『STATION IDOL LATCH!』寺島 惇太&阿座上 洋平&笠間 淳インタビュー 『エキメン総選挙 開票LIVE』への意気込み語る
JR山手線の各駅で働く駅員がアイドルとして活動する『STATION IDOL LATCH!(以下、LATCH)』。3月31日までメンバーが属性ごとに5つのブロックに分かれ、投票によって各ブロックから1名ずつが“山手線最強メンバー”に選抜される「エキメン総選挙」が昨年8月から継続して行われている。またそのフィナーレとして、4月27日には2年ぶりのライブイベント『エキメン総選挙 開票LIVE』が予定されており、注目が集まっている最中だ。
今回は4月に行われるライブを前に、声優の寺島 惇太(根岸 優歌/鶯谷駅)、阿座上 洋平(高良 摩利央/御徒町駅)、笠間 淳(飴屋 楊/上野駅)にそれぞれソロインタビュー。演じているキャラクターの魅力、「エキメン総選挙」に対する意気込み、4月に控えるライブに対する想いなどを語ってもらった。(草野英絵)
寺島 惇太(根岸 優歌/鶯谷駅)インタビュー
――まず、寺島さんが思う根岸 優歌さんの魅力を教えていただけますか?
寺島 惇太(以下、寺島):根岸くんは『LATCH』の中でも一番と言ってもいいくらいネガティブなキャラ。皆さんが前向きに活動されている中、根岸くんが表に出るときは一応足並みそろえて歌ってパフォーマンスしつつも、「なんで僕がこんなことしなきゃいけないんだ」とか「僕なんかがこんなことをやっても誰も喜ばないよ」といった発言をしているんです。ですが、内心、実はまんざらでもないのかな? と思うと微笑ましくて。思春期の素直になれない感じを引きずったまま大人になったような子なので、本心と建前のギャップが彼の魅力なのかなと思います。
僕自身も声優になる前は、目立つことが嫌いで、人前で歌ったりお芝居をしたりするなんてことは恥ずかしすぎて「罰ゲームでもやりたくない!」と言ってたんですけど、心のどこかにみんなの前に立って思い切り表現ができたら楽しいんじゃないのかな、っていう気持ちもあって。やりたいけど自信がなくて怖いから、みんなの前だと「興味ないし」みたいなフリをしちゃうのは、僕自身も通ってきたところなので、僕の未熟だった頃というか、自分でも思い返して恥ずかしくなっちゃうようなときの気持ちを、そのまま根岸くんに乗せています。だから、ある意味自分の恥ずかしい心の部分を根岸くんに代弁してもらっているような感じですね(笑)。
――ご自身の経験がキャラクターに生かされているんですね。実際に鶯谷駅に行かれたことはありますか?
寺島:何度かあります。街をお散歩する番組をやっているんですが、根岸くん役が決まった後に、せっかくだから鶯谷駅周辺を散歩してみよう! という企画でも行きました。スーパー銭湯と町の銭湯の中間くらいの温泉的な施設があって、平日の夜に行ったんですけど、サウナ室は順番待ちしないと入れないくらいにぎわっていて、活気づいているなと思いましたね。
――「エキメン総選挙」がスタートしてしばらく経ちますが、初めてこの企画をやると聞いたとき、どう思われましたか?
寺島:ついに仲間内で順位をつけるのか、という(笑)。根岸くん的には参加したくないだろうなあ、エントリーすらしたくないだろうな、と。自信がないから人と比べられるっていうのが一番嫌いな子なので、根岸くんにとっては酷な企画だなと思いつつ、でもこの機会に自分の歌が評価されてスポットが当たるのは、もう一段階彼自身の成長につながるのかな、とも思いましたね。親のような目線で「根岸くんがんばって!」って感じで見ています。
――今回の展開の一つとして、ブロックごとの楽曲がリリースされました。寺島さんが参加されたスマートブロックの「Disabuse」はユニット曲とも違う雰囲気ですし、『LATCH』の中でも珍しい楽曲のように感じたのですが。
寺島:まさに、僕自身もあまり歌ってきたことのないジャンルの曲で、すごくおしゃれでダンスが合いそうな感じで。a/mazeだとバラード曲が多かったので、バラードじゃない根岸くんの歌い方はどういう感じなのか、自分の中で作り上げて歌っていきました。
――実際に歌ってみてどうでしたか?
寺島:リズムがやっぱり難しくて。僕はJ-POP育ちで、取りやすいリズムで、メロディもわかりやすくて、みたいなところを通ってきたんです。でも今回はK-POPに近いような一音一音に歌詞と歌をはめていく曲で、サウンドの変化も激しかったし、リズムがすごく大事で、歌もリズムに合わせてキレを良くしないとハマりが良くないという難しさがありました。
――歌の難しさがある上でキャラクターとしての個性を入れるのは大変でしたか?
