INI、初の『Mステ』で「TAG」を披露した理由は? これまで積み重ねた実力を示す放送に

 11月10日に放送された『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)2時間スペシャルにINIが初出演した。多数のオリジナル曲の中から披露されたのはデビューシングル『A』より「Rocketeer」、そして10月11日にリリースされた5TH SINGLE『TAG ME』より「TAG」だ。さらにカバーステージとして池﨑理人、尾崎匠海、髙塚大夢、藤牧京介の4人がGReeeeNの「キセキ」の歌唱を披露するという贅沢な内容となった。

INI|'TAG' Choreography Video

 最新シングル『TAG ME』のタイトル曲は「HANA_花」だが、初出演の機会に彼らが用意したのは「TAG」。ゆったりとしたメロディラインと朗らかで落ち着いた曲調の「HANA_花」に比べ、「TAG」は不穏な雰囲気すら感じられる攻撃的なダンスナンバーだ。番組初登場の今回「HANA_花」ではなくあえて「TAG」を披露したことで、お茶の間にINIの実力を強くアピールできたように感じる。

 池﨑と西洸人の低音が妖しげに響くラップで始まるこの曲。サビに向けて細かな歌割りのボーカルも盛り上がりに拍車をかける。引き金を引く音に合わせてピストルを向けるような振り付けや曲中に何度も登場する〈#〉という歌詞のパートで二本指を十字に重ねてハッシュタグを表すなど、音や歌詞を直接振り付けに落とし込んだダンスも細かく注目したいポイント。人数の多さを生かし次々と移り変わるフォーメーションの中で、2番ではフロアを使った振り付けも取り入れたハードな一曲だ。

 YouTubeで公開されているパフォーマンス動画を見ると分かりやすいが、1番のサビでは、結成当時から圧倒的なダンスの実力者としてグループを引っ張りパフォーマンスの質を担保してきた木村柾哉が満を持してセンターに立つが、2番ではメインボーカルとして安定した歌声を響かせながら着実にダンススキルも磨いてきた藤牧がセンターへと躍り出る。こうして11人全員がセンターに立てるポテンシャルを持つところも彼らのパフォーマンスの見どころだ。

 2番が終わると間奏を挟むことなくラスサビへ勢いを増すラップパートへ移るが、ここで佐野雄大が今までに聴いたことのないような低音のラップで魅せるのも驚くべきポイントだ。聴く者を安心させるような優しい歌声を持つイメージのあった彼だが、今回の新たな挑戦でINIの楽曲にさらなる彩りを加え、自分自身の可能性もグッと高めている。

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