7ORDERはさらなる高みへと向かう 2024年元旦ライブで踏み出した新章への一歩
2019年5月22日に7ORDER projectが発足してから重ねてきた活動を【第1章】と位置づけ、それが一区切りを迎えるライブとなる旨が発表されていた『7ORDER LIVE [ONE,] - DUAL Endroll』。ファイナル公演は当日に起こった地震の影響で会場内の機材の確認が必要となり、交通機関の混乱も予想されたため、開演を1時間半遅らせる形で開催された。彼らのパフォーマンスの2大要素である“ダンス”と“バンド”の集大成を様々な形で示し、新たな可能性も模索していた1月1日・東京国際フォーラムホールAの模様をレポートする。
スタートを告げるムービーが流れた後、紗幕の表面に浮かび上がったメンバーたちのシルエット。印象的なベースのフレーズが流れて始まったのは「Who I Am」。他の楽器も合流して構築されたバンドアンサンブル、響き渡った歌声の壮大さに早速ワクワクさせられる。
最初のサビに差し掛かったところで紗幕は切って落とされ、赤い衣装に身を包んだ安井謙太郎(Vo/Gt)、真田佑馬(Gt/Vo)、諸星翔希(Sax/Vo)、萩谷慧悟(Dr/ Vo)、阿部顕嵐(Vo/ Gt)、長妻怜央(Key/Vo)を眩しいライトが照らした。胸がいっぱいになった観客が一斉に掲げたペンライトの色の数は、イエローも含む7色。前回のツアーの後、森田美勇人(Ba/Vo)が脱退し、7人編成から6人編成になるという大きな変化を経たのは確かだが、メンバーと観客の心が交わされる空間の尊さは何も変わっていない。そんな事実をまざまざと感じるオープニングだった。
「Power」「LIFE」「SUMMER様様」も披露されてから迎えた最初の小休止。「僕に笑顔を見せてください。目がいいから上の方も見えますよ」と阿部が呼びかけてスタートした「F」は、諸星の伸びやかなサックスも交えながら爽やかに躍動した。6人のダンスパフォーマンス、バンド演奏、スペシャルゲストのRYO(Beat Buddy Boi/CONDENSE/D.D.B)がMPCのパッドを叩いて放ったビートと阿部のラップのバトル、RYOとgash! (Beat Buddy Boi/CONDENSE/D.D.B)が加わった8人編成のダンスがドラマチックに連鎖していった「&Y」は、本当に見どころが満載だった。ライブを観る度に思うことだが、7ORDERの全てを完璧に味わい尽くすためには、いくつもの目と耳が必要なのかもしれない。
ライブの序盤はバンド演奏を主軸とした曲が中心だったが、「Heavy」以降は、キレの良い6人のダンスを全面に押し出したパフォーマンスがしばらく続いた。全員の身体の動きが多彩なフォーメーションを描きながら融け合った「カシス」「Make it true」「MONSTER」に魅了されて、無我夢中になって身体を揺らしていた観客。6人の熱いエネルギーが渦巻くステージから片時も目を離すことができなかった。そして長妻のピアノと歌から始まった「Rest of my life」は、ステージに置かれたソファや椅子にメンバーが座りながら歌い、舞台の一場面のような空間を作り上げていた。安井、真田、諸星、萩谷、阿部の歌声が次々合流して響かせたハーモニー。途中から萩谷のドラム、諸星のサックスの演奏が始まり、穏やかなサウンドが一際心地よく迫って来た。
「年越しどうだった?」というようなことをリラックスしながら6人が語り合ったMCタイムを経て突入したライブの後半は、懐かしい曲を交えていた。温かなサウンドで会場を包んだ「Sabãoflower」。「みんなの声があって出来上がる曲なんですよ」という安井の言葉に応えた大合唱が起こり、観客が掲げたタオルが元気よく回転した「BOW!!」。アグレッシブなバンドサウンドが轟いた「Break it」。そして「Get Gold」は、猛烈にワクワクさせてくれた。バンド演奏→全員がステージの前方でダンス→諸星のサックスソロが先陣を切り、再びバンド演奏に戻る……という怒涛の展開は、何の前知識もないまま7ORDERのライブを初めて観た人を必ず仰天させるが、彼らのことをよく知っている我々にとっても常にスリリングだ。“ダンス”と“バンド”を融合させながら進化させた7ORDER projectの【第1章】の象徴的な曲と言っても過言ではないと思う。
「2019年の5月22日から7人で始めた7ORDERはここで一旦幕を閉じます。美勇人がやめるとなって、僕たちも“ああ……まじか?”となりました。でも、僕たちだけで作ってきたものじゃないから。ファンのみんなと一緒に振り返ろうと決めて[ONE,]というプロジェクト、そして『DUAL Endroll』というタイトルを決めて走りだしました。このライブは今までを全部抱き締めるようなものにしたいなと思って、ツアーの中で“ペンライトを持たない”とか“制御”とかいろいろやって、どれも好きな景色なんだけど。でもやっぱり7色の会場でやりたいなと思いました。僕たちを照らしてくれて本当にありがとう。僕たちと出会ってくれてありがとう」……メンバーを代表して想いを語った安井。出会うことができた7ORDERをこれからも応援したいと心から思わせてくれる言葉だった。そして本編ラストに届けられたのは「agitate」。繰り返されるフレーズ〈「僕ら、独りじゃない」〉をステージ上の6人はもちろん、観客も強く噛み締めているのを感じた。