WANDS×『名探偵コナン』楽曲にハズレなし 「真っ赤なLip」から「大胆」に至る相思相愛の関係性

WANDS×『名探偵コナン』にハズレなし

 WANDSのニューシングル『大胆』が4月10日にリリースされた。「大胆」は、大ヒット公開中の劇場版最新作 劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』に先駆け、今年1月より全国公開されたTVシリーズ特別編集版『名探偵コナン vs. 怪盗キッド』のテーマソング。WANDSと『名探偵コナン』のコラボレーションは「真っ赤なLip」「YURA YURA」「RAISE INSIGHT」に続き、四度目となる。本稿ではこれまでのWANDSと『名探偵コナン』の歩みを振り返りたい。

 2019年からスタートしたWANDS第5期の活動。上原大史を3代目のボーカルに迎えて初めてリリースされたシングル「真っ赤なLip」が、『名探偵コナン』のオープニングテーマに抜擢された。ジャズの要素が散りばめられたブラスやフィンガースナップが印象的なサウンドはゴージャスでありつつ、楽曲に一貫して漂うどこかミステリアスなムードはミステリーを基調とする『名探偵コナン』の世界観と強くリンクする。

【公式】TVアニメ「名探偵コナン」オープニング映像「真っ赤なLip」/WANDS (2020)

 「真っ赤なLip」が使用されたオープニング映像では2000年の愛内里菜「恋はスリル、ショック、サスペンス」以来20年ぶりに江戸川コナンがダンスを披露。原作マンガの様々なコマから抜粋された名シーンをバックにコナンがクールに踊る様は本編では見ることのできない映像に仕上がっており、「真っ赤なLip」のダンサブルに跳ねるサビと映像の親和性も抜群。2021年に『名探偵コナン』の放送1000回を記念して開催された投票企画「The Best of OPED(オープンエンド)」では、倉木麻衣の「Secret of my heart」や小松未歩の「謎」といった『名探偵コナン』を象徴するような往年の主題歌を抑え、「真っ赤なLip」が1位に選出。初のコラボレーションながら「真っ赤なLip」は『名探偵コナン』フリークの心を強く掴んだ。

WANDS 「YURA YURA」 MV

 WANDSと『名探偵コナン』の2度目のコラボレーションは2021年の「YURA YURA」だ。「真っ赤なLip」同様にオープニングテーマとして起用された「YURA YURA」は、アダルティな「真っ赤なLip」とは一転し、ロックバンドのダイナミズムとしっとりと聴かせるバラードの要素が掛け合った爽やかなムードの1曲に。シリアスな展開の多い『名探偵コナン』における一服の清涼剤のようなサウンドと登場人物である工藤新一と毛利蘭の関係性を彷彿とする〈行き場のない絶望や涙に 気の利いたような台詞はいらない〉〈何も言わずに ずっといつでも 肩を寄せ合って〉というフレーズにキュンとしてしまうファンも多いだろう。オープニング映像はタイトルの「YURA YURA」に掛けて、蘭が自身の携帯につけている”ナマコ男”のストラップがフィーチャーされたものに。このストラップは新一が蘭にプレゼントした思い出の品として物語中でも描かれており、新一と蘭を繋ぐ絆の象徴でもある。新一と蘭の関係性を想起させる「YURA YURA」にぴったりのオープニング映像も相まって、WANDSと『名探偵コナン』の関係性をより強固にした1曲が「YURA YURA」だと言えるだろう。

TVアニメ『名探偵コナン』ノンクレジットOP×【WANDS 「RAISE INSIGHT」】(2023)│"DETECTIVE CONAN" Opening

 そして3度目のコラボは昨年の「RAISE INSIGHT」。引き続きオープニングテーマとなった「RAISE INSIGHT」では電子音がフィーチャーされたエレクトロ・ロックなスピード感のあるサウンドが印象的な1曲に。〈信じるべきモノ 見誤ってしまわぬように 導き出す力 RAISE INSIGHT〉というフレーズには、これまでの様々な事件を解決する過程で江戸川コナンが信念として抱き貫いてきた正義を想起させる。また〈どうやら何も無駄なんかじゃなかった 出会ったすべてが繋がっている〉というフレーズは、どんな些細な事象も見落とすことなくすべて事件解決への道標とするコナンの探偵としての矜持を感じると共に、多彩なサブキャラクターたちが思いもよらない形で繋がっていく『名探偵コナン』の作品世界も想起させる、一粒で二度美味しいフレーズだ。「RAISE INSIGHT」のオープニング映像は実写映像に様々なキャラクターを織り交ぜた『名探偵コナン』としては新しい映像に仕上がりつつ、コナンにとって最大の敵である黒ずくめの組織を大きくフューチャーしたクールな映像に。スピーディなサウンド感と映像も相まってスタイリッシュなコナンを味わえる1曲となった。

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