GLIM SPANKY『The Goldmine』インタビュー 自らのクリエイティビティ＝“金脈”と向き合った傑作に
「なくてはならないもの」――再びゼロの気持ちで向き合うライブ空間
――「Odd Dancer」も、これまでありそうでなかった曲ですよね。
松尾：この曲はNHKさんから、技研（NHK放送技術研究所）が開催した『技研公開2023』の体験展示「イマーシブメディアが描くコンテンツの未来」に楽曲を提供してほしいという話をいただいて。最初に言われたのが、「大自然をテーマにしたサイケな映像を作りたい」ということだったんですよ。それを聞いて「サイケ？ やる！」って即答しました（笑）。ただし、ちゃんとロックンロールをフォーマットにしつつ、サイケデリックな要素もあって、ライブでも楽しめる楽曲にしようと思いましたね。
亀本：松尾さんってほら、“サイケ警察”じゃないですか。
松尾：なにそれ！ そんなんじゃないよ！（笑）。
亀本：いやいや“ロック警察”であり“サイケ警察”でしょ（笑）。実際、僕が出した最初のデモは「これはサイケじゃない！」とダメ出しを食らったし。そこから「何をもってサイケとするか？」をしばらく考えました。この曲のベーシックな部分は、シンプルかつダンサブルなロックンロールなんです。今回はデジタルのCG映像になるわけだから、ある意味エンターテインメント的な仕上がりにする必要も絶対あると思ったので、「サイケ要素をどう入れるか」が肝でした。
――「サイケ要素」とは？
亀本：たとえばカラフルなアートワークとか、バカみたいに派手なファッションとか（笑）。サウンドもエフェクティブで、わかりやすく何かが起きているギミック――逆回転サウンドがあったり、コーラスがあったり、12弦ギターのキラキラしたフレーズが入っていたりするのは面白いかなと。
松尾：そうやって、最初にテーマとして「サイケ」があったことが刺激になって曲が生まれたし、映像にインスパイアされながら歌詞も書けたので、すごくクリエイティブなコラボレーションになったなと思っています。
――そして、今回は「不幸アレ」「Innocent Eyes」など、思わずシンガロングしたくなるコーラスが多い印象です。
亀本：ライブでの声出しも解禁になったし、おっしゃったように意図的にシンガロングパートを入れましたね。
――もうすぐツアーも始まりますしね。ところで、コロナ以降のライブ事情をおふたりはどう見ていますか？
亀本：最近、ライブにおける自分たちのポジションの変化をひしひしと感じています。やっぱり邦ロックのフェスとかも世代交代が進んでいて、今までの流れを汲んだ若いギターバンドも当然いるけど、それ以上にコロナ禍以降にネット発の新しいタイプのバンドやアーティストがめちゃめちゃ増えてきて。ベテランで残っているのは、そのシーンに深い繋がりのある方々が中心になってきている気がします。もともと僕らはそういうシーンに片足だけ突っ込んでいるようなスタンスでもあったので、少し遠めに眺めている感じでもありつつ、逆に最近はJ-POPのビッグネームと対バンすることがすごく多くなってきて。
松尾：そうそう。先日のライブでは、倖田來未さんやHYさん、南こうせつさんと対バンだったし。
亀本：かと思えば、きゃりーちゃん（きゃりーぱみゅぱみゅ）や、yamaさんと対バンしたこともあったしね。国民的ヒットを持っているアーティストはやっぱり強い。エンタメ力のレベルが今までの次元じゃないんですよ（笑）。これからは、倖田來未さんやHYさんたちと並んで、来ているお客さんを楽しませなければならない。歌も演奏も求められている水準がものすごく高いので、よりシビアにライブやパフォーマンスに取り組めているなと思います。このあいだ、LOVE PSYCHEDELICOにゲストで出てもらった時も同じことを考えました。自分たちのことを知らないお客さん、ましてやロックとか洋楽とか全然聴かなそうなお客さんがいても、ある程度は盛り上がってもらえる。フェスだからというノリもあるっちゃあるけど、そういう場所での僕らのパフォーマンスもよくなってきているなという手応えを感じています。
松尾：夏にコロナに罹患してしまい、しばらく休んでいたからこそライブは自分にとって「なくてはならないもの」だとあらためて実感したので、今はまたゼロの気持ちで楽しんでいます。これから『The Goldmine Tour 2024』が控えているので、歌を鍛え直していかなきゃ、って。
