INI、2ndアルバム『MATCH UP』で堂々首位 サウンドの自由さが大きな武器に
CD Chart Focus
参照:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2024-02-26/
2月26日付(2月20日発表)のオリコン週間アルバムランキングによると、INIの『MATCH UP』が推定売上枚数247,975枚で1位を記録。その後、THE RAMPAGEの『16SOUL』が60,744枚で2位、同『16PRAY』が47,438枚で3位と続いた。
今回取り上げるのは堂々の首位を獲得した『MATCH UP』。INIの通算2作目のアルバムとなる本作は、昨年リリースした「DROP」や「TAG」といったシングル曲を含む計12曲を収録。ダンスボーカルグループとして高いパフォーマンススキルを見せる彼らのバラエティ豊かな音楽性も感じ取れる一枚となっている。前半に固められている新録の6曲を中心に掘り下げたい。
まずは冒頭を飾る「LEGIT」。この曲をアルバムの1曲目に持ってくるあたりにINIの気概が見て取れる。メンバーの西洸人が作詞を手掛けたことで、どことなく歌唱にも気持ちが乗っているようだ。重低音の響く心地よいビート感に自然と体が揺らされるが、サウンドはオールドスクールなヒップホップから、ひずんだギターまでも登場し、終始目まぐるしい展開を見せる。とりわけ瞬間的にメロウなR&Bサウンドが飛び出す〈My world にはルールなんか無いんだ〉のパートは、その前後とのギャップも含めて、このチームが持つ自由さがわかりやすく表れていると言える。リリックの〈他に染められない/ありのままの自分でいいさ〉というメッセージが、まさに楽曲のスタイルからも感じられる一曲だ。
2曲目の「MORE」は、リスナーに向かって自身の未来を力強く宣言するような楽曲。サウンドは激しさを増し、タイトルの“MORE”というワードを何度も繰り返すことで、彼らの前向きな姿勢が強く感じ取れる。〈誰より光ってみせるから〉といったフレーズのように、このグループの貪欲さが全面的に表れた曲と言えるだろう。また、君にとって僕は着こなしたTシャツのように相性抜群だと歌う「T-Shirt」や、自分自身を靴に喩えて自身を愛することの大切さを歌う「Dirty Shoes Swag」など、ファッションを絡めた楽曲を続ける遊び心も面白い。