Ken Yokoyamaが次世代に残す言葉 来たるアルバムに向けたシングルリリースを総括

Ken Yokoyama、シングルリリースを総括

今、人の手を借りることがすごく大事な気がする

一一この一連のシングルから次のアルバムを想像すると、健さんの今、生身の話がすごく多くなるのかなと思えますけど。

横山:どうだろうなぁ……。まず曲はどれも長い時間かけて一曲ずつ作っていったものだけど。ただ、シングルの歌詞は去年の暮れから今年のアタマにかけて書いたものが多くて。その時期は精神的に、今回歌われてるようなことを強く思ってたんだろうなって自分でも思う。で、アルバムの曲はもうちょっと後だから。その時のモードでまた別のことを歌ってる気がするかな。

一一結果的にそういう思想がまとまって出てきたなら、このシングルシリーズに意味はあったわけですよね。

横山:あ、今初めて気がついた(笑)。シングルシリーズ、前回の「My One Wish」の時は「こうやって出目を増やすしかないんだ、今は音楽の聴かれ方もこうなってるし」みたいな、かなり重たい温度で話をしたけれども。

一一はい。ロックンロールが世の中に刺さらない、じゃあどうやってコアファン以外に訴求するか、そういう思考から始まったシングルである、と。

横山:うん。僕らは、特に僕自身は自分のことをアルバムアーティストだと思ってるし、10曲とか12曲がないと、その時に感じてるいろんなものを歌詞や曲調で全部出すのはなかなか難しい。だから、対処療法的にシングル作るなんてのは、正直そんな面白いことじゃなくて。ただほんと、こうやって話せる機会が増えてよかったなぁっていうくらい。

一一プロモーションの機会が重要ってことですか。

横山:簡単に言うとそういうことですね。経費を抑えることって、ミニマムなところに陥りがちじゃないですか。結局宣伝するのは自分たちしかいなくなって。ちょっと前なら「SNSがあるからできる」って声もあったけど、今はいろんな人がやりすぎて、アップした声もパーッと流れていっちゃう。つまり今、人の手を借りることがすごく大事な気がしていて。クサい言葉に響くかもしれないけど、人の手、自分が持ってない力、人との関わりっていうこと。自分たちの作品にどんな人たちが関わってくれるのか、やっぱ見落とせないとこだよなと感じたり。だから、今思ってることを総括しちゃうと、一通り自分たちで考えて行動して形を作ってみて、いろんな人たちと話をして、ライブでやる曲も増えていって。結果、バンドに跳ね返ってくることはすごく多かった。

一一よかったです。こうやって健さんが閉じない姿勢を見せてくれるのは、単純に励みになりますね。

横山:やっぱこの年になっても、なんとか前線にとどまりたい思いがあって。僕らみたいな音楽、こういったスタイルのロックンロールがもう必要とされていないっていうのは重々承知なんだけど。でも自分の過去に胡座はかきたくないし、いつでも最新の自分たちの音楽を見てもらいたい欲求はおさまらなくて。その欲求がなかったら、たぶんこんなことしてないと思う。

一一わかりました。あと、このリリースの前には初となるLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)でのライブもあります。ホールでのライブも慣れてきましたか?

横山:うん、俺はね、めちゃめちゃ楽しい。やっぱり声が出せることは大きくて。暴れることはできなくても、歓声で表現してくれる。あとは話しかけてもくれるし一一これはウチのお客さんの特性かもしれないけど(笑)。でもそうやってコミュニケーションが取れるのは、コロナ禍で、やらざるを得なくてやってたあのライブとは全然違う。楽しいですよ、ホールツアーも。

一一じっくり話せるからですか?

横山:じっくり話すのはライブハウスも一緒なんだけど、でもお客さんが疲れていかない(笑)。やっぱライブハウスでずっとやってると、最後のほうはもう……ほんとボクシングで言うと11R、12R、よく体動くな、みたいな、そういった状況で演奏してるから。それこそ話してることも通じてるのかなって思うし。それはそれで楽しいんだけども。

Jun:ホールでじっくり聴いてくれるのがわかるぶん……なんて言うんだろうな、反対にカオスのライブハウスだと、暴れには来てるだろうけど、じっくり聴いてないでしょっていうようなこともあって(笑)。

一一野音のライブとF.A.D.のライブを比べると、確かにそうです(笑)。

Jun:ねぇ? 別もんじゃないですか、だって。

横山:その二つを、ほんとにしれーっと並行してできるようになったのは、コロナ禍でチャレンジしてみてよかったこと。今回のシングルシリーズにしてもホールツアーにしても、今まで必要ないと思ってた、僕らにしてみたらちょっと外れた棘の道を歩いてみる作業で。まぁそれなりに大変だったけど、きっとこの先にいいものをもたらしてくれるんじゃないかっていう実感がある。

Jun:そうね。もしコロナってものがなかったら、今までどおりの活動をずっとやってて、変な話、マンネリになってたかもしれない。意外とKen Bandにとってはいい変化をもたらしてくれたんだなって思う、コロナが。

【11/29発売】Ken Yokoyama New Single「These Magic Words」Teaser

■Ken Yokoyama New Single『These Magic Words』特設サイト https://www.pizzaofdeath.com/ken6thsg/

■ツアー情報
『Ken Yokoyama 「These Magic Words Tour」』
12月9日(土)滋賀 U STONE
12月10日(日)岐阜 Club Roots
12月12日(火)浜松 窓枠
12月13日(水)清水 SOUND SHOWER ark
12月22日(金)横浜 Bay Hall

SATANIC ENT.会員先行
受付期間:10月17日(火)19:00~10月22日(日)23:59
受付URL
https://satanic.jp/

Ken Yokoyama オフィシャルHP先行
受付期間:10月30日(月)19:00~11月5日(日)23:59
受付URL https://kenyokoyama.com/

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