寺島:僕は根岸くんを演じる上では「歌になると急にノリノリになる」っていうのを意識しているんです。難しい曲をかっこよく歌えたら根岸くん本人も気持ちいいと思いますし、「俺の歌を聴け!」くらいの感じで結構ノリノリで歌うんじゃないかなと思ったので、僕もノリノリで歌いました。
――完成した曲を聴いてどう思われました?
寺島:みなさん、やっぱり歌がうまいですよね。根岸くんは“歌唱力オバケ”なんですけど、「みんなうまいやん!」と思って(笑)。でもうまい人たちが集まったテクニカルな曲だったので、ドライブの時とかに流してもノれるようないい曲だなと思いましたね。
――ユニット曲の時と、歌い方を変えた部分はありますか?
寺島:大人っぽさは意識しました。今までの歌詞はキャラクター性に基づいていて、根岸くんの成長とかが落としこまれていたので、彼の人間味のある部分と感情を乗せて歌っていたんですが、今回に関しては曲がかっこいいから、テクニカルな部分をすごく意識しました。
――これまで楽曲を歌ってきて、変化した部分、進化した部分はありますか?
寺島:最初の楽曲「世界一憂鬱な王子」は、時系列的にも根岸くんがまだ開花しておらず成長途中で、重厚なバラードだったので、自身の葛藤や内側のモヤモヤしたジレンマを歌声に乗せたのですが、次の曲「Mystery of Destiny」はドラマパートでも吹っ切れて成長した後だったので、僕の中では一曲目より歌声や表現は前向きで明るめのトーンの声を意識しました。その辺りにも注目して聴いていただければ嬉しいです。
――4月には約2年ぶりのライブイベントが行われますね。
寺島:まず「もう2年経っているんだ!」っていうことにびっくりしたんですけど、この2年間で曲も増えていますし、何より以前はなかった全員曲「Going My LATCH!」があって。みんなで一緒に、しかも生で歌うと、音源で聴く以上に音圧などが加わって華やかになるんじゃないかなと、僕自身楽しみです。
――2年前のライブでは、a/mazeのパフォーマンスは世界観があって客席が引き込まれるように感じました。実際にキャラクターを背負ったライブでどういうことを意識して歌われているのかが気になったのですが。
寺島:僕は結構緊張しいなのですが、多分根岸くんも緊張するタイプだと思うので、そういう意味では根岸くんとの距離が生まれずにステージに立てているのかなと思います。ステージ慣れしていて緊張なんて1mmもせず伸び伸びとやる、みたいなキャラだと、自分が緊張してたら違うなって思うんですけど、『LATCH』では「今から本番かあ、ドキドキするな」みたいな気持ちをそのまま持ってステージに出ることで、より根岸くん感をステージでも表現できるかな、と思ってますね。
――ライブで楽しみにしていることなどはありますか?
寺島:やっぱりみなさんの生歌やパフォーマンスがすごく楽しみです。『LATCH』ってユニットごとに楽曲の方向性が全然違うし、なかにはキレキレでバチバチに踊るユニットもあって、前回も観ていて楽しかったので、またパフォーマンスを観られるのが楽しみですね。
――今後『LATCH』でやってみたいことはありますか?
寺島:僕も生活の中で普通に電車に乗っていたりするんですけど、移動手段とはいえ、行った駅でキャラクターに会えたりグッズが売っていたりとか、移動にプラスして楽しみが生まれるところに『LATCH』が関わっていたら通勤とかも楽しいと思うんです。鶯谷駅でイベントとかができたらいいですね。例えば僕が行ったサウナとかお店に行ったら“根岸くんステッカー”がもらえるとか、そういうことがあったらその駅や街に行く理由にもなるし、楽しいですよね。
――たしかに、街全体で『LATCH』と関わっていけたら楽しそうですね。では最後に、パッセンジャー(=ファン)のみなさんや記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。
寺島:『LATCH』は、とにかく楽曲のレベルがすごく高いと当初から思っていて。(歌う側は)難しいんですけど(笑)、歌うことに前向きな皆さんが揃っていますし、二次元コンテンツという枠を飛び出して、クオリティが高い楽曲揃いです。サブスクで配信もされていますから、お気に入りの曲でプレイリストが作れるので、まずは曲をたくさん聴いていただきたいです。曲を聴いて興味を持ったユニットがあれば、ドラマパートもポッドキャストやYouTubeで聴くことができます。ドラマを聴くと、意外に熱く気持ちをぶつけ合ったりとかしているんですが、それも『LATCH』の魅力だと思うんです。曲から入った方は、ぜひドラマパートも聴いていただけたらいいなと思います。
――曲を聴いてドラマを聴いて興味を持ったらライブも……。
寺島:はい! ライブはもう絶対来てください(笑)!