RADWIMPS、B’zらに影響を受けた王道J-ROCK カラノアが目指す、生活に溶け込む理想のバンド像

 2020年11月に結成し、渋谷や下北沢を中心に活動をスタートさせた4ピースバンド、カラノア。DNAに刻まれているほどRADWIMPSが好きだというボーカル&ギターの雄大が詞曲を手がける楽曲は、ロック、ポップ、ミクスチャー、ヒップホップ、オルタナ、シティポップ等、多彩なサウンドが宿っているが、一貫して強いメロディが宿っていてキャッチーだ。

 ひとつの事柄をさまざまな角度から掘り下げるが故に、膨大な言葉数を有する歌詞も特徴的。3rd EP『BOMB』はカラノア初のタイアップ曲として書き下ろされた『奇跡体験!アンビリバボー』(フジテレビ系)のエンディングテーマである性急で爽快なミクスチャー曲「ねむ」をはじめ、より多種多様な楽曲が詰まっている。雄大(Vo/Gt)、虹太(Gt/Cho)、樹(Ba)、かずき(Dr)にインタビューした。(小松香里)

RADWIMPS、B’z、ONE OK ROCK、BOØWY…カラノアのルーツ

カラノア

ーーカラノアの結成は2020年11月ですが、虹太さんがやっていたバンドがなくなるタイミングで雄大さんに声をかけたことが結成のきっかけなんですよね。

虹太:そうですね。当時の僕は大学内でバンドをやっていたんですが、国家資格の受験タイミングで他のメンバーがバンドを続けられなくなってしまい、新しいバンドメンバーを探し始めました。まずはボーカルだと思って、ボーカルはどこにいるんだろうと考えた時に、「弾き語りイベントに足を運んだら良いボーカルが見つかるかも」という考えがあって4~5つぐらいライブハウスの弾き語りイベントを周ったんです。それで六本木のCLUB EDGEで雄大の弾き語りを見て「声をかけたいな」と思いました。その後新宿のMotionのサーキットイベントに行って、演奏を終えた直後の雄大が向こうから来たのでいきなり「一緒にバンドやりませんか?」と声をかけたら「いいですよ」って言ってもらって今に至ります。

ーー雄大さんの声に惹かれるものがあったんですか?

虹太:そうですね。歌声にも惹かれたんですが、雄大が演奏していたオリジナル曲が弾き語りの範囲を超えているようなバンドで演奏する姿がはっきり見えてくるような楽曲だったので、一緒にバンドをやって大きいステージに立てるんじゃないかと思ったんです。だから勢いに任せて声をかけました。

雄大:僕は元々バンドをやりたかったので、声をかけてもらってラッキーって思ってすぐに「オッケー!」って返事をしました(笑)。

ーーその後、かずきさんとはネットの掲示板を通じて知り合ったそうですね。

虹太:はい。ネットの掲示板のバンドへの加入を希望するスペースにかずきの投稿があって、プロフィールに「自分にはドラムしかありません」っていうことが書かれていて強い決意を感じました。それで連絡を取って一緒にスタジオに入りました。曲のコピーをしてくれる時もすごく明瞭だったので、「曲をちゃんと聴いてくれてるんだな」って感動して。

かずき:僕の他にも何人かドラマー候補がいたので、オーディションのように審査されてる感覚がありましたね。だからすごくドキドキしたんですが、選ばれて良かったです。

ーー雄大さんの曲を聴いてどう思いましたか?

かずき:メジャー感を感じたので「もうこの曲売れてるんじゃないの?」っていう風に思いましたね。

雄大

ーー樹さんはサポートから正式メンバーになったんですよね。

虹太:そうですね。最初ドラムとベースは僕の大学の友達にサポートしてもらってたんですが、その二人が仕事を始めるタイミングで続けられなくなって、そこからリズム隊を探し始めたんです。かずきち(かずき)は割と序盤にジョインしてもらえたんですが、ベーシストがなかなか決まらなくて、樹に至るまでに4人ぐらいにサポートしてもらいました。樹の1個前のサポートベーシストが「めちゃくちゃいいベーシストがいるよ」っていうことで樹を紹介してくれて。それで一緒にスタジオに入ってもらったら本当に良いベーシストでサポートをやってもらうことになったんですが、そこから一年ぐらい「正式メンバーになってほしい」って口説き続けてました(笑)。

雄大:マジで口説いてましたね。

虹太:みんなで焼肉に行った帰りに「やっぱり入りますわ~」って言われて。お酒が入って少し気が大きくなってたのかもしれないです(笑)。

樹:カラノアのワンマンが迫っていたタイミングだったのと、そのワンマンが11月11日だったんですが、ベースの日なので「なんかちょうどいいな」って思って入ることにしました(笑)。

虹太:運命を感じたんだね(笑)。

樹:運命を感じたので入りました(笑)。

ーー一年間サポートをやる中でカラノアについてどう思っていたんですか?

樹:曲もいいですし、一緒にいて楽しいっていうのはありますね。

雄大:涙が出ちゃう(笑)。

ーー4人ともルーツは結構バラバラなんですよね。

虹太:そうですね。バラバラです。

雄大:僕は完全にRADIWMPSですね。最近はいろいろな音楽を聴くようになりましたが、バンドを始めた当時はRADしか聴いてないくらいのレベルでした。音楽を始めたきっかけは高橋優さんとかシンガーソングライターの方だったんですが。

ーーRADにハマったのはどうしてだったんでしょう?

雄大:めちゃくちゃ甘酸っぱい話なんですが、中学生の時に付き合っていた彼女と放課後一緒に帰っている時に好きな音楽の話になって、その子が「RAD好き」って言ってきて。それで聴いてみたらどハマりして以来ずっと聴いてます。

かずき:青春だね。

雄大:DNAに刻まれてるレベルでRADには影響されてると思います。

虹太:僕はB’zをきっかけにギターを始めて、中高はほぼB’z しか聴いてないし、ライブもB’zしか行ったことがなかったんです。松本さんモデルのギターも持ってますし、松本さんぽいハードロック感のあるフレーズを入れたいってよく言っています。

かずき:僕がドラムを始めたのは中1の時なんですが、ONE OK ROCKがすごく流行ってて、「完全感覚Dreamer」のMVを見て「このドラムすごいな」って思ったんです。それでドラムをめちゃくちゃ練習し始めて。その後、結構重い精神的な病気にかかっちゃって克服するのが大変だったんですが、ONE OK ROCKの曲を大音量で流しながらリハビリを頑張っていたらなんとか治りました。あと、マイケル・ジャクソンとか有名なアーティストのサポートをたくさんやっていたTOTOのジェフ・ポーカロにも憧れてます。

樹:自分は小学校の時に家の車で流れてたL'Arc〜en〜CielとBOØWYでバンドにハマって、高校の時はヴィジュアル系にハマってました。その後メタルにいって。今カラノアでやってるギターロック系を聴き始めたのはここ数年です。でもいろいろなジャンルが好きなので、カラノアでいろいろなことができるのが嬉しいですね。

雄大:樹さんはどんなアプローチでも弾いてくれるのでマジで気が合います。

かずき:職人だよね。

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