WANDS×『名探偵コナン』楽曲にハズレなし 「真っ赤なLip」から「大胆」に至る相思相愛の関係性

WANDS×『名探偵コナン』にハズレなし

 そして4度目のコラボレーションとなった「大胆」ではWANDSらしいロックサウンドを大きな軸としつつ、ストリングスとシンセサウンドを織り交ぜたサウンドと上原の低音の効いた歌唱にはクールさの中に秘めたる情熱を感じさせる。その様はまさしく『名探偵コナン vs. 怪盗キッド』におけるコナン、そして怪盗キッドのキャラクター像ともシンクロする。冷静沈着に事件解決へのピースを丁寧に紡いでいき、犯人を捕まえるという信念=情熱を貫くコナン。神出鬼没でキザな性格とは裏腹に、自身のとある重要な目的を叶えるために怪盗としての活動を続けるキッド。そんなふたりをサウンドで表現しているのが「大胆」なのだ。

WANDS「大胆」 MV

 歌詞においてはとりわけ〈月明かり照らす夜が この心騒つかせる〉というフレーズが印象深い。『名探偵コナン vs. 怪盗キッド』で描かれるコナンとキッドが初めて顔を合わせたエピソードを、このフレーズで想起したコナンフリークも多いだろう。また互いに対する熱い想いが垣間見える〈何度でも受けて立つさ たとえば命が尽きたとしても〉というフレーズに、宿命のライバルであるコナンとキッドの関係性を思い起こしたファンもいたはずだ。作詞をした上原は「この歌詞は、二世という視点もあって。キッドは天才の父親がいてっていう。この戦いは三世、四世にも続いていくかもしれない、というのは自分の妄想ですけど(笑)。戦いが受け継がれていくことも、勝手に想像しながら書いたので、聴いてくれた皆さんもいろいろ想像してくれたらうれしいです」と語っており、そういった原作における細かな歴史背景まで歌詞に取り込んでいるのが心憎い(※1)。

 ロックサウンドを大きな主軸としつつ、様々な音楽ジャンルを横断するWANDS。その音楽性の幅はシリアスなミステリーやラブロマンス、そして好敵手との関係性という『名探偵コナン』という作品が持つ様々な魅力と強い親和性を発揮している。「世界が終るまでは…」「錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう」といった90年代でWANDSが培ってきたアニメ作品とのコラボレーションが、時を越えて現在の『名探偵コナン』と調和していると言えるだろう。

※1:https://animageplus.jp/articles/detail/57863

■リリース情報
デジタルシングル「大胆」
TVシリーズ特別編集版『名探偵コナン vs. 怪盗キッド』テーマソング
ダウンロード&ストリーミング配信中:https://wands.lnk.to/daitan

■WANDS公式サイト
https://wands-official.jp/

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