『プロセカ』Leo/needが音楽を通して届ける青春の煌めき リスナーを捉えてやまない“あの頃の青臭さ”

 2023年9月30日、サービス開始から3周年を迎えたスマートフォン向けゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』(以下:『プロセカ』)。オリジナルキャラクターたちの進級が発表されるなど、新たなストーリーへの期待が高まる中、ユニット・Leo/need(以下:レオニ)が7th Single『Flyway/相生』を2023年11月22日にリリース。同作は、3周年を迎える直前のキーストーリーに紐づく楽曲である。

 レオニは、5ユニットのうち、友達とのすれ違いなど高校生らしい等身大の悩みや困難を経験するユニットであることから、多くのユーザーが当時の自身の境遇をメンバーたちに重ね合わせやすい。登場人物は、離れ離れになっていた幼馴染の星乃一歌、天馬咲希、望月穂波、日野森志歩の4人。高校生になった4人は、病弱で療養していた咲希の復学をきっかけに、絆の力でバンドを再結成する。様々な困難や挫折を乗り越えながら、念願のプロデビューを果たすのだ。

Flyway / Leo/need × 鏡音レン

 「Flyway」(作詞・作曲:halyosy)は、穂波が主役となるイベントストーリー「Little Bravers!」への書き下ろし曲。イベントストーリーでは、レコード会社のディレクターから「売れるためには若さという武器も使ったほうがいい」とアドバイスを受けた穂波が、自分の信念を貫いて、4人が心から納得できる演奏でお客さんの心を震わせたいと応える姿が描かれた。

 プロという理想から遠ざかる不安と願いの間で揺れ動く気持ちが集約された冒頭の〈叶わなくて良いから 願わせて〉という歌詞に心が震えたユーザーは多いだろう。温かみを増幅させるのは、三線の音色を模したシンセのどこかノスタルジックなメロディ。〈違う色に沈む事を許さない〉などの歌詞は、世間の常識や価値観に従うことが正しいとされることを歌っており、バンドを再結成する前の、周りの顔色を窺ってばかりいた穂波を彷彿とさせる。そんな臆病だった少女が、バンドを支える強い存在へと成長したことが、華やかなストリングスと壮大な歌詞の世界観で、より一層力強く表現されているのが印象的だ。

相生 / Leo/need × MEIKO

 一方、「相生」(作詞・作曲:やいり)は、普段は天真爛漫な咲希が主役となるイベントストーリー「Get over it.」のために書き下ろされた。イベントストーリーでは、初のワンマンライブを終えた4人がレコード会社と契約を交わす場面が描かれている。そこで仲間より自分の音楽を届けることを優先したボーカルが原因で解散してしまった別のバンドの話を聞いた咲希。どんなことがあってもレオニはずっと一緒だと誓った気持ちが、〈明日 宇宙人 攻めてきて この星全てを 乗っ取っても 絶対に守るから 心配しないで〉という宇宙人による地球侵略という壮大なシチュエーションと、絶対に守るという強い決意のメッセージで、見事に表現されている。ソリッドなロックサウンドを持ち味とするボカロP・やいりによる祝福感に満ちたバンドサウンドに、咲希の3人を大切に想う気持ちが乗って伝わってくる1曲。〈謡えない日の夜に さよなら〉と〈此れからも宜しくね〉という歌詞には、過去の自分たちを受け止めた上で、新しい世界へと飛び出す希望の声が光り輝いているように感じられる。

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