竹内唯人と$HOR1 WINBOYを「Good Bye」へと導いた“失恋体験” 「MIRAI」とも共通する姿勢

竹内唯人×$HOR1 WINBOY対談

 竹内唯人と$HOR1 WINBOYが2年ぶりにコラボ曲「Good Bye」をリリースした。

Good Bye - 竹内唯人 & $HOR1 WINBOY

 2人は2021年に「MIRAI(feat. $HOR1 WINBOY)」で初コラボし、TikTokなどで若者を中心に話題を集めた。同曲は久々の再会を果たした2人が、“失恋”をテーマに制作した楽曲。別れの辛さを実感しながらも前進する、前作「MIRAI」とも通じるメッセージが込められている。

 本インタビューでは、2人の出会いからお互いに惹かれ合った理由、「MIRAI」から「Good Bye」への制作へと繋がるバックストーリーを語ってもらった。(編集部)

突然の電話から意気投合した運命的な出会い

竹内唯人×$HOR1 WINBOY
竹内唯人×$HOR1 WINBOY

ーーまずはお二人の出会いを教えてください。

竹内唯人(以下、竹内):前々から$HOR1のことを知っていて、ある日俺からDMを送ったのがきっかけで、遊ぶことになったのが最初の出会いです。

ーーどんなきっかけで、$HOR1さんのことを知ったんですか?

竹内:TikTokで知りました。俺がアーティスト活動を始めて間もない頃、$HOR1の曲がバズっていたんですよ。それで「すげえ!」と思って。俺自身は全然バズってなかったので、自分がやっていないジャンルで彼が成功していたのが大きかったです。それと俺は元々バラードを中心に歌っていて、今いろんな曲調を歌うようになったのは$HOR1の影響が大きいですね。

ーーそれでDMを送ることになると。竹内さんから連絡が来て、$HOR1さんはどう思われました?

$HOR1 WINBOY(以下、$HOR1):俺も唯人の存在は知っていたんですよ。でも「なんで連絡くれたんやろう?」とは思いました。DMでいつも楽曲を聴いてくれていることを伝えてくれて、「機会があったら遊ぼうね」みたいなやり取りをして、そのままLINEを交換したんですよ。そしたら交換したその日に、電話をかけてきて。「なんや、こいつ? ウソやろ!?」とさすがにビックリして。

竹内:(笑)。

$HOR1:電話の第一声が「ウェース!」みたいな感じだったから、俺も「エーイ!」と返して。そこで波長が合うと思ったんですよ。やっぱりシャイな子だと会いづらいし、最初に探り合いみたいになるけど、電話した時点で「もう探り合いとかいらんわ」とわかったんで、すぐに仲良くなっちゃいました。2日後には直接会ってたよな。

ーーそれはいつ頃の話?

$HOR1:3年前ぐらいですね

ーー2人がコラボした「MIRAI (feat. $HOR1 WINBOY)」をリリースしたのが2021年なので、出会ってから曲を作るまでが早かったんですね。

竹内:爆速でしたね! 初めて会った時から「一緒に曲をやろうよ」と言ってましたから。出会いから曲を作ってリリースするまで、本当にとんとん拍子でしたね。トラックってどうやって作ったんだっけ?

$HOR1:自分は用事が会って行けなかったんですけど、唯人とプロデューサーがスタジオに入ってトラックを作ってくれて「こんな感じのビートになったんだけど、どう思う?」「めっちゃいいやん!」って。そのまますぐに曲を完成させたくなって、家に宅録環境とか何も揃っていなかったけど、携帯のボイスメモでほぼほぼ曲を作って……という感じで形になりました。

竹内唯人×$HOR1 WINBOY

ーー曲のテーマは決まっていたんですか?

竹内:“青春”をテーマにしていた気がするんだけど。

$HOR1:うわ、確かにそうやわ! “青春”とか“出会い”をテーマにしてた。

竹内:俺らの出会ったこともそのまま書こう、みたいな。

$HOR1:うんうん。「今の感じを曲にしてみよう」と言って書いた気がする。

竹内:「MIRAI」はそうやって作ったので、逆にリリースする手順の方で時間がかかりましたね。

$HOR1:出会ってから曲が完成するまでに、1カ月もかかっていないよな。

ーー過去にも同じようなことってありました?

竹内:なかったですね。

$HOR1:思い返してもないですね。

ーーじゃあ、導かれるように曲を作ったというか。

竹内:そうですね。何だったんだろう、あの感じは。

$HOR1:まだ1、2回しか遊んでいないのに、その時間が濃すぎて。その時の心境を「MIRAI」で歌いました。

竹内唯人 "MIRAI feat. $HOR1 WINBOY" (Official Video)

ーー「MIRAI」の楽曲制作や一緒に歌ってみて感じた、お互いの魅力ってなんでしょう?

竹内:俺が見てきたアーティストの中でも、$HOR1はライブの魅せ方がダントツにうまいです。ライブって自分の好きなアーティストの知ってる曲だから、楽しいわけで。仮に$HOR1のことを知らない状態でライブを観ても、俺はファンになっていたと思うんですよ。というか、それが一番大事だと思うんです。いろんなアーティストが出演するイベントやフェスに行くと、目当てのアーティストが出るまで退屈じゃないですか。そうならないどころか、対バン相手のお客さんも自分のことを好きにさせるパフォーマンスをします。それだけライブがヤバいです。

$HOR1:俺から見た唯人の魅力は、歌声の綺麗さですね。歌がうまい人はいっぱいいるけど、一発目の発声で竹内唯人って分かるし、とにかく声が好きです。最近気付いたんですけど、俺は声が好きな人じゃないとその音楽をあまり聴かないんですよ。その点、唯人の声はめっちゃ好き。どの曲に関しても、切なさを感じるような声なんです。

竹内:それは嬉しいな。

$HOR1:歌詞が聴き取りやすいというか、一つひとつのワードがめっちゃ入ってくる歌い方なんですよね。「ごめん」というフレーズがあったら、ほんまにそう思ってるやろうな、みたいな。歌に感情がこもっているから、歌詞が自分の中に入ってきて心に響くんですよ。

ーーそんなお二人で初めて共作した「MIRAI」は、TikTok人気楽曲ランキング4位にランクインして、その後もSNSを中心に話題を集めました。この結果をどう受け止めていますか?

竹内:本音を言うと「もっといけよ!」と思いましたね。

$HOR1:ほんまにそう。これは裏話なんですけど、最初はバズらなかったんですよ。俺ら的にはめちゃくちゃいい曲やし、「こんなの伸びなおかしいやろ」と思っていて。にもかかわらず、思うように話題にならなくて2人とも「え? なんで?」みたいな。半分冗談、半分本気で「100万回再生はまだ?」ってね。

竹内:「あと98万回も足りないじゃん」と言ってたよね。

$HOR1:リリースから1週間ぐらい経っても、6000回再生とかやったよな? 「めっちゃいい曲なのになんでやろう?」と考えた結果、自分たちで動くしかないと思い、ダンス動画を作って。そこからバーっと広がったな。

竹内:あのダンスも5分ぐらいで考えたよね。

$HOR1:唯人の家で楽しく踊っていたら振り付けが思い浮かんできて、それがバズったんですよね。そもそも狙っていたターゲット層がパーティー男子とか……今の言葉で言うと“やりらふぃー系”にウケるような感じで作っていて。

竹内:そしたら、見事その層の人にバッチリハマって。

$HOR1:あそこら辺の層ってSNSの拡散力が高いので、そこの人たちにバッチリハマってからの伸びは早かったです。

竹内:今のTikTokだったらもっと伸びていたよね。俺らがリリースした時は、TikTokが今ほど広まっていなかったから。

$HOR1:そうやな。当時はあのタイミングが最善だったけど、今出していたらどうなってたんやろっていうのも、気になりますね。

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