VALORANT×XG、KISS OF LIFE/LOL×NewJeans……Riotが仕掛ける音楽展開 K-POPシーンとチームゲームの親和性
近年ではRiot Games以外にも、『PUBG MOBILE』とBLACKPINK(同作はNewJeansともコラボしている)、『オーバーウォッチ 2』とLE SSERAFIMなど、さまざまな作品でK-POPグループとのコラボレーションが行われているが、いずれもチームでの戦いをメインとしたタイトルであるということからも、まずはその構図こそが重要であるということがわかるだろう。ゲームに挑むeスポーツチーム(あるいはキャラクター)の姿と、音楽シーンに挑むグループの姿が見事に重なり合っているのだ。
さらに、音楽やパフォーマンス面においてもK-POPとRiot Gamesはとても相性が良いと言える。ここまで書いてきたように、同社のコラボレーションの主戦場は世界大会にあるわけだが、そこで求められるのは、ゲームの壮大な世界観を感じられること、eスポーツらしいテクノロジー的な印象を想起させること、そして何よりも、世界大会という大舞台を盛大に盛り上げることにある。こうした側面においても、丁寧に練り込まれたコンセプトを表現することがある意味では前提となっている現在のK-POPシーンや、最先端のダンスミュージックやヒップホップを積極的に取り入れたフレッシュでパワフルな音楽性、さまざまな演出を駆使してステージを盛り上げるライブパフォーマンスなど、どの角度においても期待に応えてくれる可能性を持っている。特にダンスミュージックからの影響については、過去にZeddが起用されていることからもわかるように、現代のゲーム音楽とK-POPの双方において、2000年代後半~2010年代前半のEDMムーブメントの影響が大きいことを踏まえると、その親和性が高いのも頷けるのではないだろうか。
最後に、地域性についても忘れてはならない。K-POPの発信地である韓国といえば『LoL』や『VALORANT』の最たる強豪国の一つとして知られる国であり、それを象徴するように、昨年は『LoL』の、今年は『VALORANT』の世界大会の開催地として選出されている。K/DAがデビューを果たした2018年の『LoL』の世界大会についても同様だ。その場所を代表する文化であるK-POPが大会を彩るというのは、極めて自然な流れであると言えるだろう。
このように、その音楽性や地域性、何よりその存在自体など、さまざまな側面において、K-POPグループとRiot Gamesの相性は極めて高く、K/DAの登場から6年を経て、その取り組みは今では音楽とゲームの双方における歴史の一部分となっている。K-POPもeスポーツも一過性のムーブメントとして終わることなく、今なお拡大を続けているように、一見するとまったく異なる二つの文化のクロスオーバーは、これからも続いていくのではないだろうか。
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