ロッド・スチュワート、15年ぶりの来日公演 サプライズ演出に満ちたハイライト続きの一夜
まだまだお楽しみはこれから、とばかりにぶつけられたのが『Tonight I'm Yours』(1981年)からのアップテンポナンバー「Young Turks」。それに応えるように続くトム・ウェイツの傑作「Downtown Train」では色っぽい女性コーラス陣と絡んで見せる。
本当に観客の誰もが好きな曲が盛り沢山なライブだが、頻繁に着替えも兼ねて奥に引っ込み、その間をコーラス&ダンサーが華やかに彩るあたり、ショーとしてよくできている。そんな流れで嬉しかった曲が『Atlantic Crossing』(1975年)の「I Don't Want to Talk About It」で、これは今もニール・ヤングと精力的に“暴走”を続けるCrazy Horseの名曲だ。そしてこの後にまたまたジャパンスペシャルが。『Foot Loose & Fancy Free』(1977年)の「You're in My Heart (The Final Acclaim)」がプレイされるのだが、ロッドが愛して止まないフットボールチーム、セルティックFCでポイントゲッターとなっている古橋亨梧のゴールシーンをスクリーンに映し、日本へのリスペクトを示す。
そんな熱いステージを締めくくるのは、今に至るロッドのイメージを決定づけた『Blondes Have More Fun』(1978年)の「Da Ya Think I'm Sexy?」。会場中のシンガロングが強力で、ロッドも気分が良さそう。ここで一度引っ込み、アンコールで披露したのは「Sailing」。やっぱりこれで締めくくれるのは感慨深く、シンガロングの満ちた会場はスマホライトで埋め尽くされていき、79歳のロックンローラーならではのライブを見せてくれたロッドへのすべての人の想いが極限に達した。
さらに! 今日はよほど気分が良かったのか、事前のセットリストには入っていなかったもう一曲、チャック・ベリーの「Sweet Little Rock 'N' Roller」がプレゼントされ、ステージはもちろん、会場中が幸福感に満ちたエンディングとなった。
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