THE ALFEE、前人未到の100回目の武道館ライブ達成の偉業 結成50周年イヤーも新たな歴史を刻むか
活動休止することもなく2023年は結成50周年に突入、1983年発売の『メリーアン』から今年発売の『鋼の騎士Q / Never Say Die』までの「オリコン週間シングルランキング」連続57作トップ10入りの記録を持ち、前人未到の領域を突き進んでいる桜井賢(Vo/Ba)、坂崎幸之助(Vo/Gt/Per)、高見沢俊彦(Vo/Gt)によるロックバンド、THE ALFEE。そんな偉業を持つ彼らだが、その活動の主軸は間違いなく“ライブ”にある。
コンサート総本数は現在2889本(2023年12月29日大阪城ホール公演まで)、2023年12月23日開催の『THE ALFEE 2023 Winter Genesis of New World Final 風の時代・冬』では国内外のバンド史上初の100回の武道館公演を達成。翌日の12月24日には101回目の公演を終え、この記録がこれからも続くことを断言して2日間のライブは熱狂のうちに幕を閉じた。そんなTHE ALFEEをライブバンドとして決定づけたのは、やはり日本武道館という地であると言っても過言ではない。
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THE ALFEE初の日本武道館公演は、1983年8月24日の『OVER DRIVE 1983 ALFEE BUDOKAN -FOR THE BRAND-NEW DECADE-』。のちのブレイクのきっかけとなる楽曲「メリーアン」は、シングルとしてすでに発売されていたもののまだヒットには至っておらず、その状態で日本武道館公演を行ったというのは当時にしては異例のケースだった。「メリーアン」を含むまだ発売前だったアルバム『ALFEE’S LAW』の収録楽曲も7曲演奏されたが、客席はオープニングから異様な熱気に包まれていたと聞く。
100回目の日本武道館ライブを行った12月23日に、公演数100回目の感想を高見沢に尋ねられた坂崎は、「1回目の武道館はみんなの“圧”で目を開けているけど何も見えなかった」とコメントしている。前年1982年に所沢航空記念公園で開催した初めての野外ライブで得たメンバーの自信、「このバンドについていく」と決めた観客の確信、それらが作り出した熱気にあふれた初の武道館公演は、バンドとファンの結びつきを揺るぎないものにしたと言えるだろう。その後、1987年からは公演の時期を12月に移し、日本武道館改修時などを除いて、2023年まで日本武道館公演を続けてきたTHE ALFEE。日本武道館とは、活動が続く限り途切れない不可分な関係にあるのだ。
THE ALFEEは毎年春と秋のホールツアー、夏のイベント、そして冬のアリーナツアーを開催。そのチケットは年々入手困難になり、ベテランファンが足を運び続けているのはもちろん、若い世代の参加も増えている事実がある。生活の変化で「ライブに行く」と言う発想すらできなくなった時期、一時ライブから離れていたファンが近年THE ALFEEのライブに続々と戻ってきている。出演したテレビ番組、YouTubeやCM、さまざまな場面で3人を目にしたことをきっかけにライブに舞い戻ったファンは、かつて自分の観ていた頃とまったく変わらないTHE ALFEEのステージを目の当たりにし、あっという間にその頃の気持ちに戻ってしまう。一方ではDVDパンフレット内の「ALFEE KITCHEN」や配信番組『Come on! ALFEE!!』など、多様化したメディアのどこかからTHE ALFEEを知りファンになる人も多い。どんな入口でもいい、知ってくれて気に入ってくれれば、誰でもウェルカム。そんな彼らの受け入れ体制があるからこそ、ますますライブに来る人は増え続ける。来春のツアー『THE ALFEE 50th Anniversary 風の時代・春 From The Beginning』は2024年4月からスタート、新年からチケット予約が開始となるが、チケット争奪戦は必至だろう。
音楽フェスティバルが次々開催され、コロナ禍以前に戻ったように賑わっている音楽の興行。しかし反面、ステージの原材料費や人件費の上昇により、ライブにおけるチケット価格の改定が余儀なくされている。THE ALFEEも2023年秋ツアーより、約11年ぶりにチケット代の値上げという苦渋の決断をした。しかしTHE ALFEEのライブチケット代はその内容を考えればまだまだ安いくらいだと私は思う。