shallm、新曲「境界戦」で迎えた“覚醒” 19歳のボーカル・liaが語るバンドの今とこれから
liaがメインボーカルを務めるバンドプロジェクト・shallmが、2ndデジタルシングル「境界戦」をリリースした。9月のメジャーデビューから怒涛の勢いでドロップされたこの曲は、デビューシングル「センチメンタル☆ラッキーガール」とは異なったサウンドアプローチで、疾走感のあるロックチューンに仕上がっている。
新曲「境界戦」で歌われるのは、互いが違うことを受け入れ、違うことを個性として受け入れるということ。liaが内に秘めていたその願いを言葉にし、高音のメロディに乗せ、叫びにも近い歌でメッセージを伝える。メジャー作品としては2曲目だが、バンド・shallmとして、そしてボーカル・liaとして、早くも覚醒の一手だと思わされる新たな姿を見せてくれた。
「境界戦」を通して挑んだ音楽的なトライアルを経て、自身もひとつ殻を破ったようなクリアな表情で、この曲を手にして向かうさらなる新曲への手応え、12月に開催される初のワンマンライブ『shallm 1st Live – liliana –』、今後見据えるビジョンについて、liaは一つひとつ丁寧に語ってくれた。(編集部)
メジャーデビュー、初ライブ、イベント出演を経て生まれた気持ちの変化
――liaさんをメインボーカルとするバンドプロジェクト・shallmは、今年9月18日に配信シングル「センチメンタル☆ラッキーガール」でメジャーデビューを果たしました。さまざまな反響が届いているのではないでしょうか?
lia:はい。YouTubeの公式チャンネルにたくさんコメントをいただけるようになって、「こんなにも聴いてくださっている方がたくさんいるんだ!」と気づけたことがすごく嬉しいですね。コメントを書くのって、勇気がいることでもあるじゃないですか。にもかかわらず、「すごくいい曲です」「何回も聴いちゃいます」というコメントをたくさんいただけているので本当にありがたいなと思いますね。
――「センチメンタル☆ラッキーガール」は、MBSドラマ『女子高生、僧になる』のオープニング主題歌だったので、より幅広いリスナーに響いたところがあったのかもしれないですね。
lia:「ドラマを観てYouTubeにたどり着きました!」っていうコメントもありましたからね。タイアップがあったからこそ生まれた出会いというのは本当にありがたいことだし、素敵だなって思います。私は普段、登場人物を勝手に思い描きながら曲を作ることが多いので、ドラマのストーリーに寄り添いながら曲を作るのは、すごくやりやすかったんです。楽しいなって思いました。
――メジャーデビューを経て、気持ち的に何か変化したところはありましたか?
lia:これまでは「音楽が好き」という気持ちだけで前に進んできたところもあったのですが、聴いてくださる方が増えたぶん、「もっとしっかりしなきゃ」と思うようになりました。プロとしての責任感が生まれたような気がします。
――音楽への触れ方にも変化は現れています?
lia:今まで以上にいろいろな曲を聴くようになりました。出会った人に「いい曲ありませんか?」と聞いて、リサーチしたりとかして(笑)。私はその時期によって好みの傾向が変わるんですけど、最近はちょっと尖ったメッセージを持った曲に惹かれることが多くて。そういう曲を聴きながら、胸が痛くなったり、苦しくなったりする感覚を味わっています。
――あははは。音楽のジャンルには、あまりこだわらない感じなんですか?
lia:そうですね。ジャンルに縛られることなく、本当にいろんな曲を聴いています。和訳するのが楽しいので、洋楽もすごく好きですし。
――どんなことが歌われているかをちゃんと理解したうえで聴くんですね。
lia:理解を深めるために絶対に和訳はしますね。サウンド的にかっこいい曲であっても、やはり「どんなことを言っているんだろう?」とすごく気になってしまうので。和訳してみると、「こんなこと歌っていたんだ!」という驚きがあったりして、その曲のことをより好きになることも多いんです。音楽にとって歌詞が持つ意味、言葉が持つ意味というものはすごく大きいと思うので、自分で作る曲に対してもそういった部分は大事にしています。
ーーデビュー日には、ライブサーキットイベント『TOKYO CALLING 2023』への出演もありましたね。
lia:はい。shallmとしての初ライブだったので、もうとても緊張しました。ただ、「こんなにたくさんの人がshallmのことを観てくれている!」って感じながら歌うことができたのは感動的でした。もちろん、shallmのことを初めて知った方も多かったと思うので、「足を運んでくれた方に絶対に好きになってもらうぞ!」という気持ちで臨んだところもありました。そのあと、YouTubeの登録者数が少し増えたりもしたので、初ライブとしては成功できたのかなと思っています。
――10月8日には同じくサーキットイベントである『MINAMI WHEEL 2023』にも出演されて。
lia:『TOKYO CALLING』の時は、どちらかと言うと緊張のほうが勝っていて、あまり記憶がない感じなんですよ。でも、『MINAMI WHEEL』では少し楽しむ余裕が出てきたところもありました。お客さんのノリもすごくよくて、私も楽しむことができました。会場が大阪だったので、たこ焼きを食べれたのも嬉しかったです(笑)。
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――shallmとしてイベントに立て続けに出演されましたが、それと並行してliaさんはおひとりで路上ライブもされていますよね。
lia:とにかくshallmのことを知ってもらいたいという気持ちから始めたことでした。通りすがりの人に怪訝な顔をされたり、誰も足を止めてくれなかったり、路上ライブには怖さもあるのですが、「誰も聴いてないかもしれないけど、私は今こんなにいい曲を歌っているんだぞ!」と思うと楽しくなってきたりもして。
――ポジティブですね(笑)。
lia:はい(笑)。足を止めてくれた方とフレンドリーにお話しできるのも路上ライブの楽しいところです。通常のライブだと、あまりお客さんとお話しすることができないので、「どんな気持ちで聴いているんだろう?」と考えちゃって怖くなることもあるんですよね。だから現状は路上のほうがリラックスしてできているのかもしれないです。
――ライブでの見せ方に関して、今の段階での理想像ってありますか?
lia:私はかっこいいバンドが大好きなので、自分でもそういうパフォーマンスがしたいなと思っています。あとは音源以上のパフォーマンスを見せることも大事にしていきたいです。ライブならではのよさがあるバンドになっていきたいですね。ただ、MCが下手なので、そこは今いちばんの課題なんですけど(笑)。
――路上ライブのようにリラックスはできない?
lia:どうしてもアガってしまって、それでさらに恥ずかしい気持ちになってしまいます。全然かっこよくないんですよね。「歌っている時とのギャップがいい」と言っていただけることもあるんですけど、自分としてはちょっと満足はいっていないというか。MCでもかっこいい女になるのが理想です。ライブはすごく楽しい場なので、いろいろな面でもっと頑張っていこうと思います。