Chevon、音楽シーンを蹂躙する“大行侵”の始まり 熱狂が観客を飲み込んだ最新ツアー東京公演

Chevon、対バンツアーを観て

 12月9日、東京・duo MUSIC EXCHANGEにて、Chevonが自身初の対バンツアー『大行侵』の東京公演を開催した。

Chevon
Chevon

 Chevonは、2021年に結成された札幌発の3ピースバンド。すでに多くの注目を集めている新鋭バンドで、この日の公演を含め、ツアーは3カ所すべてソールドアウトとなった。関係者席も含め、ぎっちりと人で埋め尽くされた会場は、ブレイク寸前の彼らが一体どんなライブを見せてくれるのか? という期待に満ちた熱っぽい空気でいっぱいだった。

 最初に登場したのは、大阪発の同じく新鋭バンドであるブランデー戦記。どこかノスタルジックなサウンドと繊細な心の動きを綴った歌詞で観客の心を揺さぶり、「(Chevonと)一緒に東京を侵略したい」と意気込んだ。

谷絹茉優
谷絹茉優

 あたたまった会場へ、満を持してChevonが登場。待ちわびた観客からの歓声があちこちから飛び交う。ライブの幕開けは、「ノックブーツ」。心地よく軽快なリズムに、官能的なワードを乗せて歌う谷絹茉優(Vo)。鮮やかなハイトーンから心地よい低音まで自在に声を操り、力強い歌で迫力を感じさせたかと思えば、少女のように可憐に歌って見せたりと、一人の人間とは思えない多彩な表現で観客を惹きつける。

 そのまま、中毒性のあるメロディと厭世的な歌詞が印象的な「プノペタリラ」でChevonの世界観に引き込むと、「ですとらくしょん‼」でついに熱狂の渦へ。オオノタツヤ(Ba)の軽やかなベースソロから始まり、Ktjm(Gt)の鮮烈なギターソロでは大歓声が沸き起こる。谷絹はひしめき合うフロアへ挑発的な視線を送り、さらに観客を煽っていた。

 ここで、ツアータイトルでもある「大行侵」を披露。谷絹は、社会に対する皮肉や憤りを込めた言葉を吐きながら、地鳴りのような轟音に合わせて大きく足を踏み鳴らす。邪魔なものはすべて破壊せんばかりの勇ましいその姿は、観客にカタルシスを感じさせる。曲の盛り上がりのピークでは、谷絹のハイトーンに続いて観客が力強く咆哮し、ステージとフロアに完璧なグルーヴが生まれていた。

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