連載『lit!』第85回:SixTONES、BE:FIRST、JO1……2023年、ボーイズグループは“共存”の道へ

 2023年も数多のグループが楽曲をリリースし、新たなグループも参入した群雄割拠のボーイズグループシーン。これまでは見られなかった事務所の垣根を越えたパフォーマンスも多く見られ、“戦国時代”というよりはそれぞれの個性や長所を認め合い共存するような方向へと移り変わっているように思える。本稿では昨年リリースされた楽曲の中から厳選した以下の5曲を振り返りたい。

SixTONES「こっから」

SixTONES – こっから [YouTube ver.]

 SixTONES・森本慎太郎が南海キャンディーズ・山里亮太、King & Prince・髙橋海人がオードリー・若林正恭を演じたことで大きな話題となった、ドラマ『だが、情熱はある』(日本テレビ)の主題歌である「こっから」。メンバー6人のマイクリレーによるラップナンバーとなっており、〈これだけじゃやれねぇってわかってる でもこれしかねぇからこれにかかってる〉というようなドラマの内容に合わせた歌詞でありながら、SixTONES自身がこれまでひたむきに音楽と向き合ってきた誠実さやこれからを夢見る姿も感じられる一曲。“人”を“people”と読み、6人のメンバーカラーを取り入れたりと、遊び心のある歌詞にも注目。

BE:FIRST「Boom Boom Back」

 2023年もボーイズグループシーンを語るにはBE:FIRSTの存在は欠かせないだろう。2年連続2度目の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)出場を果たし、今年3月から4月には初の単独ドーム公演も開催。リリースした曲が軒並みヒットを打ち出す中でも、この曲はサビの振り付けが大きな流行となり、「#BBBChallenge」をつけたTikTokの投稿数は6000を超えている(1月19日現在)。〈この世界≒Play ground, Do what u like〉〈常識なんて 興味が無いね〉などといった自信溢れる彼ららしい歌詞も魅力である。単独公演のみならず、様々な音楽フェスや他のボーイズグループと対バン形式のイベントに出演するBE:FIRSTだが、この楽曲はストリート感溢れる中毒的なイントロが流れた瞬間に観客の熱量を上げ、会場中を釘付けにしている。

BE:FIRST / Boom Boom Back -Music Video-

JO1「NEWSmile」

JO1 | 'NEWSmile' - 2023 JO1 'BEYOND THE DARK:RISE in KYOCERA DOME OSAKA' (第74回 NHK紅白歌合戦 披露曲)

 昨年グループとして初めての単独ドーム公演『2023 JO1 2ND ARENA LIVE TOUR 'BEYOND THE DARK:RISE in KYOCERA DOME OSAKA'』を成功させ、大きな進化と躍進を遂げたJO1。2023年は「Trigger」が『第65回輝く!日本レコード大賞』の優秀作品賞を初受賞するなど彼らの堅実な努力が華やかに実を結んだ一年でもあっただろう。「NEWSmile」は4月から『めざまし8』(フジテレビ系)のテーマソングとして起用され、時に慌ただしく時に憂鬱な全国のお茶の間の朝に寄り添った爽やかな一曲。昨年に引き続き2年連続2回目の出場となった『第74回紅白歌合戦』(NHK総合)ではこの曲を披露し、たくさんのアーティストと交流しながら頭に残るメロディとキャッチーな振り付けで白組トップバッターを堂々と務め上げた。

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