※1：https://twitter.com/remimatsuo/status/1706345903525920852
■リリース情報
GLIM SPANKY『The Goldmine』
発売中
配信URL：https://glimspanky.lnk.to/the_goldminePR
初回限定盤（CD+DVD）
品番：TYCT-69288／価格：5,280円（税込）
通常盤（CD）
品番：TYCT-60219／価格：3,080円（税込）
＜収録内容＞
CD（※初回限定盤、通常盤共通）
1. The Goldmine
2. Glitter Illusion
3. 光の車輪
4. ラストシ－ン（※Paravi『恋のLast Vacation 南の楽園プーケットで、働く君に恋をする。』主題歌）
5. 真昼の幽霊（Interlude）
6. Summer Letter
7. Odd Dancer（※NHK放送技術研究所『技研公開2023』体験展示起用曲）
8. 愛の元へ
9. 不幸アレ（※BS-TBS『サワコ～それは、果てなき復讐』主題歌）
10. Innocent Eyes
Bonus track
11. 怒りをくれよ (jon-YAKITORY Remix)
DVD（※初回限定盤のみ）
『Into The Time Hole Tour 2022』@昭和女子大学 人見記念講堂（2022.12.21）
・シグナルはいらない
・ドレスを切り裂いて
・褒めろよ
・HEY MY GIRL FRIEND!!
・It’s A Sunny Day
・美しい棘
・Breaking Down Blues
・時代のヒーロー
・Looking For The Magic
・Velvet Theater
・レイトショーへと
・怒りをくれよ
・ワイルド・サイドを行け
・愚か者たち
・不幸アレ
・NEXT ONE
・Sugar/Plum/Fairy
・形ないもの
・EN ウイスキーが、お好きでしょ
・EN By Myself Again
・EN 大人になったら
・EN Gypsy
■ツアー情報
『The Goldmine Tour 2024』
2023年11月30日（木）東京・恵比寿LIQUIDROOM “The Goldmine Release Party”
2024年1月20日（土）神奈川・横浜ベイホール
2024年1月27日（土）高知・X-pt.
2024年1月28日（日）愛媛・松山サロンキティ
2024年1月30日（火）香川・高松DIME
2024年2月01日（木）滋賀・滋賀U☆STONE
2024年2月03日（土）鹿児島・CAPARVO HALL
2024年2月04日（日）熊本・熊本B.9 V1
2024年2月06日（火）静岡・浜松窓枠
2024年2月09日（金）千葉・柏PALOOZA
2024年2月10日（土）福島・郡山HIPSHOT JAPAN
2024年2月15日（木）鳥取・米子AZTiC laughs
2024年2月17日（土）岡山・YEBISU YA PRO
2024年2月18日（日）広島・広島CLUB QUATTRO
2024年2月20日（火）京都・磔磔
2024年2月24日（土）新潟・NIIGATA LOTS
2024年2月25日（日）石川・金沢EIGHT HALL
2024年3月01日（金）北海道・札幌PENNY LANE24
2024年3月03日（日）宮城・仙台Rensa
2024年3月08日（金）福岡・DRUM LOGOS
2024年3月10日（日）愛知・名古屋市公会堂 大ホール
2024年3月20日（水・祝）大阪・NHK大阪ホール
2024年3月24日（日）東京・日比谷野外大音楽堂
2024年3月30日（土）長野・長野市芸術館 メインホール
＜チケット料金＞
2023年11月30日（木）恵比寿LIQUIDROOM～2024年3月8日（金）福岡DRUM LOGOS
オールスタンディング 5,000円（整理番号あり／別途ドリンク代必要）
2024年3月10日（日）名古屋市公会堂～2024年3月30日（土）長野市芸術館
全席指定 5,500円
GLIM SPANKY オフィシャルサイト：https://www.glimspanky.com/
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