とらドラ!』(テレビ東京系)EDテーマ「オレンジ」。ヒロイン3人の哀愁を帯びた歌声は、作中の快活な演技があるからこそ大きなギャップとなって我々の胸に突き刺さった。他にも、『ギヴン』(フジテレビ系)劇中歌「冬のはなし」の心を抉るような佐藤真冬(CV:矢野奨吾)の切ないボーカルも、それまでの話の積み重ねがあってこそ。作品内のストーリーから得た感情をそのまま歌にぶつけることができるのも、声優としての強みである。

「恋愛サーキュレーション」/『化物語』

 声優の歌声の影響が強いキャラソンとして、『化物語』(UHF系/MBSほか)の千石撫子(CV:花澤香菜)の歌う「恋愛サーキュレーション」も取り上げるべきだろう。当時の一部のアニメ視聴者の間ではラップに対する拒否感があったのだが、花澤の可愛らしいウィスパーボイスとラップの組み合わせの衝撃によって、現在では数多くのキャラソンでラップが取り入れられている。この曲がラップの印象を塗り変えた1つの転換点であることは間違いない。最新作である〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン『撫物語』OPテーマ「caramel ribbon cursetard」でも、花澤の最新ラップを聴くことができる。

『caramel ribbon cursetard』「撫物語」ノンクレジットOP映像|『〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン』

 声優の妙技を堪能できるキャラクターソング。役と真摯に向き合うことで生まれる化学反応に今後とも注目してほしい。

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