Mrs. GREEN APPLE、岡村和義、imase、NMIXX、Eve、岩田剛典……注目新譜6作をレビュー
New Releases In Focus
毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はMrs. GREEN APPLE「ナハトムジーク」、岡村和義「I miss your fire」、imase「ミッドナイトガール」、NMIXX「DASH」、Eve「pray」、岩田剛典「Just You and Me」の6作品をピックアップした。(編集部)
Mrs. GREEN APPLE「ナハトムジーク」
アルバム『ANTENNA』の大ヒット、「ケセラセラ」の「第65回 輝く!日本レコード大賞」の大賞受賞など、結成10周年を迎えた2023年を通して凄まじい躍進を遂げたMrs. GREEN APPLEから2024年最初の楽曲「ナハトムジーク」が到着した。映画『サイレントラブ』の主題歌として制作されたこの曲は、普遍的なメッセージを響かせるバラードナンバー。シンセサイザー、ストリングス、打ち込みのトラックなどを交えたハイブリッドな音像、儚い雰囲気ではじまり、徐々にスケール感を増していく旋律、そして、繊細に揺れる感情と前向きなメッセージが一つになったボーカルがバランスよく共存したこの曲は、Mrs. GREEN APPLEの新たな進化を明確に示している。曲の最後に置かれた〈不器用な 愛しいボンクラ 等しい僕ら。〉に象徴される、すべての人を肯定してくれる歌詞も心に残る。(森)
岡村和義「I miss your fire」
昨年末に始動が発表された、岡村靖幸と斉藤和義による新ユニット「岡村和義」。5カ月連続配信リリースが決定しているシングル第一弾である。アクの強い二人のソロアーティストゆえ、どんな曲が来るのかまったく想像できなかったが、届いたのはルーズに転がるミドルテンポのロックンロール。昨年の新譜が見事だったThe Rolling Stonesへ、同世代の二人が改めて愛と敬意を込めたイメージだろうか。歌詞のテーマは会いたくても会えない恋心。順番に入れ替わり歌いあげる言葉のチョイスと節回しに、それぞれの「らしさ」が炸裂している。この二人、無理に溶け合うこともなく、水と油のまま共存できるのだなと嬉しい笑いが込み上げた。続きがすぐに聴きたくなる。(石井)
imase「ミッドナイトガール」
90年代のR&Bを想起させるノスタルジックなトラックのなかで描かれるのは、“君”との愛らしい思い出と切ない別れ。「NIGHT DANCER」が日本、韓国を中心にヒットしたことをきっかけにZ世代アーティストを代表する存在となったimaseの新曲「ミッドナイトガール」は、現在のグローバルポップの潮流を捉えながら、日本のマーケットにも確実にフィットするミディアムチューン。耳に心地いいサウンドメイク、ゆったり体を揺らしたくなるグルーヴ、思わず口ずさみたくなるメロディなど、2024年のポップミュージックに求められる要素がナチュラルに混ざり合っている。imaseの代名詞とも言えるファルセットだけではなく、むしろ中音域、低音域の歌声が映えているのもこの曲のポイントだろう。(森)