あいみょん、ちゃんみな、IVE、女王蜂、STUTS & 長岡亮介、RIIZE……注目新作6作をレビュー

New Releases In Focus

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はあいみょん「会いに行くのに」、ちゃんみな「FORGIVE ME」、IVE「해야 (HEYA)」、女王蜂「首のない天使」、STUTS & 長岡亮介「いろどりのうた」、RIIZE「One Kiss」の6作品をピックアップした。(編集部)

あいみょん「会いに行くのに」

 爽やかなアコギのカッティング、春の風を想起させる流麗なストリングスではじまる「会いに行くのに」は、“記憶”をテーマにしたミディアムチューン。〈もっかい 君に触れたい〉という愛らしいフレーズが示す通り、大事な存在だった“君”はそばにいない。一緒にいた時の記憶を何度も思い返しながら、もう一度知り合えたら会いに行くのにと切ない感情を宿らせるーーというのはあくまでも筆者の解釈だが、この曲には聴く人それぞれの記憶を呼び覚まし、愛すべきノスタルジーと呼ぶべきムードをに包み込む作用が確かに感じられる。オーガニックな手触りの音像、そして、まるで独り言のように素朴な、低域・中域の豊かさを活かしたボーカルも心地よい。(森)

あいみょん – 「会いに行くのに (drama edit)」【very short movie】

ちゃんみな「FORGIVE ME」

ちゃんみな「FORGIVE ME」

 プロデュ—サーはANDERSON .PAAKなどの楽曲に参加しているTay Dexと、女性ラッパーNonameの作品にも携わっていたBubbs aka Gabe Steiner。さらにBTSのVをフィーチャーした楽曲「wherever u r (feat. V of BTS)」を発表したことでも知られるUMIがプロデュースに加わるなど、ちゃんみなの新曲「FORGIVE ME」には、現在のグローバルポップシーンの最先端を担うアーティストが顔を揃えている。浮遊感に溢れたシンセ、立体的に構築されたビート、ドラムンベースを取り入れた構成など、ハイパーポップ的なインパクトを残す楽曲だ。独創的なポップネスをたたえたトラックを完璧に捉え、快楽的なラップボーカルを響かせるちゃんみなのパフォーマンスもさらなる進化を果たしている。海外のマーケットを視野に捉えたエポックメイキングな楽曲だと思う。(森)

IVE「해야 (HEYA)」

IVE「해야 (HEYA)」

 現在ワールドツアー中で、ファイナル公演として初の東京ドーム2daysを予定しているIVE。2nd EP『IVE SWITCH』のリードトラック「해야 (HEYA)」は、官能的な匂いを振りまくHIPHOPナンバーだ。ドープでしなやかなビートが印象的な平歌では、狙いを定めた相手に近づく様子を描き、〈HEYA HEYA HEYA〉というキャッチーなフックをきっかけに欲望を露わにするこの曲は、IVEのセクシーな表現をしっかりと際立たせている。リリックはかなり際どいのだが、気持ちいい語感を活かしたフロウと抑制の効いたボーカル・ラップによって、誰もが楽しめる上質のポップソングにつなげるプロダクションも見事。幻想的にしてオリエンタルな世界観とメンバー個々の妖しい表情、美しネイルアートが堪能できるMVも必見だ。(森)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる