ロッカトレンチ山森、アジカン伊地知らによるName the Night、初ライブで奏でるグッドミュージック

Name the Night初ライブレポ

 MCではメンバー紹介を行い、伊地知が『麦ノ秋音楽祭』内のコンテンツで料理教室を開催していたことから「(このステージは)料理教室のついでじゃないよね?」(MIYA)、「いや、こっちが本業!」(伊地知)と会話して観客の笑いを誘う一幕も。改めて、この日からバンドが本格始動することを宣言し、翌日に1stシングルの配信リリースとMVが公開されることを発表した。

 ライブは、その1stシングル曲である「COASTLINE」の披露へ。静かな夜に似合うチルアウトミュージックが多いName the Nightだが、「COASTLINE」は歌詞にある〈134号線〉を駆け抜けていくような、疾走感のあるナンバーだ。MIYAの重厚感のあるベース、伊地知の力強いドラムが先導し、フロアを揺らしていく。

 続く「Strange World」は、キャッチーなメロディラインが印象的なポップで浮遊感のある楽曲で、その多彩さに驚いてしまう。この「Strange World」はおそらく、これからライブで育っていくのではないかと思う。後半には大勢でシンガロングできそうなフレーズが含まれていて、今後さらに盛り上がる様子が想像できた。

 「僕の自宅にはベッドルームを改装したスタジオがあって、今日やった曲たちは全部そこで作った曲です。今日初めてスタジオを出て、音で繋がれて、素晴らしい日だと思っています」と初ライブの喜びを口にした山森。「今はまだ小さな船だけど、いろんな景色を描きに行けると思っているので、よかったら旅の仲間になってくれたら嬉しいです!」と語り、ラストの「This Night」の披露へ。ギターとベースのユニゾンから始まり、間奏では畠山が奏でるトロンボーンの柔らかな音色が華を添える。「全ての夜に名前をつけていく」というバンドコンセプトの通り、Name the Nightの楽曲は“夜”をテーマにしている。それはただ夜に楽しむ曲という意味ではなく、1日の疲れや明日への不安を抱えるタイミングで、私たちにそっと寄り添ってくれるような優しさが含まれているように思う。夜を彩るName the Nightのグッドミュージックは、私たちの日々をそっと照らしてくれることだろう。

 ライブ内では、2024年1月26日に横浜THUMBS UPでKeishi Tanakaとのツーマンライブ『THUMBS UP presents “FULL MOON SESSION”』を行うことも発表された。初ライブを果たし、本格始動したName the Night。彼らのこれからの活動が楽しみだ。

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