FLYING KIDS、ファンキーな演奏で大盛り上がり 伏島和雄の還暦を華やかに祝したビルボードライブ

FLYING KIDS、ビルボードライブレポ

 FLYING KIDSが2018年から続けているビルボードライブ東京の公演を、今回は『「FunKでしか言えない本当のことがある」~第2回チキチキ還暦だヨ!全員集合!~』と題して10月27日に開催した。これは5月から8月にかけて行なったマンスリーツアーのファイナルであると同時に、伏島和雄(Ba/Cho)の還暦祝いを兼ねたもの。第2回なのは丸山史朗(Gt/Cho)と中園浩之(Dr)の還暦祝いを昨年7月にしたからだが、それだけに一段と賑やかなものになったことは言うまでもない。

 SEに乗ってメンバー9人がステージに現れると、まず目を引いたのは赤いハットとハート柄の赤いベストのモダンな還暦ルックの伏島。そしてハロウィンを意識したというElli(Vo)は黒の総レースのボディスーツでセクシーな小悪魔姿。宇賀まり(Sax/Cho)もシアーなワイドパンツで負けていない。1日2回公演の2ndステージだけに十分に温まった演奏で、のっけから盛り上げた。

 浜崎貴司(Vo)の「ようこそいらっしゃいました! FLYING KIDSです!」の挨拶で始まった1曲目は「朝日を背にうけて」。3作目『青春は欲望のカタマリだ!』(1991年)収録の〈向かうところ敵なしの/朝日を背にうけた 人になりたい〉と歌う軽やかなファンクチューンに、オーディエンスは次々に立ち上がってステップを踏んでいる。テーブル席でゆっくりお酒などを味わいながら演奏を楽しめるビルボードライブだが、FLYING KIDSとそのお客さんにとってはライブハウスと変わらない。

 曲のエンディングに重ねて「ようこそいらっしゃいました。『FunKでしか言えない本当のことがある』ツアー、東京に帰って参りました、FLYING KIDSです。ビルボードライブ東京、最後まで思い切り楽しんでください!」と浜崎が言って「オードレイ!」に突入。ちょいと緩めのラップでタイトル通り「踊れ!」と促すナイスな曲だ。サビを歌い上げるElliと浜崎との掛け合いに宇賀のサックスが絡んで、グルーヴ満点の演奏に踊らずにいられない。演奏に乗せて浜崎がメンバーを紹介する。

「オン・ドラムス中園浩之、パーカッション竹本一匹、ベース還暦・伏島和雄、ギター丸山史朗、キーボードSWING-O、ギター加藤英彦、そしてサキソフォン宇賀まりちゃん」

 一人ひとりに拍手が送られ、演奏が一段とグルーヴィになると、竹本のパーカッションを軸にメンバー全員が大小のシェイカーやタンバリンなどを振り「ラ・バンバ」を織り込みながらの「ウブゴエ・デスフィーレ」へ。ダンサブルなラテンナンバーに踊り出す人がまた増えた。

 「改めましてFLYING KIDSです。『FunKでしか言えない本当のことがある』ツアーでございますけれども、副題がついておりまして、「第2回チキチキ還暦だヨ!全員集合!」ということで、リーダー伏島和雄さんが還暦を迎えますので、ここでみなさんとお祝いしたいと思います、伏島さんおめでとうございます」と浜崎が賀ぐ。伏島が「ありがとうございます! 還暦になるまでバンドやってると思わなかった。でもいいもんですね。浜ちゃんから還暦だから何かやれ、歌えと言われまして、今日のために書き下ろしました。それを披露したいと思います」と張り切ると、浜崎が「何かに似てますよね。オリジナルと思えない出来の良さ」と突っ込む。思わせ振りなその曲は、始まってみるとマーク・ロンソン「Uptown Funk feat. ブルーノ・マーズ」の替え歌なのだが、サビの〈Girls, hit your hallelujah〉を「髪ちょっとハゲるや」と変えたりして原曲のノリを上手く捉えた歌は抱腹絶倒もの。浜崎やElliもブルーノのバンド The Hooligans風ダンスで伏島を盛り上げた。

 「昨年は丸山さんと中園さん、今年は伏島さんと、高年齢化の波が押し寄せている我がバンドですが、新曲が出ております。全然まだ行きます!」と気勢をあげた「REFLEX ACTION」。10月4日に配信開始した新曲だが、5月からのツアーで演奏してきたのでライブ仕様に仕上がっている。伏島のベースが唸り中園のドラムが跳ね、丸山と加藤のギターは弾んで宇賀のサックスが煽る。そこに華を添えるのがSWING-Oのシンセ。腰の据わったグルーヴに乗って浜崎が力強く歌い出してElliのコーラスが重なれば、まさに9人のアクションが反射し合う〈REFLEX ACTION〉が目の前で展開されていく。オーディエンスも人差し指と小指を立てるファンクサインを掲げて踊ったり揺れたり3階席まで大騒ぎ。この会場でこんな光景は珍しいのではなかろうか。

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