s**t kingzが切り開いたダンスカルチャーの集大成 『s**t kingz Fes 2024』2日間総括レポート

『s**t kingz Fes 2024』2日間総括レポート

DAY2(7月28日)

Da-iCE

 この日も4人のももたろうは仲間を集めながら鬼ヶ島を目指していく。最初にステージに現れたのはDa-iCE。暗転したステージでボーカルの花村想太にピンスポットが当たると、shojiが振り付けした「CITRUS」をアカペラで歌い始める。続けて大野雄大。現在、絶賛ツアー中のDa-iCE。前日も北海道でライブを開催し、22時から工藤大輝がパーソナリティを務めるラジオ番組『TALK ABOUT』(TBSラジオ)の生放送に出演していたのにもかかわらず、歌唱力の高さをしっかり見せつけ、岩岡徹、工藤、和田颯もバチバチのダンスを披露していく。「お手を拝借!」という花村の言葉で始まったのは「Clap and Clap」。この日も工藤がMPCでビートを刻み、大野がコール&レスポンスを先導していく。観客の声も出たところで、和田はフリーズ技をしっかりとキメていった。ここで「今日はシッキンさんのフェスということで、振り付けをしてもらった曲をやっていこうかな!」と花村。さらに「こんなふうにテンション上げちゃうと脱水症状にもなりやすいので、水分補給はしてくださいね。お酒はやめてくださいよ!」という聞き馴染みのある言葉が聞こえてくると、Oguriが振り付けした「ハイボールブギ」へ。「シッキンさんとは我々10年以上のお付き合いをさせていただいています。もうファミリーと思っていいですか?」と思い出を語っていくメンバーたち。工藤曰く「いちばん早い062(s**t kingzのファンクラブ名)です、我々は」とのこと。続いて「インディーの頃から大切にしている曲」として、kazuki振り付けの「もう一度だけ」、NOPPO振り付けの「TOKI」というファン人気も高い懐かしい楽曲を披露していった。

Da-iCE&s**t kingz

 花村が「僕たちの中で曲が完成するのは振り付けが入った瞬間。シングルの時にいつも曲を完成させてくれるのはs**t kingzの皆さん」と語ると、「4人で振り付けしてくれた曲もありますよね?」と「FAKE ME FAKE ME OUT」をパフォーマンスすることに。そこにシッキンメンバーも呼び込み、特別バージョンとして9人でパフォーマンスをしていく。趣向を凝らしたフォーメーションを見せ、大盛り上がり。初めてのコラボ生パフォーマンスは大成功を収めていた。もちろんDa-iCEも鬼ヶ島を目指す仲間となり、シッキンはステージを去っていったのだが、ラストの曲は「スターマイン」である。お約束の“アレ”の時間だ。出だしの〈あぁ 一発じゃ足りないのかい〉の部分でボケを天丼していくのだが、この日はshojiとOguriが「ハイボールブギ」を歌いながら登場したり、kazukiとNOPPOが「CITRUS」を歌いながら登場したり、やりたい放題。そのままてんやわんやしながらパフォーマンスをして本人たちも会場も笑顔に包まれていった。Da-iCEの面々が自由に楽しんでいたのが微笑ましい。

QUICK STYLE&s**t kingz

 最初からお祭り騒ぎとなったステージに続いて登場したのは、QUICK STYLE。「Black Moon」でかっこいいダンスをパフォーマンスすると、「Dowain Narnia」へと続いていく。曲終わり、メンバーがピースサインを掲げると、自然と観客たちもピースサインを掲げ、一体感を出していった。クールな楽曲が続いたところで、藤井 風の「きらり」を投下。シッキンも登場し、一緒に踊っていく姿を見ていると「これぞダンサーたちのコミュニケーション」なのだと感じられる。そしてラストは「Kala Chashma」。途中、シッキンメンバーがひとりずつセンターに立って踊っていくパートがあったが、QUICK STYLEの振りをリスペクトして取り入れているシーンも。全員が笑顔で踊っているのを見ていると、こちらも楽しい気持ちになってきてしまう。

