NEUN、CULUA、MEDA……RK Musicの新鋭Vシンガー徹底解説 三者三様の世界観と歌声の魅力
5月に開催されたRK Music史上初のオンラインライブフェス『VOICE SPARK』。そのライブで鮮烈なデビューを飾った3人のバーチャルシンガー NEUN、CULUA、MEDAを知っているだろうか。同時期のデビューとはいえ、それぞれが持つアーティスト性や世界観、ビジュアルは面白いくらいにバラバラではあるものの、シンガーとしてのポテンシャルの高さは共通してハイレベル。独自の世界観やアーティストとしての指標をオリジナル楽曲に込めており、それぞれが自分の魅力を最大限に発揮。そしてデビュー以来、精力的に歌配信を続けており、日々幅広い層のファンを獲得しながら、新人とは思えない勢いで人気を上げてきている。そんなNEUN、CULUA、MEDAの魅力をオリジナル楽曲を軸にどのようなシンガーなのかを紹介する。
NEUN
「音楽で人々の様々な感情を呼び起こし個性溢れる美しい世界を呼び覚ます」というコンセプトの通り、デビュー作「Engelslied」で圧倒的な世界観を披露したバーチャルシンガーのNEUN。見た目とは少し相反したダークな一面と、可憐さを詰め込んだNEUNの歌声が織りなす表現力は、まさに心を強く揺さぶるような物語を必然的に感じてしまう。イントロから一気に引き込まれるような優しい歌声が聴こえだすと、そのままゆったりとしたメロディに浸食されていく。そして、サビで一気に激しく、そしてメロディアスにNEUNの歌声と楽曲が変貌する。冒頭の優しい表情からサビで一気にギアを上げていく表現はまさに、物語がクライマックスへと向かう感覚に近い。特に、サビのメロディは圧巻で、一度聴いたら頭から離れなくなる中毒性を持っている。全体を通して、深い感情表現が繊細に組み込まれており、そんな感情の起伏が物語性に富んだストーリーテリングを生み出している。
「Engelslied」のコンポーザーを務めたヒゲドライバーとPowerlessのタッグが、音楽で壮大な世界観を演出しつつ、NEUNの持つシンガーとしてのポテンシャルを最大限に生かしているのも見どころだろう。NEUNの世界観を装飾している要素として、TeaserやMVを含む映像にも注目したい。MVの時点で、神秘的な世界観が完成されており、NEUNのビジュアルや歌声、楽曲の雰囲気とのシナジーは非常に高い。壮大な世界観を持つ映像美は、視聴する側の没入感を助長している。
そんな色濃い世界観を持つNEUNだが、普段は、歌枠を中心に雑談やゲーム配信など、多種多様な活動を見せている。特に配信の雰囲気や話しているトーンはかなり和やかで、ある意味NEUNにしか出せない世界観を楽曲のみならず、配信でも生み出している。ピアノやギターの弾き語りもこなすことができ、歌唱する楽曲のジャンルも幅広い。音楽だけに留まらず、イラストやゲームなど、マルチな才能を日々発揮しているNEUNの活躍に目が離せない。
CULUA
キュートさと儚さがある歌声で、聴く人の記憶に残るバーチャルシンガー、CULUA。『VOICE SPARK』で強烈なデビューを飾った彼女は、キャッチーで軽快なダンスナンバー「ベビ・デビ」でデビュー曲とは思えないほどのエンタメ性、そしてアーティストとしてのポテンシャルを発揮している。愛くるしいアニメMVと、ano「ちゅ、多様性。」やSEKAI NO OWARI「Habit」などの振り付けを担当したパワーパフボーイズが担当したダンスとの相性は抜群で、CULUAのキャラクター性を大事なデビュー曲でしっかりと印象付けている。そして、明るく元気いっぱいなパフォーマンスのすごさのみならず、要所要所でメリハリの効いたクールな歌声も魅力的。楽曲の中でしっかりと緩急をつけることで、キャッチーなサビのラインがさらに強烈に感じ取ることができ、聴く側のワクワク感も増していく。甘過ぎず、可憐でどこかクールな歌声は中毒性が高く、ダンスミュージックとの相性の良さは「ベビ・デビ」を聴くだけでわかってしまう。
そして中毒性という点においては、普段の活動にも注目しなくてはならない。アーティストとしてのハイポテンシャルさをオリジナル楽曲で見せてくれたCULUAだが、見た目と歌唱やトークとのギャップもCULUAにハマるポイントの1つ。黒を基調としたクールな見た目とは裏腹に、可憐な声と独特な喋り口が印象的で、一度聞いたら忘れられないようなインパクトを受けてしまう。そして、普段の歌配信を聴いてみると、ダンスミュージックに限らず、ポップスからバラードまで様々なジャンルの音楽を歌いこなすスキルを持っていることがわかる。「ベビ・デビ」リリース後は、「歌に合わせて踊ってみた」の動画もよく見かけるようになり、キャッチーな音楽とダンスの影響力が実感できる。これからは歌だけではなく、日常の配信活動でも間違いなく人気を集めていくアーティストになるだろう。