C&K

 そんなQUICK STYLEも仲間に加わったところで、1日目と同じくカズキのタネ、せが家、ガチャピン・ムックがパフォーマンス。その後、鍛冶屋で素敵な音を奏でるおじさん……もといお兄さんたちの映像が流れると、C&Kの登場だ。まずは「C&K Ⅸ」でブチかましていく。「かっこいい人揃いのなかで、変な2人組がやってまいりました!」とCLIEVYが語ると、「へべれけ宣言」へ。さらに「今日はパーティーだ!」と「パーティ☆キング」へ続き、カーニバルのごとく盛り上がりを見せていた。「(自分たちの出番は)トイレ休憩だと思って」と自虐を言うも、「今、トイレに行った人がひとりいました!」としっかり客席をチェックするCLIEVY。さすがのMCだ。さらにこの日CLIEVYの衣装は、赤く点灯するベストを身につけた現場作業服風。集まった現場の人たちにリスペクトを表したのだという。「衣装が歌の邪魔をすることがあるかもしれません。その時はそっと目を閉じて歌を聴いていただけたら嬉しいなと思います」という振りをして始まったのは、「みかんハート」。しっとり歌い上げているにもかかわらず、突如光出すCLIEVYの衣装。思わず笑いが巻き起こっていたが、CLIEVYとKEENの至極のハーモニーには歓声が鳴り止まない。

C&K&s**t kingz

 心に沁みる歌を披露しつつも、「名前を覚えて帰らなくても、同じ事務所の後輩にあいみょんがいるということで。あいみょんの先輩だと覚えてもらえたら!」としっかり笑いも取っていくトークスキルに、彼らのエンターテインメント性を感じざるを得なかった。続いて「愛を浴びて、僕がいる」でハッピーな空間が広がったところで、「愛を浴びて、これからも業界をざわつかせていこうじゃないか!」とシッキンとともに「FFP feat. C&K」をパフォーマンス。会場のテンションが上がったところでラストは「入浴」。客席を駆け巡り、盛り上げまくったC&Kもももたろうたちの仲間に加わることとなった。

ももたろうダンサーズ

 この日もダンスジェスチャーゲームを経て、パワーパフボーイズがパフォーマンス。続いてKing & Princeの髙橋とNOPPO、ももたろうダンサーズ、三浦大知が1日目に勝るとも劣らないパフォーマンスをしたところで、シッキンの出番がやってくる。

三浦大知&s**t kingz

 「MORECHAU feat. edhiii boi, Janet真夢叶(ぺろぺろきゃんでー), JIMMY(PSYCHIC FEVER)」、「TRASH TALK feat. Novel Core」と続き、「衝動DO feat. 在日ファンク」へ。この日の「衝動ズビズバゲーム」では、Da-iCE、QUICK STYLEが参加。ステージ上も客席も実に楽しそうであった。「Live like you're dancing feat. ZIN」を経ると、「最強の仲間はお客さんだったんじゃないかな、と!」とshoji。そんな観客に贈ったのは、この日もRIEHATAを迎えた「Turn Up The Love feat. RIEHATA」、「No End feat. 三浦大知」とこのフェスならではのコラボレーションを見せていく。

 ラストに「Oh s**t!! feat. SKY-HI」を全力でパフォーマンスし、「KID feat. LEO (ALI)」で大団円。8月4日放送の『情熱大陸』(MBS/TBS系)に出演することや、来年新作舞台公演『See』が上演されることを告知し、2日間のフェスに幕を下ろした。

 印象的だったのは、ダンスのショーケースのごとく、クールなダンスが飛び出す度に沸き立つ会場。まさに「ダンス好きのためのフェス」だったのではないだろうか。ダンス好きのひとりとして、来年、再来年、その先もこのフェスが続いていくことを願わずにはいられない。

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